古今和歌集 巻第四 秋歌上 222番
萩のつゆ
萩の露を玉として糸に通そうと手に取ると、消えてしまう。それなら、見ようという人は、枝についたままで見なさい。

現代語訳
萩の露を玉として糸に通そうと手に取ると、消えてしまう。それなら、見ようという人は、枝についたままで見なさい。
〔左注〕ある人が言うには、この歌は奈良の帝(平城天皇)の御歌であるという。
意訳
萩の露があまりに美しいので玉にしようと取ると消えてしまう。露は枝にあるままで見るのがいちばんだ。
語釈・文法注
- ぬかむ
- 糸に通そう。
- よし
- それならば、ままよ。
- 枝ながら
- 枝についたまま。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・222番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 見立て
- 露を玉に見立てる。
解説
左注は平城天皇の歌とする説を伝える。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、38頁(コマ32)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日