古今和歌集 巻第五 秋歌下 282番
奥山の
奥山の岩垣に囲まれたもみじは、散ってしまうだろう。照る日の光を見る時もなくて。

現代語訳
〔詞書〕宮仕えに長く出仕しないで、山里にこもっていました時に詠んだ歌。
奥山の岩垣に囲まれたもみじは、散ってしまうだろう。照る日の光を見る時もなくて。
意訳
岩に囲まれた奥山の紅葉が、日の光も浴びずに散っていく。宮仕えせず、天皇の恩恵(日の光)に浴することもない自分の境遇を重ねる。
語釈・文法注
- 岩垣紅葉
- 岩に囲まれた所の紅葉。
- 照る日の光
- 天皇の恵みのたとえ。
和歌
- 作者
- 藤原関雄(ふじわらのせきお) 805–853
藤原真夏の子。官途を好まず、東山の山荘に隠れ住んで「東山進士」と呼ばれた。琴・書にも優れた。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・282番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「宮づかへ久しうつかうまつらで山里にこもり侍りけるによめる」(宮仕えに長く出仕しないで、山里にこもっていました時に詠んだ歌)。
修辞
- 寓意
- 紅葉に自分を、日の光に天皇の恩恵を重ねる。
解説
藤原関雄の歌。関雄は官途を好まず、東山に隠棲した。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、50頁(コマ38)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日