古今和歌集 巻第四 秋歌上 215番
おくやまに
奥山で、散り敷いたもみじを踏み分けて鳴く鹿の声を聞く時こそ、秋は悲しいものだ。

現代語訳
奥山で、散り敷いたもみじを踏み分けて鳴く鹿の声を聞く時こそ、秋は悲しいものだ。
意訳
奥深い山で、紅葉を踏み分けながら妻を求めて鳴く鹿の声を聞くと、秋の悲しさがきわまる。
語釈・文法注
- ふみわけ
- 踏み分けて。主語を鹿とする説と、人とする説がある。
- 聞くときぞ
- 「ぞ…しき」の係り結び。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・215番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「是貞のみこの家の歌合の歌」(是貞親王の家の歌合の歌)。
解説
百人一首第五首では猿丸大夫の歌とされるが、古今集では読人しらず。秋の悲しさを代表する名歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、37頁(コマ32)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日