古典ライブラリー

古今和歌集 巻第五 秋歌下 254番

ちはやぶる

読人しらず(よみびとしらず)

神奈備山のもみじ葉に、思いをかけるまい。どうせ移ろって散ってしまうのだから。

「ちはやぶる」の歌をもとにした情景。神奈備山のもみじ葉に、思いをかけるまい。どうせ移ろって散ってしまうのだから。
「ちはやぶる」の歌をもとにした情景。神奈備山のもみじ葉に、思いをかけるまい。どうせ移ろって散ってしまうのだから。
詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1ちはやぶるちはやぶるちわやぶる初句
  2. 2神かみ神かみかみなびやまのなびやまのなびやまの二句
  3. 3もみぢもみぢもみじ葉ば葉ばばににに三句
  4. 4思おもひ思おもひおもいはははかけじかけじかけじ四句
  5. 5うつろふうつろふうつろう物もの物ものものををを結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

神奈備山のもみじ葉に、思いをかけるまい。どうせ移ろって散ってしまうのだから。

意訳

神奈備山の紅葉は美しいが、やがて散ってしまう。だから心を寄せるまい、と移ろいやすさを惜しむ。

語釈・文法注

ちはやぶる
「神」にかかる枕詞。
思ひはかけじ
思いをかけるまい。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第五・秋歌下・254番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

枕詞
「ちはやぶる」。

解説

紅葉に心を寄せまいと言うことで、かえってその美しさへの未練が表れる。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、45頁(コマ36)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日