古今和歌集 巻第四 秋歌上 172番
昨日こそ
つい昨日、早苗を取って田植えをしたばかりなのに、いつの間に稲葉がそよいで、秋風が吹くようになったのか。

現代語訳
つい昨日、早苗を取って田植えをしたばかりなのに、いつの間に稲葉がそよいで、秋風が吹くようになったのか。
意訳
田植えをしたのがつい昨日のように思えるのに、もう稲の葉がそよぐ秋になった。時の過ぎる速さに驚く。
語釈・文法注
- さなへ
- 稲の苗。
- とりしか
- 「こそ…しか」の係り結び。取ったのに。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・172番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
解説
農事を通して季節の移ろいをとらえた歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、31頁(コマ29)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日