古今和歌集 巻第八 離別歌 385番
もろともに
一緒に鳴いて引きとめておくれ、こおろぎよ。秋の別れは惜しくないことがあろうか。

現代語訳
〔詞書〕藤原後蔭が唐物使として九月末日ごろに下った時、殿上の男たちが酒を飲んだついでに詠んだ歌。
一緒に鳴いて引きとめておくれ、こおろぎよ。秋の別れは惜しくないことがあろうか。
意訳
秋の終わりと友の旅立ちが重なり、こおろぎにも一緒に鳴いて引きとめてくれと頼む。
語釈・文法注
- から物の使
- 大宰府に来た唐の品を受け取りに行く使者。
- 惜しくやはあらぬ
- 惜しくないことがあろうか。
和歌
- 作者
- 藤原兼茂(ふじわらのかねもち) ?–923
藤原利基の子で、藤原兼輔の兄。参議に至った。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第八・離別歌・385番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「藤原の後蔭がから物の使に長月のつごもり方にまかりけるに上のをのこども酒たうびけるついでによめる」(藤原後蔭が唐物使として九月末日ごろに下った時、殿上の男たちが酒を飲んだついでに詠んだ歌)。
修辞
- 反語
- 「惜しくやはあらぬ」。
解説
藤原兼茂の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、71頁(コマ49)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日