古今和歌集 巻第四 秋歌上 238番
花にあかで
花に満足しないまま、どうして帰るのだろう。女郎花がたくさん咲いている野辺で、寝てしまえばいいのに。

現代語訳
〔詞書〕寛平の御時、蔵人所の男たちが嵯峨野に花見に行った時、帰ろうとして皆が歌を詠んだついでに詠んだ歌。
花に満足しないまま、どうして帰るのだろう。女郎花がたくさん咲いている野辺で、寝てしまえばいいのに。
意訳
嵯峨野の花見から帰る仲間に、女郎花の咲く野に泊まっていこうと誘う。
語釈・文法注
- 花にあかで
- 花に満足しないで。
- 寝なましものを
- 寝てしまえばいいのに。
和歌
- 作者
- 平貞文(たいらのさだふん) ?–923
桓武天皇の玄孫で、「平中(へいちゅう)」と呼ばれた。色好みとして知られ、『平中物語』の主人公とされる。寛平・延喜の歌合で活躍した。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・238番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛平の御時藏人所のをのこども嵯峨野に花見むとてまかりたりける時歸るとて皆歌よみけるついでによめる」(寛平の御時、蔵人所の男たちが嵯峨野に花見に行った時、帰ろうとして皆が歌を詠んだついでに詠んだ歌)。
解説
平貞文の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、41頁(コマ34)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日