古典ライブラリー

古今和歌集 巻第一 春歌上 24番

ときはなる

源宗于(みなもとのむねゆき)

いつも変わらない常緑の松の緑も、春が来ると、さらにひときわ色が濃くなることだ。

春の日差しに照らされ、いっそう深く見える松の緑。変わらぬ常磐木にも季節の新しさを見いだす情景。
春の日差しに照らされ、いっそう深く見える松の緑。変わらぬ常磐木にも季節の新しさを見いだす情景。
作者
源宗于朝臣(源宗于)
  1. 1寛平くわんぴやう寛平くわんぴやうかんぴょうののの御時后おほんときのきさい御時后おほんときのきさいおおんときのきさいののの宮みや宮みやみやののの歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに詠よ詠よよめるめるめる詞書
  2. 2ときときときははわなるなるなる初句
  3. 3松まつ松まつまつのみどりものみどりものみどりも二句
  4. 4春はる春はるはるくればくればくれば三句
  5. 5今いま今いまいまひとしほのひとしほのひとしおの四句
  6. 6色いろ色いろいろまさりけりまさりけりまさりけり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕寛平の御時、后の宮の歌合で詠んだ歌。

いつも変わらない常緑の松の緑も、春が来ると、さらにひときわ色が濃くなることだ。

意訳

一年中色の変わらない松でさえ、春になると緑がいっそう鮮やかになる。万物が生気を取り戻す春の力を、松の色によってたたえた。

語釈・文法注

ときはなる
永久に変わらない。
ひとしほ
染め物を染め汁に一回ひたすこと。転じて、ひときわ。
まさりけり
「けり」は気づきの詠嘆。

和歌

作者
源宗于(みなもとのむねゆき) ?–939
光孝天皇の皇子是忠親王の子。臣籍に下って源姓を賜り、右京大夫となった。官位に恵まれない嘆きを詠んだ歌が伝わる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第一・春歌上・24番
歌体
短歌
状況
詞書「寛平の御時后の宮の歌合に詠める」(寛平の御時、后の宮の歌合で詠んだ歌)。

修辞

縁語
「ひとしほ」「色」は染色の縁語。

解説

常緑の松に春の色づきを見いだす着眼が新しい。作者の源宗于は光孝天皇の孫。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、5頁(コマ16)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日