古今和歌集 巻第九 羇旅歌 419番
ひととせに
織女は一年に一度おいでになる君(牽牛)を待っているので、ほかの人に宿を貸すことはないだろうと思う。

現代語訳
〔詞書〕親王がこの歌を繰り返し吟じて、返歌ができなくなってしまったので、お供していて詠んだ歌。
織女は一年に一度おいでになる君(牽牛)を待っているので、ほかの人に宿を貸すことはないだろうと思う。
意訳
業平の歌に、親王に代わって返す。織女は牽牛を待っているので、あなたに宿は貸さないだろう、と切り返す。
語釈・文法注
- ひととせに
- 一年に。
- 君
- 牽牛。
- あらじ
- いないだろう。
和歌
- 作者
- 紀有常(きのありつね) 815–877
紀名虎の子で、惟喬親王の母静子の兄。娘は在原業平の妻となった。『伊勢物語』にも登場する。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第九・羇旅歌・419番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「みここの歌をかへすがへすよみつつかへしえせずなりにければともに侍りてよめる」(親王がこの歌を繰り返し吟じて、返歌ができなくなってしまったので、お供していて詠んだ歌)。
解説
紀有常の歌。業平の舅で、親王の伯父にあたる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、80〜81頁(コマ53)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日