古今和歌集 巻第四 秋歌上 184番
木の間より
木の間から漏れてくる月の光を見ると、物思いの限りを尽くす秋がやって来たのだ。

現代語訳
木の間から漏れてくる月の光を見ると、物思いの限りを尽くす秋がやって来たのだ。
意訳
木々の間から差しこむ月の光に、心をすり減らすような物思いの季節、秋の到来を感じる。
語釈・文法注
- もりくる
- 漏れてくる。
- 心づくし
- あれこれ思い悩み、心を使い果たすこと。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・184番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
解説
「心づくしの秋」は、秋を物思いの季節とする古今集の美意識をよく表す言葉で、のちに『源氏物語』須磨の巻にも引かれる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、33頁(コマ30)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日