古今和歌集 巻第一 春歌上 16番
野邊ちかく
野辺の近くに住んでいるので、鶯の鳴く声を毎朝聞くことだ。

現代語訳
〔詞書〕題しらず。
野辺の近くに住んでいるので、鶯の鳴く声を毎朝聞くことだ。
意訳
野に近い住まいなので、春になると毎朝鶯の声が聞こえてくる。郊外の暮らしの楽しみを素直に詠んだ。
語釈・文法注
- 家居
- 住まい。
- しをれば
- 「し」は強意の副助詞、「をり」は居る。
- なくなる
- 「なる」は音や声から推定する伝聞推定の助動詞。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第一・春歌上・16番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
解説
飾り気のない詠みぶりの読人しらずの歌。古今集の読人しらずの歌には、こうした古風で素朴な歌が多い。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、4頁(コマ15)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日