古今和歌集 巻第十三 恋歌三 623番
みるめなきが
逢う機会(海松布)のない我が身を、憂き浦だと知らないからか、離れずに漁師が足がだるくなるほど通ってくる。

現代語訳
逢う機会(海松布)のない我が身を、憂き浦だと知らないからか、離れずに漁師が足がだるくなるほど通ってくる。
意訳
逢う気のない自分のもとに、懲りずに通ってくる男を、海松布を求めて浦に通う漁師にたとえる。
語釈・文法注
- みるめ
- 「見る目」と「海松布」。
- うら
- 「浦」と「憂」。
- かれなで
- 離れないで。
和歌
- 作者
- 小野小町(おののこまち) 生没年未詳(九世紀中頃)
仁明・文徳天皇の頃の女性歌人。経歴はほとんどわからないが、仮名序は「あはれなるやうにてつよからず」と評し、恋の歌、ことに夢の歌に優れる。美女の伝説が多く生まれた。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十三・恋歌三・623番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 掛詞
- 「みるめ」「うら」「かれ(離れ・刈れ)」。
解説
小野小町の歌。『伊勢物語』第二十五段にも見える。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、111頁(コマ69)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日