古今和歌集 巻第十三 恋歌三 622番
秋の野に
秋の野の笹を分けて帰った朝の袖よりも、逢えずに帰ってきた夜の袖のほうが、ずっと濡れまさっていることだ。

現代語訳
秋の野の笹を分けて帰った朝の袖よりも、逢えずに帰ってきた夜の袖のほうが、ずっと濡れまさっていることだ。
意訳
露に濡れた朝帰りの袖より、逢えなかった夜の涙で濡れた袖のほうがひどい、と詠む。
語釈・文法注
- ひぢまさりける
- 濡れまさった。
和歌
- 作者
- 在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十三・恋歌三・622番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
解説
在原業平の歌。『伊勢物語』第二十五段にも見える。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、111頁(コマ69)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日