古典ライブラリー

古今和歌集 巻第一 春歌上 18番

かすが野の

読人しらず(よみびとしらず)

春日野の飛火野の野守よ、出て見ておくれ。あと何日したら若菜を摘めるだろうか。

春日野の飛火野で、芽吹き始めた野を見渡す野守。若菜を摘める日を待つ歌をもとにした情景。
春日野の飛火野で、芽吹き始めた野を見渡す野守。若菜を摘める日を待つ歌をもとにした情景。
詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1かすがかすがかすが野の野ののののの初句
  2. 2飛火とぶひ飛火とぶひとぶいののの野守のもり野守のもりのもり二句
  3. 3いでていでていでて見み見みみよよよ三句
  4. 4今幾日いまいくか今幾日いまいくかいまいくかありてありてありて四句
  5. 5若菜わかな若菜わかなわかなつみてむつみてむつみてむ結句

引用の仕方

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現代語訳

春日野の飛火野の野守よ、出て見ておくれ。あと何日したら若菜を摘めるだろうか。

意訳

若菜摘みの日を待ちかねて、野の番人に、出て若菜の育ち具合を見てくれと呼びかける。早春の野遊びを楽しみにする心を詠む。

語釈・文法注

飛火の野守
飛火野は春日野の一部。古代に烽火(とぶひ)を置いたことからいう。野守は野の番人。
今いくか
あと何日。
つみてむ
「て」は強意、「む」は推量。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第一・春歌上・18番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

若菜摘みは正月の行事で、春の野に出て若菜を摘み、長寿を祈った。巻頭近くには若菜を詠む歌がまとまって置かれている。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、4頁(コマ15)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日