古今和歌集 巻第八 離別歌 370番
かへるやま
帰るという名の帰山があるとは聞いているけれど、春霞が立つように、旅立って別れてしまったら恋しくなるだろう。

現代語訳
〔詞書〕北陸へ下る人に詠んで贈った歌。
帰るという名の帰山があるとは聞いているけれど、春霞が立つように、旅立って別れてしまったら恋しくなるだろう。
意訳
越の国には「帰る」という名の山があるから、きっと帰ってくるだろうが、それでも別れれば恋しい。
語釈・文法注
- かへるやま
- 越前国の歌枕。「帰る」をかける。
- たちわかれなば
- 「霞が立つ」と「旅立つ」。
和歌
- 作者
- 紀利貞(きのとしさだ) ?–881
紀貫之の一族で、少内記・阿波介などを務めた。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第八・離別歌・370番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「こしへまかりける人によみて遣しける」(北陸へ下る人に詠んで贈った歌)。
修辞
- 掛詞
- 「かへる」に「帰る」と地名、「たち」に「立ち」と「発ち」。
解説
紀利貞の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、68頁(コマ47)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日