古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十二 恋歌二 604番

津の國の

紀貫之(きのつらゆき)

摂津の国の難波の葦の芽が張るように、見渡すかぎり茂る私の恋を、あの人は知っているだろうか。

「津の國の」の歌をもとにした情景。摂津の国の難波の葦の芽が張るように、見渡すかぎり茂る私の恋を、あの人は知っているだろうか。
「津の國の」の歌をもとにした情景。摂津の国の難波の葦の芽が張るように、見渡すかぎり茂る私の恋を、あの人は知っているだろうか。
詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
貫之(紀貫之)
  1. 1津つ津つつののの國くに國くにくにののの初句
  2. 2難波なには難波なにはなにわののの蘆あし蘆あしあしののの二句
  3. 3めもめもめもはははるにるにるに三句
  4. 4しげきわがこひしげきわがこひしげきわがこい四句
  5. 5人ひと人ひとひとしるらめやしるらめやしるらめや結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

摂津の国の難波の葦の芽が張るように、見渡すかぎり茂る私の恋を、あの人は知っているだろうか。

意訳

一面に芽吹く難波の葦のように、恋はいっぱいに茂っているが、相手は知らないだろう。

語釈・文法注

めもはるに
「芽も張る」と「目も遥に(見渡すかぎり)」。

和歌

作者
紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十二・恋歌二・604番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

序詞
上二句が「めもはる」を導く。
掛詞
「めもはる」。

解説

紀貫之の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、108頁(コマ67)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日