古今和歌集 巻第十二 恋歌二 559番
住の江の
住の江の岸に寄る波の「よる」ではないが、夜までも、夢の通い路で、どうしてあの人は人目を避けているのだろう。

現代語訳
住の江の岸に寄る波の「よる」ではないが、夜までも、夢の通い路で、どうしてあの人は人目を避けているのだろう。
意訳
昼は人目を避けるのはわかるが、夢の中でまで人目を避けて逢いに来てくれないのか、と恨む。
語釈・文法注
- よる
- 「寄る」と「夜」。
- 人目よくらむ
- 人目を避けているのだろう。
和歌
- 作者
- 藤原敏行(ふじわらのとしゆき) ?–901?
藤原富士麻呂の子。蔵人頭・右兵衛督などを務めた。能書家としても名高く、神護寺の鐘の銘を書いたと伝える。妻は紀有常の娘で、業平とは相婿にあたる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十二・恋歌二・559番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛平の御時きさいの宮の歌合の歌」(寛平の御時、后の宮の歌合の歌)。
修辞
- 序詞
- 上二句が「よる」を導く。
- 掛詞
- 「よる」に「寄る」と「夜」。
解説
藤原敏行の歌で、百人一首第十八首にも採られた。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、101頁(コマ64)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日