古今和歌集 巻第四 秋歌上 216番
秋萩に
秋萩の咲く野でしょんぼりしていると、山のふもとを響かせて、鹿が鳴いているのだろう。

現代語訳
秋萩の咲く野でしょんぼりしていると、山のふもとを響かせて、鹿が鳴いているのだろう。
意訳
秋萩の野で物思いに沈んでいると、山すそに響きわたる鹿の声が聞こえる。妻を恋う鹿の声が、自分の寂しさをいっそう深める。
語釈・文法注
- うらびれ
- しょんぼりする、心がしおれる。
- 山下とよみ
- 山のふもとを響かせて。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・216番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 枕詞
- 「あしびきの」。
解説
萩と鹿の取り合わせは、萩を鹿の妻とする万葉集以来の発想による。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、37頁(コマ32)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日