古今和歌集 巻第五 秋歌下 283番
たつたがは
竜田川にはもみじが乱れて流れているようだ。渡ったら、錦が途中で切れてしまうだろうか。

現代語訳
竜田川にはもみじが乱れて流れているようだ。渡ったら、錦が途中で切れてしまうだろうか。
〔左注〕この歌は、ある人が奈良の帝(文武天皇)の御歌であると申し伝えている。
意訳
川一面に流れるもみじを錦に見立て、渡れば錦が断ち切られてしまうだろう、と渡るのをためらう。
語釈・文法注
- 流るめり
- 流れているようだ。
- 中や絶えなむ
- 中が切れてしまうだろうか。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・283番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 見立て
- 紅葉の流れる川を錦に見立てる。
解説
左注は文武天皇の御歌とする説を伝える。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、50頁(コマ38)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日