古今和歌集 巻第十二 恋歌二 557番
おろかなる
いいかげんな涙だからこそ、袖に玉となってとどまるのです。私はせき止めることもできず、激しい流れのように流れているのですから。

現代語訳
〔詞書〕返歌。
いいかげんな涙だからこそ、袖に玉となってとどまるのです。私はせき止めることもできず、激しい流れのように流れているのですから。
意訳
清行の歌に、袖にたまる程度の涙は浅い思いの証拠、私の涙は激流のようだ、と切り返す。
語釈・文法注
- おろかなる
- いいかげんな。
- たきつ瀬
- 激しく流れる瀬。
和歌
- 作者
- 小野小町(おののこまち) 生没年未詳(九世紀中頃)
仁明・文徳天皇の頃の女性歌人。経歴はほとんどわからないが、仮名序は「あはれなるやうにてつよからず」と評し、恋の歌、ことに夢の歌に優れる。美女の伝説が多く生まれた。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十二・恋歌二・557番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「かへし」(返歌)。
解説
小野小町の返歌。相手を上回る機知を示す。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、101頁(コマ64)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日