古今和歌集 巻第十一 恋歌一 469番
郭公
ほととぎすが鳴く五月の菖蒲草、その「あやめ」ではないが、物事の筋道(文目)もわからない恋をすることだ。

現代語訳
ほととぎすが鳴く五月の菖蒲草、その「あやめ」ではないが、物事の筋道(文目)もわからない恋をすることだ。
意訳
初夏の景物を連ねた上三句で「あやめ」を導き、分別を失うほどの恋に落ちたことを詠む。
語釈・文法注
- あやめ草
- 菖蒲。端午の節句に軒に挿した。
- あやめも知らぬ
- 物事の筋道もわからない。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十一・恋歌一・469番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 序詞
- 上三句が同音の「あやめ」を導く。
解説
恋歌一の巻頭歌。序詞によって季節の景から恋の心へ転じる、古今集の恋歌の典型である。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、91頁(コマ59)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日