古今和歌集 巻第六 冬歌 332番
あさぼらけ
夜がほのぼのと明けるころ、有明の月の光かと思うほどに、吉野の里に降っている白雪よ。

現代語訳
〔詞書〕大和国に出かけた時、雪が降ったのを見て詠んだ歌。
夜がほのぼのと明けるころ、有明の月の光かと思うほどに、吉野の里に降っている白雪よ。
意訳
夜明けのほの白い明るさの中、吉野の里に積もった雪が、有明の月の光が射しているかのように白く輝いている。
語釈・文法注
- あさぼらけ
- 夜がほのぼのと明けるころ。
- 有明の月
- 夜が明けても空に残る月。
和歌
- 作者
- 坂上是則(さかのうえのこれのり) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
坂上田村麻呂の子孫。大和権少掾・加賀介などを務めた。蹴鞠の名手としても知られる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第六・冬歌・332番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「大和の國にまかれりける時に雪の降りけるを見てよめる」(大和国に出かけた時、雪が降ったのを見て詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 雪を月光に見立てる。
解説
坂上是則の代表歌で、百人一首第三十一首にも採られた。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、59〜60頁(コマ43)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日