古典ライブラリー

古今和歌集 巻第四 秋歌上 221番

なきわたる

読人しらず(よみびとしらず)

鳴いて渡っていく雁の涙が落ちたのだろうか。物思いにふける私の家の萩の上の露は。

「なきわたる」の歌をもとにした情景。鳴いて渡っていく雁の涙が落ちたのだろうか。物思いにふける私の家の萩の上の露は。
「なきわたる」の歌をもとにした情景。鳴いて渡っていく雁の涙が落ちたのだろうか。物思いにふける私の家の萩の上の露は。
詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1なきわたるなきわたるなきわたる初句
  2. 2雁かり雁かりかりののの淚なみだ淚なみだなみだややや二句
  3. 3おちつらむおちつらむおちつらむ三句
  4. 4ものおもふものおもふものおもう宿やど宿やどやどののの四句
  5. 5萩はぎ萩はぎはぎのののうへのうへのうえの露つゆ露つゆつゆ結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

鳴いて渡っていく雁の涙が落ちたのだろうか。物思いにふける私の家の萩の上の露は。

意訳

萩の上の露を、空を渡る雁が落とした涙かと見る。自分の物思いの涙とも重なる。

語釈・文法注

おちつらむ
落ちたのだろうか。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第四・秋歌上・221番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

見立て
露を雁の涙に見立てる。

解説

258番の忠岑の歌とも通う、雁の涙という発想の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、38頁(コマ32)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日