古典ライブラリー

古今和歌集 巻第四 秋歌上 200番

君しのぶ

読人しらず(よみびとしらず)

あなたをしのぶ忍ぶ草にやつれた古い家では、待つという名の松虫の声が、悲しく聞こえることだ。

「君しのぶ」の歌をもとにした情景。あなたをしのぶ忍ぶ草にやつれた古い家では、待つという名の松虫の声が、悲しく聞こえることだ。
「君しのぶ」の歌をもとにした情景。あなたをしのぶ忍ぶ草にやつれた古い家では、待つという名の松虫の声が、悲しく聞こえることだ。
詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1君きみ君きみきみしのぶしのぶしのぶ初句
  2. 2草くさ草くさくさにやつるるにやつるるにやつるる二句
  3. 3故鄕ふるさと故鄕ふるさとふるさとははは三句
  4. 4まつむしのまつむしのまつむしの音ね音ねねぞぞぞ四句
  5. 5かなしかりけるかなしかりけるかなしかりける結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

あなたをしのぶ忍ぶ草にやつれた古い家では、待つという名の松虫の声が、悲しく聞こえることだ。

意訳

訪れのなくなった荒れた家で、恋しい人をしのびながら待ち続ける。その耳に「待つ」と鳴く松虫の声が悲しくひびく。

語釈・文法注

しのぶ草
シダの一種。古い家の軒などに生える。「偲ぶ」をかける。
やつるる
やつれる。
まつむし
「待つ」をかける。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第四・秋歌上・200番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

掛詞
「しのぶ」に「偲ぶ」と「忍ぶ草」、「まつ」に「待つ」と「松虫」。

解説

松虫の歌が続く。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、35頁(コマ31)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日