古今和歌集 巻第四 秋歌上 210番
春霞
春霞の中にかすんで去っていった雁が、今まさに鳴いている。秋霧の上で。

現代語訳
春霞の中にかすんで去っていった雁が、今まさに鳴いている。秋霧の上で。
意訳
春に霞の中へ消えていった雁が、秋になって霧の上を鳴きながら戻ってきた。季節のめぐりを感じる。
語釈・文法注
- かすみていにし
- かすんで去っていった。
- 秋霧の上に
- 秋霧の立ちこめる上空で。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・210番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 対比
- 春霞と秋霧。
解説
春と秋を一首の中で対比させた構成の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、36頁(コマ31)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日