古典ライブラリー

蜻蛉日記 下巻 第38章

下巻の始まりと大納言昇進

天禄三年(972)、下巻は穏やかな心で始まる。正月、道綱を参賀に送り出し、兼家の家の男たちと女房たちが桶の蓋を詠み交わす。兼家は大納言に昇進するが、作者は喜ぶ気にもなれない。それでも二月、兼家はふいに訪れて一夜を過ごし、朝ゆっくりと身支度をして帰っていく。

  1. 1かくかくかくててて又また又またまた明あ明ああけけけぬれぬれぬればばば、、、天てん天てんてん祿ろく祿ろくろく三年さむねん三年さむねんさんねんにににいふいふいうめりめりめり。。。今年ことし今年ことしことしももも、、、憂う憂ううきききもももつらきつらきつらきももも共とも共ともともににに心ここ心ここここちちち晴は晴ははれれれててておぼえおぼえおぼえなどなどなどしししててて、、、大たい大たいたい夫ふ夫ふふさうぞかさうぞかそうぞかせせせててて出いだ出いだいだししし立た立たたつつつ。。。おりおりおりはしりはしりはしりてててやがてやがてやがて拜はい拜はいはいするするするををを見み見みみれれればばば、、、いといといとゆゝしうゆゝしうゆゆしゅう覺おぼ覺おぼおぼえええててて淚なみだ淚なみだなみだぐましぐましぐまし。。。行おこな行おこなおこなひひいもももせせせばばばやややととと思おも思おもおもふふう今宵こよひ今宵こよひこよいよりよりよりふざうふざうふぞうなるなるなる事こと事ことことあるあるあるべしべしべし。。。これこれこれ人ひと人ひとひと忌い忌いいむむむととといふいふいう事こと事ことことなるなるなるををを、、、又また又またまたいかなるいかなるいかなるとてとてとてにににかかかととと心こころ心こころこころ一ひと一ひとひとつつつににに思おも思おもおもふふう。。。今年ことし今年ことしことしははは天てん天てんてん下か下かかににににくきにくきにくき人ひと人ひとひとありありありともともとも思おも思おもおもひひいなほなほなおらららじじじなどなどなどしめりしめりしめりててて思おも思おもおもへへえばばばいといといと心こころ心こころこころ安やす安やすやすししし。。。三日みつか三日みつかみつかははは帝みかど帝みかどみかどののの御おほん御おほんおおんかうぶりかうぶりこうぶりとてとてとて世よ世よよははは騷さわ騷さわさわぐぐぐ。。。白馬あをむま白馬あをむまあおうまやややなどなどなどいへいへいえどもどもども心ここ心ここここちちちすさまじうすさまじうすさまじゅうててて七日なぬか七日なぬかなのかももも過す過すすぎぎぎぬぬぬ。。。八日やうか八日やうかようかばかりばかりばかりににに見み見みみえええたるたるたる人ひと人ひとひと、、、「「「いみじういみじういみじゅう節せち節せちせち會ゑ會ゑえがちがちがちなるなるなる頃ころ頃ころころにににててて」」」などなどなどありありあり。。。つとめてつとめてつとめて歸かへ歸かへかえるるるににに、、、しばししばししばし立た立たたちちちとまりとまりとまりたるたるたる、、、をのこをのこおのこどもどもどものののなかなかなかよりよりより、、、かくかくかく書か書かかきききつけつけつけててて、、、女房にようばう女房にようばうにょうぼうののの中なか中なかなかににに入い入いいれれれたりたりたり、、、
  2. 2「「「しもつけしもつけしもつけややや桶をけ桶をけおけのののふたくふたくふたくをををあぢきなきあぢきなきあじきなきかげかげかげもももうかばうかばうかばぬぬぬ鏡かがみ鏡かがみかがみとととぞぞぞ見み見みみるるる」」」。。。
  3. 3そのそのそのふたふたふたににに、、、酒さけ酒さけさけくだものくだものくだものととと入い入いいれれれててて出いだ出いだいだすすす。。。土かは土かはかわ器らけ器らけらけににに女房にようばう女房にようばうにょうぼう、、、
  4. 4「「「さしさしさし出い出いいでででたるたるたるふたくふたくふたくををを見み見みみれれればばば身み身みみををを捨す捨すすてゝてゝててこのこのこのむむんははは玉たま玉たまたまのののこここぬぬぬととと定さだ定さださだめめめつつつ」」」。。。
  5. 5かくかくかくてててなかなかなかなかなかなかなるなるなる身み身みみのののひまひまひまなきなきなきにににつゝみつゝみつつみててて、、、世よ世よよののの人ひと人ひとひと々びと々びとびとのののさりさりさりててて行おこな行おこなおこなひひいもももせせせででで二ふた二ふたふた七なぬ七なぬなぬ日か日かかははは過す過すすぎぎぎぬぬぬ。。。十四日じふよか十四日じふよかじゅうよっかばかりばかりばかりににに、、、「「「古ふる古ふるふるきききうへうへうえのののきぬきぬきぬ、、、これこれこれいといといとようようようしししててて」」」などなどなどいひいひいいてててありありあり。。。「「「着き着ききるるるべきべきべき日ひ日ひひははは」」」などなどなどあれあれあれどどど、、、いそぎいそぎいそぎももも思おも思おもおもははわででであるあるあるににに、、、使つかひ使つかひつかいのののつとめてつとめてつとめて「「「おそおそおそかしかしかし」」」とととあるあるあるににに、、、
  6. 6「「「久ひさ久ひさひさしししとととはははおぼつかなしおぼつかなしおぼつかなしやややからからからごろもごろもごろもうちうちうち着き着ききてててなれなれなれむむんさてさてさて贈おく贈おくおくらららせよせよせよ」」」
  7. 7とととあるあるあるににに、、、違たが違たがたがひひいてててこれこれこれよりよりより文ふみ文ふみふみもももなくなくなくてててものものものしししたれたれたればばば、、、「「「これこれこれからからからよろしかよろしかよろしかめりめりめり。。。きききをををならならならぬぬぬがががわろさわろさわろさ」」」とととよよよりりりありありあり。。。ねたさねたさねたさにににかくかくかくものものものしししけりけりけり、、、
  8. 8「「「わびわびわびててて又また又またまたとくとくとくととと騷さわ騷さわさわげげげどどどかひかひかいなくなくなくててて程ほど程ほどほど經ふ經ふふるるる物もの物ものものはははかくかくかくこそこそこそありありありけれけれけれ」」」こそこそこそのののしししつつつ。。。それそれそれよりよりより後のち後のちのち「「「つかさつかさつかさめしめしめしにににててて」」」などなどなどゝゝとててて音おと音おとおとなしなしなし。。。今日けふ今日けふきょうははは二十三日にじふさむにち二十三日にじふさむにちにじゅうさんにち、、、まだまだまだ格かう格かうこう子し子ししははは上あ上ああげげげぬぬぬ程ほど程ほどほどににに、、、或ある或あるある人ひと人ひとひと起お起おおきききはしはしはしにににててて妻つま妻つまつま戶ど戶どどをををおしおしおし明あ明ああけけけててて「「「雪ゆき雪ゆきゆきこそこそこそ降ふ降ふふりりりたりたりたりけれけれけれ」」」ととといふいふいう程ほど程ほどほどににに、、、鶯うぐひす鶯うぐひすうぐいすののの初はつ初はつはつ聲こゑ聲こゑこえたりたりたりどどど今年ことし今年ことしことしもももまいてまいてまいて心ここ心ここここちちちももも老お老おおいいいずずず。。。きてきてきて例れい例れいれいのののかひかひかいなきなきなき一ひと一ひとひとつつつごとごとごとももも覺おぼ覺おぼおぼえええざりざりざりけりけりけり。。。つかさつかさつかさめしめしめし二十五日にじふごにち二十五日にじふごにちにじゅうごにちににに大だい大だいだい納な納なな言ごん言ごんごんににになどなどなどのゝしれのゝしれののしれどどど、、、我わ我わわががが爲ため爲ためためはははましてましてまして、、、所ところ所ところところせきせきせきにににこそこそこそあらあらあらめめめととと思おも思おもおもへへえばばば御おほん御おほんおおんよろしびよろしびよろしびなどなどなどおこするおこするおこする人ひと人ひとひとももも、、、かへりかへりかえりてててははは哢ろう哢ろうろうずるずるずる心ここ心ここここちちちしししてててゆめゆめゆめ嬉うれ嬉うれうれしからしからしからずずず。。。大たい大たいたい夫ふ夫ふふばかりばかりばかりぞぞぞえええもももいはいはいわずずずしたしたしたにににははは思おも思おもおもふふうべかべかべかめるめるめる。。。又また又またまたののの日ひ日ひひばかりばかりばかり「「「などなどなどかかかいかにいかにいかにととといふいふいうまじきまじきまじきよろこびよろこびよろこびのののかひかひかいなくなくなくなむなむなん」」」などなどなどありありあり。。。又また又またまたつごもりつごもりつごもりののの日ひ日ひひばかりばかりばかりににに、、、「「「なになになに事こと事ことことかかかあるあるある。。。騷さわが騷さわがさわがしうしうしゅうてててなむなむなん。。。などなどなどかかか音おと音おとおとをををだにだにだにつらしつらしつらし」」」などなどなど、、、果はて果はてはてはははいはいはいわむむん事こと事ことことのののなきなきなきにににやややあらあらあらむむん、、、さかさまさかさまさかさまごとごとごとぞぞぞあるあるある。。。今日けふ今日けふきょうもももみづからみづからみずからははは思おも思おもおもひひいかけかけかけられられられぬぬぬなめりなめりなめりととと思おも思おもおもへへえばばば、、、かへりかへりかえりごとごとごとににに「「「御お御おおまへまへまえまうしまうしもうしこそこそこそ御おほん御おほんおおんいとまいとまいとまひまひまひまなかなかなかべかべかべかめれめれめれどどどあいなけれあいなけれあいなけれ」」」とととばかりばかりばかり物もの物ものものしししつつつ。。。
  9. 9かゝれかゝれかかれどどど今いま今いまいまはははものものものととともももおぼえおぼえおぼえずずずなりなりなりにににたれたれたればばば、、、なかなかなかなかなかなかいといといと心こころ心こころこころ安やす安やすやすくくく、、、よるよるよるももも裏うら裏うらうらもももなうなうのう、、、うちうちうち臥ふ臥ふふしししててて寐ね寐ねねたりたりたりたるたるたる程ほど程ほどほどににに、、、かどかどかど叩たた叩たたたたくくくににに驚おどろ驚おどろおどろきききかれかれかれててて怪あや怪あやあやしししととと思おも思おもおもふふう程ほど程ほどほどににに、、、ふとふとふと明あ明ああけけけてててけれるけれるけれる心こころ心こころこころ々ごころ々ごころごころ騷さわが騷さわがさわがしくしくしく思おも思おもおもふふう程ほど程ほどほどににに、、、妻つま妻つまつま戶ど戶どど口ぐち口ぐちぐちににに立た立たたちちちててて「「「とくとくとくあけあけあけよよよややや」」」などなどなどあああなりなりなり。。。前まへ前まへまえなりなりなりつるつるつる人ひと人ひとひと々びと々びとびとももも、、、皆みな皆みなみなうちうちうち解と解ととけけけたれたれたればばば逃に逃ににげげげ隱かく隱かくかくれれれぬぬぬ。。。見み見みみ苦ぐる苦ぐるぐるしさしさしさにににゐざりゐざりいざりよりよりよりててて「「「やすらひやすらひやすらいにににだにだにだになくなくなくなりなりなりにににたれたれたればばば、、、いといといと難かた難かたかたしししややや」」」とてとてとてあくれあくれあくればばば、、、「「「さしさしさしでででのみのみのみ參まゐ參まゐまいりりり來く來くくれれればばばにににやややあらあらあらむむん」」」とととありありあり。。。きときときとかかかありありあり月つき月つきつき方かた方かたかたににに松まつ松まつまつ吹ふ吹ふふくくく風かぜ風かぜかぜののの音おと音おとおといといといと荒あら荒あらあらくくく聞きこ聞きこきこゆるゆるゆる。。。こゝらこゝらここら一ひと一ひとひと人り人りり明あか明あかあかすすす夜よ夜よよ、、、かゝるかゝるかかる音おと音おとおとのののせせせねねねばばばものゝものゝものの助たすけ助たすけたすけにににこそこそこそありありありけれけれけれとととまでまでまでぞぞぞ聞きこ聞きこきこゆるゆるゆる。。。明あ明ああくれくれくればばば二月にぐわつ二月にぐわつにがつにににもももなりなりなりぬぬぬめりめりめり。。。雨あめ雨あめあめいといといと長のど長のどのど閑か閑かかににに降ふ降ふふるるるなりなりなり。。。格かう格かうこう子し子ししなどなどなどあけあけあけつれつれつれどどど、、、例れい例れいれいのののやうやうようににに心こころ心こころこころあわたゞしからあわたゞしからあわただしからねねねばばば、、、雨あめ雨あめあめのののするするするなめりなめりなめり。。。されどされどされどとまるとまるとまる方かた方かたかたははは、、、思おも思おもおもひひい懸か懸かかけけけられられられずずずとととばかりばかりばかりありありありててて、、、「「「をのこをのこおのこどもどもどもははは參まゐ參まゐまいりりりにににたりたりたりややや」」」などなどなどいひいひいいててて起お起おおききき出い出いいでゝでゝでて、、、なよらかなよらかなよらかならならならぬぬぬ直なほ直なほなお衣し衣しししをれしをれしおれよいよいよい程ほど程ほどほどなるなるなるかいねりかいねりかいねりののの袿うちき袿うちきうちきひとひとひとかさねかさねかさね、、、帶おび帶おびおびゆるらかゆるらかゆるらかにににてててあゆみあゆみあゆみ出い出いいづるづるずるににに、、、人ひと人ひとひと々びと々びとびと御おほん御おほんおおん粥かゆ粥かゆかゆなどなどなどてうじてうじちょうじててて侍はべ侍はべはべるるるめれめれめれどどど、、、例れい例れいれい食く食くくははわぬぬぬものものものなれなれなればばば「「「何なに何なになにかかかははは」」」などなどなど心こころ心こころこころよげよげよげにににうちうちうちいひいひいいててて、、、太た太たた刀ち刀ちちとくとくとくよよよとととあれあれあればばば、、、大たい大たいたい夫ふ夫ふふとりとりとりててて、、、すのこすのこすのこにににかたかたかたひざまづきひざまづきひざまずきてててゐゐいたりたりたり。。。のどかのどかのどかににに步あゆ步あゆあゆみみみ出い出いいでゝでゝでて見み見みみ廻まは廻まはまわしししててて、、、「「「前せん前せんせん栽ざい栽ざいざいをををらうがはしくらうがはしくろうがわしく燒や燒ややきききためためためるるるかなかなかな」」」などなどなどありありあり。。。やがてやがてやがてそこそこそこもともともとにににあまあまあまかはかはかわはりはりはりたるたるたるをををさしさしさし寄よ寄よよせせせ、、、をのこをのこおのこどもどもどもかるらかかるらかかるらかにににでもでもでもたげたげたげたれたれたればばば、、、這は這ははひひい乘の乘ののりりりぬぬぬめりめりめり。。。下した下したした簾すだれ簾すだれすだれ引ひ引ひひきききつくろひつくろひつくろいててて、、、中ちゆう中ちゆうちゅう門もん門もんもんよりよりより引ひ引ひひききき出い出いいでゝでゝでて、、、さきさきさきよいよいよい程ほど程ほどほどににに追お追おおははわせせせてててあるあるあるももも、、、妬ねた妬ねたねたげげげにににぞぞぞ聞きこ聞きこきこゆるゆるゆる。。。日ひ日ひひ頃ごろ頃ごろごろいといといと風かぜ風かぜかぜ早はや早はやはやしししとてとてとて、、、南みなみ南みなみみなみ面おもて面おもておもてののの格かう格かうこう子し子ししははは明あ明ああけけけぬぬぬををを、、、今日けふ今日けふきょうかうかうこうててて見み見みみ出いだ出いだいだしししててて、、、とととばかりばかりばかりあれあれあればばば、、、雨あめ雨あめあめよいよいよい程ほど程ほどほどにににのどやかのどやかのどやかににに降ふ降ふふりりりててて庭には庭にはにはうちうちうち荒あ荒ああれれれたるたるたるさまさまさまにににててて、、、朽くち朽くちくち葉ば葉ばば所ところ所ところところ々どころ々どころどころ靑あを靑あをあおみみみ渡わた渡わたわたりりりにににけりけりけり。。。哀あはれ哀あはれあわれととと見み見みみえええたりたりたり。。。晝ひる晝ひるひるつつつ方かた方かたかたかへしかへしかへしうちうちうち吹ふ吹ふふきききててて晴は晴ははるゝるゝるるがほがほがおののの空そら空そらそらはははしししたれたれたれどどど、、、心ここ心ここここちちちあやしうあやしうあやしゅう惱なやま惱なやまなやましうしうしゅうててて暮く暮くくれれれ果は果ははつるつるつるまでまでまでながめながめながめ暮くら暮くらくらしししつつつ。。。
  10. 10三日みつか三日みつかみつかににになりなりなりぬるぬるぬる夜よ夜よよ、、、降ふ降ふふりりりけるけるける雪ゆき雪ゆきゆき三四寸さむしすん三四寸さむしすんさんしすんばかりばかりばかりたまりたまりたまりててて今いま今いまいまももも降ふ降ふふるるる。。。すだれすだれすだれををを卷ま卷ままきききててて眺なが眺ながながむれむれむればばば「「「あれあれあれとかとかとかむむん」」」ととといふいふいう聲こゑ聲こゑこえこゝこゝここかしこかしこかしこににに聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。風かぜ風かぜかぜさへさへさへ早はや早はやはやししし。。。世よ世よよののの中なか中なかなかいといといと哀あはれ哀あはれあわれなりなりなり。。。さてさてさて日ひ日ひひ晴は晴ははれれれなどなどなどしししててて八日やうか八日やうかようかのののほどほどほどにににありきありきありきののの所ところ所ところところににに渡わた渡わたわたりりりたるたるたるははは、、、多おほ多おほおおくくく若わか若わかわかききき人ひと人ひとひとがちがちがちにににててて、、、箏さう箏さうそうののの琴こと琴ことこと、、、琵び琵びび琶は琶はわなどなどなど折をり折をりおりにににあひあひあいたるたるたる聲こゑ聲こゑこえににに調しら調しらしらべべべなどなどなどしししててて、、、うちうちうち笑わら笑わらわらふふうことことことがちがちがちにににててて暮く暮くくれれれぬぬぬ。。。つとめてつとめてつとめてまらうどまらうどまろうど歸かへ歸かへかえりりりぬるぬるぬる後のち後のちのち、、、心こころ心こころこころのどかのどかのどかなりなりなり。。。唯ただ唯ただただ今いま今いまいまあるあるある文ふみ文ふみふみををを見み見みみれれればばば、、、「「「長なが長ながながききき物もの物ものもの忌いみ忌いみいみににに、、、うちうちうち續つづ續つづつづききき若わか若わかわか座ざ座ざざととといふいふいうわざわざわざしししてててははは、、、愼つつし愼つつしつつしみみみけれけれければばば、、、今日けふ今日けふきょうなむなむなんいといといと疾と疾ととくくくととと思おも思おもおもふふう」」」などなどなどいといといとこまやかこまやかこまやかなりなりなり。。。返かへ返かへかえりりり事ごと事ごとごと物もの物ものものしししててて、、、いとゞいとゞいとどげにげにげにあああめれめれめれどどど、、、世よ世よよにににもももあらあらあらじじじ、、、今いま今いまいまははは人ひと人ひとひと知し知ししれれれぬぬぬさまさまさまににになりなりなり行ゆ行ゆゆくくくものものものをををととと、、、思おも思おもおもひひい過す過すすぐしぐしぐしてててあさましあさましあさまし、、、

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

こうしてまた年が明けたので、天禄三年というようだ。今年は、憂いもつらさも共に、心が晴れたように思われたりして、大夫(道綱)に装束を着せて送り出す。(庭に)降り走ってすぐに(父に)拝礼するのを見ると、たいそう感慨深く思われて涙ぐましい。勤行もしたいと思う今夜から、不浄のこと(月の障り)があるにちがいない。これは人が忌むということなので、またどうしたことかと心一つに思う。今年は、世の中に憎い人がいても思い悩むまいなどと、しんみり思うと、たいそう心安い。三日は帝の御元服だといって世間は騒ぐ。白馬の節会などといっても、気持ちが興ざめで、七日も過ぎた。八日ごろに姿を見せた人(兼家)は、「たいそう節会の多い時期でね」などと言う。翌朝帰る時に、しばらく立ち止まっていた男たちの中から、こう書きつけて、女房たちの中に差し入れた。

「下野の、桶の蓋が、つまらないことに、影も映らない鏡のように見える(何ももらえない)」。

その蓋に、酒や果物を入れて差し出す。土器に女房が、

「差し出した蓋を見れば、身を捨てて、好むのは玉(のような酒)が来ないことだと決めつけたのですね」。

こうして、なまじの身で暇のないのにかこつけて、世間の人々が(する精進を)避けて勤行もしないで、十四日は過ぎた。十四日ごろに、「古い上着、これをきれいに仕立てて」などと言ってきた。「着る日は」などと聞いたが、急ぐとも思わないでいると、使いが翌朝「遅いではないか」と言ってきたので、

「久しいとは心もとない。唐衣を着て慣れ親しもう、そうして早く贈らせよ」

とあるのに、行き違いに、こちらから手紙もつけずに送ったので、「これからはよろしいようだ。着慣れないのがよくない」とある。くやしさにこう書いてやった。

「つらく思って、また早くと騒ぐけれど、かいがなくて、時のたつものはこんなふうなのでした」と書いた。それから後は「除目で(忙しい)」などと言って音沙汰がない。今日は二十三日、まだ格子を上げない時分に、ある人が起きて端に出て、妻戸を押し開けて、「雪が降っていたのですね」と言っているうちに、鶯の初声がしたけれど、今年はまして心も老いない(若々しい)。来て、いつものかいのない一言も思われなかった。二十五日の除目に(あの人は)大納言になったなどと騒いでいるけれど、私のためには、まして窮屈なことになるだろうと思うので、お祝いなどをよこす人も、かえってからかわれているような気がして、少しもうれしくない。大夫だけは、言いようもなく内心喜んでいるようだ。翌日ごろ、(あの人から)「どうして『どうでしたか』とも言わないのか、喜びのかいもない」などとある。また月末の日ごろに、「何事かあるか。忙しくてね。どうして便りさえくれないのか、つらい」などと、しまいには言うことがないのだろうか、あべこべのことを言ってくる。今日も自分では来ようとは思っていないようだと思うので、返事に、「御前に参る人こそ、お暇もないでしょうけれど、それも(私には)つまらないことです」とだけ書いてやった。

こうしてはいるけれど、今は何とも思わなくなってしまったので、かえってたいそう気楽で、夜も気を許して横になって寝ていた時に、門を叩く音に目が覚めて、妙だと思っているうちに、さっと開けてしまったので、それぞれ慌てて思っているうちに、妻戸口に立って「早く開けよ」などと言うようだ。前にいた侍女たちも、皆くつろいでいたので逃げ隠れた。見苦しいので、いざり寄って、「せめてためらいがちにでも来ることさえなくなってしまったのに、たいそう難しいこと」と言って開けると、「差し出てばかり参るからだろうか」と言う。……明け方に松を吹く風の音がたいそう荒く聞こえる。長い間ひとりで明かした夜に、こんな音がしなかったので、(あの人がいるのは)物の助けであったのだとまで思われる。夜が明けると、二月になったようだ。雨がたいそうのどかに降っている。格子などを上げたけれど、いつものように気ぜわしくないので、雨のせいなのだろう。けれども(あの人が)泊まっていくとは思いもかけないでいると、しばらくして、「男たちは参っているか」などと言って起き出して、柔らかくない直衣と、ほどよく糊の落ちた練絹の袿を一重ね着て、帯をゆるやかに締めて歩み出ると、侍女たちが粥などを調えてございますようだが、いつも食べないものなので、「いや、よい」などと機嫌よく言って、「太刀を早く」と言うので、大夫が取って、簀子に片膝をついて控えていた。ゆっくりと歩み出て見回して、「前栽をめちゃくちゃに焼いてしまったようだな」などと言う。すぐにそのあたりに雨皮を張った車を寄せて、男たちが軽々と持ち上げると、這い乗ったようだ。下簾を引き整えて、中門から引き出して、先払いをほどよくさせて行くのも、妬ましく聞こえる。何日もひどく風が強いというので、南面の格子は上げなかったのを、今日はこうして外を見やって、しばらくいると、雨がほどよくのどかに降って、庭がいくらか荒れた様子で、枯れ草のあちこちが青み渡っていた。しみじみと見えた。昼ごろ、北風が吹き返して、晴れそうな空ではあったが、気分が妙に悪くて、日が暮れきるまで物思いにふけって過ごした。

三日になった夜、降った雪が三、四寸ほど積もって、今も降っている。簾を巻いて眺めると、「あれを見よ」という声があちこちに聞こえる。風までも強い。世の中がたいそうしみじみとする。さて、日が晴れたりして、八日ごろに地方回りの人(父)の家に移ったところ、若い人が多くて、箏の琴や琵琶などを、折にふさわしい音色に調べたりして、笑ってばかりいて日が暮れた。翌朝、客が帰った後、心がのどかである。ちょうど今来た手紙を見ると、「長い物忌みに続いて、若座(臨時の物忌み)ということをして慎んでいたので、今日こそ早く(行こう)と思う」などと、たいそうこまやかだ。返事を書いて、いっそうもっともらしいようだけれど、まさかそうでもあるまい、今は人知れずの仲になっていくのにと、思って過ごして、あきれたことに、

意訳

〔下巻の始まり〕天禄三年、作者は「憂きもつらきも共に心ち晴れて」新年を迎える。道綱が父に拝礼する姿に涙ぐみ、「今年は憎い人がいても思い悩むまい」と心に決める。中巻の苦しみを経て、作者の心はいくらか落ち着きを取り戻している。

〔桶の蓋〕兼家の供の男たちが、桶の蓋を「影も映らない鏡」と詠んで酒をねだり、女房たちが蓋に酒や果物を入れて歌を返す。下巻は、こうした軽やかな場面から始まる。

〔大納言昇進〕正月の除目で兼家は大納言に昇進する。道綱は内心大喜びだが、作者は「自分にはかえって窮屈になるだけ」と喜ぶ気にもなれない。

〔二月の朝〕夜中に門を叩いて訪れた兼家は、翌朝、雨ののどかな中、ゆっくりと身支度をして、道綱から太刀を受け取り、前栽を見回して帰っていく。夫の姿をじっくりと描いたこの場面には、かつてのような激しい恨みは見られない。

語釈・文法注

文法

「ふざうなる事」
不浄なること。月の障り。
「帝の御かうぶり」
円融天皇の元服。天禄三年正月三日。
「しもつけや桶のふたく」
「下野や」は「桶」にかかる。「ふたく」は「蓋」か。底本の注記に異文がある。
「このむは玉のこぬ」
底本どおりで意味がとりにくい。
「世の人々のさりて」
底本どおり。注記に異文がある。
「きをならぬがわろさ」
底本どおり。注記に「よ」の異文がある。
「哢ずる」
弄ずる。からかう。
「さかさまごと」
あべこべのこと。来ない兼家が、便りをくれないと作者を責めること。
「御まへまうしこそ」
底本どおり。注記に異文がある。
「よるも裏もなう」
底本どおり。注記に異文がある。気を許して、の意に解する。
「きとかあり月方に」
底本どおり。注記に「六字さてあかつきがた」とあり、「さて暁方に」と解する。
「さしでのみ」
差し出て(でしゃばって)ばかり。
「あまかは」
雨皮。牛車の雨よけの覆い。
「若座」
底本どおり。臨時の物忌みか。
「あれとかむ」
底本どおり。注記に「五字あな見む」などとある。

和歌

しもつけや桶のふたくをあぢきなきかげもうかばぬ鏡とぞ見る

詠者
兼家の供の男たち
状況
正月、兼家が帰る時、供の男たちが女房たちに酒をねだって書き入れた歌。

修辞

見立て
桶の蓋を、影も映らない鏡に見立てて、何も入っていない(酒がもらえない)ことを嘆く。

わびて又とくと騷げどかひなくて程經る物はかくこそありけれ

詠者
道綱母(作者)
状況
上着の仕立てを急かす兼家への返事に添えた歌。

修辞

皮肉
急いで仕立てても、ほったらかしにされてきた自分と同じだと、兼家の訪れのなさを当てこする。

解説

下巻は天禄三年(972)から天延二年(974)の大晦日までの三年間を描く。上巻・中巻に比べて、兼家との関係を嘆く記事は少なくなり、養女を迎えること、道綱の成長と恋、周囲の人々との交わりなどが中心になる。

天禄三年正月、兼家は大納言に昇進した。兄の伊尹は太政大臣・摂政として権勢をふるっており、兼家も一族の中で地位を高めていった。作者は夫の昇進をよそごとのように見ている。

二月の朝、兼家が身支度をして帰る場面は、日記の中でも印象的な描写である。糊の落ちた練絹の袿、ゆるやかに締めた帯、片膝をついて太刀を差し出す道綱。作者は夫の姿を、もはや恨みよりも観察の目で見つめている。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(蜻蛉日記) 板倉屋書房、明治36年(1903)、113–117頁(コマ59–61)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日