古典ライブラリー

今鏡 第六「藤波の下」 第56章

花散る庭の面

公実の子、徳大寺左大臣実能は、温和で優雅な人柄の歌人。閑院流で久しく絶えていた大臣・大将の道を開き、兄の実行らを越えて大将となった。実行と雅定が大臣になった日の祝賀の対照的な様子、実能の子の右大臣公能の美声と詩才の逸話が語られる。

  1. 1春宮大夫とうぐうのだいぶ春宮大夫とうぐうのだいぶとうぐうのだいぶののの六ろく六ろくろく郞らう郞らうろうにやおはすらんにやおはすらんにやおわすらん。。。左大臣さだいじん左大臣さだいじんさだいじんのおとゞのおとゞのおとど、、、これもこれもこれも左衞門さゑもん左衞門さゑもんさえもんノノノ督かみ督かみかみ、、、山やま山やまやまののの座主ざす座主ざすざす、、、女院にようゐん女院にようゐんにょういんなどのなどのなどの一ひと一ひとひとつつつ御おん御おんおんはははらからにてらからにてらからにて、、、二位にゐ二位にゐにいののの御子みこ御子みこみこにおはすにおはすにおわす。。。
  2. 2大炊おほひ大炊おほひおおいノノノ御門みかど御門みかどみかどのおとゞとものおとゞとものおとどとも德大寺とくだいじ德大寺とくだいじとくだいじのおとゞとものおとゞとものおとどとも申まう申まうもうすなるべしすなるべしすなるべし。。。御おん御おんおんみめもみめもみめも心こころ心こころこころばへもたばへもたばえもたをやをやをやかにかにかに、、、いとよきいとよきいとよき人ひと人ひとひとにおはしきにおはしきにおわしき。。。兄いろせ兄いろせいろせよりもなつかしくよりもなつかしくよりもなつかしく、、、優いう優いうゆうなるなるなる人ひと人ひとひとにおはせしにおはせしにおわせしををを、、、ふみなどふみなどふみなど作つく作つくつくりりり給たま給たまたまふふう事こと事ことことはははおはせねどおはせねどおわせねど、、、歌うた歌うたうたなどよくよみなどよくよみなどよくよみ給たま給たまたまひきひきいき。。。
  3. 3戀こひ戀こひこいののの歌うた歌うたうたののの中なか中なかなかにもにもにも、、、いうにいうにいうに聞き聞ききこえこえこえ侍はべ侍はべはべりしりしりしははは、、、「「「うつゝにつらきうつゝにつらきうつつにつらき心こころ心こころこころなりともなりともなりとも」」」またまたまた「「「命いのち命いのちいのちだにだにだにはははかなからずかなからずかなからずははは」」」などもなどもなども聞き聞ききこえこえこえ侍はべ侍はべはべりきりきりき。。。又また又またまた「「「思おも思おもおもふばかりのふばかりのうばかりの色いろ色いろいろにいでばにいでばにいでば」」」などよきなどよきなどよき歌うた歌うたうたとこそきゝとこそきゝとこそきき侍はべ侍はべはべれれれ。。。
  4. 4又また又またまた「「「あひみしあひみしあいみし夜よ夜よよはははののの嬉うれ嬉うれうれしさにしさにしさに」」」などもなどもなども聞き聞ききこえこえこえ侍はべ侍はべはべりきりきりき。。。聲こゑ聲こゑこえもよくおはしけるにやもよくおはしけるにやもよくおわしけるにや。。。御遊おほんあそび御遊おほんあそびおおんあそびびにびにびにははは、、、拍子ひやうし拍子ひやうしひょうしとりとりとり給たま給たまたまふなどぞふなどぞうなどぞうけうけうけ給たま給たまたまはははりしりしりし。。。「「「こそこそこそ花はな花はなはなののの」」」などいふもなどいふもなどいうも、、、このこのこの御歌おほんうた御歌おほんうたおおんうたとこそおぼえとこそおぼえとこそおぼえ侍はべ侍はべはべれれれ。。。
  5. 5世よ世よよのおぼえものおぼえものおぼえも殊こと殊ことことののの外ほか外ほかほかにおはしきにおはしきにおわしき。。。むかひばらにておはするむかひばらにておはするむかいばらにておわする上うへ上うへうえににに、、、人ひと人ひとひとがらよくおはすればにやがらよくおはすればにやがらよくおわすればにや。。。三位さんみ三位さんみさんみノノノ中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょう歷へ歷へへ給たま給たまたまへるもへるもえるも殊こと殊ことことののの外ほか外ほかほかののの御おん御おんおんおぼえなりおぼえなりおぼえなり。。。
  6. 6此こ此ここののの頃ごろ頃ごろごろこそこそこそ、、、多おほ多おほおおくきこえたまへくきこえたまへくきこえたまえ。。。關白くわんぱく關白くわんぱくかんぱくつぎつぎつぎ給たま給たまたまふべきふべきうべき人ひと人ひとひとなどなどなど放はな放はなはなちてちてちてははは、、、さることもさることもさることも侍はべ侍はべはべらぬにらぬにらぬに、、、いとめづらしくいとめづらしくいとめずらしく侍はべ侍はべはべりきりきりき。。。大納言だいなごん大納言だいなごんだいなごんののの大將だいしやう大將だいしやうだいしょうになりになりになり給たま給たまたまへりしもへりしもえりしも、、、近ちか近ちかちかくたゞびとのくたゞびとのくただびとの成な成ななりりり給たま給たまたまふこともなきにふこともなきにうこともなきに、、、いといといと珍めづ珍めづめずらかになんらかになんらかになん侍はべ侍はべはべりしりしりし。。。
  7. 7左大臣さだいじん左大臣さだいじんさだいじんまでなりまでなりまでなり給たま給たまたまへるへるえる、、、閑院かんゐん閑院かんゐんかんいんのおとゞののおとゞののおとどの後のち後のちのちははは、、、四代しだい四代しだいしだいなりなりなり絕た絕たたえたまへるにえたまへるにえたまえるに、、、このこのこの殿どの殿どのどのののの大將だいしやう大將だいしやうだいしょうににに成な成ななりりり始はじ始はじはじめたまひてめたまひてめたまいて、、、兄あに兄あにあにののの太政だいじやう太政だいじやうだいじょうのおとゞのおとゞのおとど、、、このこのこの左ひだり左ひだりひだりのおとゞのおとゞのおとど、、、右大臣うだいじん右大臣うだいじんうだいじん内ない内ないない大臣おとど大臣おとどおとどになりになりになりはじめはじめはじめ給たま給たまたまひてひていて、、、公達きんだち公達きんだちきんだちもももおの〳〵なりおの〳〵なりおのおのなり給たま給たまたまへりへりえり。。。
  8. 8兄あに兄あにあにののの太政だいじやう太政だいじやうだいじょうのおとゞのおとゞのおとど、、、按察あぜち按察あぜちあぜちののの大納言だいなごん大納言だいなごんだいなごんとておはせしとておはせしとておわせし、、、大將だいしやう大將だいしやうだいしょう弟おとうと弟おとうとおとうとになられてになられてになられて、、、籠こも籠こもこもりりり給たま給たまたまひしにひしにいしに、、、一いち一いちいちののの大納言だいなごん大納言だいなごんだいなごん、、、二に二ににののの大納言だいなごん大納言だいなごんだいなごん實行さねゆき實行さねゆきさねゆき、、、三さん三さんさんにてにてにて雅まさ雅まさまさ定さだ定さださだ、、、第四だいし第四だいしだいし實能さねよし實能さねよしさねよしののの大納言だいなごん大納言だいなごんだいなごんおはせしおはせしおわせし、、、上﨟じやうらふ上﨟じやうらふじょうろう三人さんにん三人さんにんさんにんをををおきておきておきて、、、大將だいしやう大將だいしやうだいしょうになりになりになり給たま給たまたまひしかばひしかばいしかば、、、實行さねゆき實行さねゆきさねゆき、、、雅まさ雅まさまさ定さだ定さださだ二人ふたり二人ふたりふたりははは、、、入い入いいりりり籠こも籠こもこもりておはせしりておはせしりておわせしををを、、、中なか中なかなかノノノ院ゐん院ゐんいんののの源げん源げんげん大納言だいなごん大納言だいなごんだいなごん雅まさ雅まさまさ定さだ定さださだ、、、左大將さだいしやう左大將さだいしやうさだいしょうににに成な成ななりりり給たま給たまたまひてひていて後のち後のちのちこそこそこそ、、、實行さねゆき實行さねゆきさねゆき、、、雅まさ雅まさまさ定さだ定さださだ、、、右大臣うだいじん右大臣うだいじんうだいじん、、、內大臣ないだいじん內大臣ないだいじんないだいじんになりになりになり給たま給たまたまひしかひしかいしか。。。
  9. 9いづれのいづれのいずれの中納言ちゆうなごん中納言ちゆうなごんちゅうなごんとかのとかのとかの、、、まづまづまず右みぎ右みぎみぎのおとゞののおとゞののおとどの御おん御おんおん慶よろこ慶よろこよろこびにびにびに、、、おはしたりければおはしたりければおわしたりければ、、、其そ其そそののの家いへ家いへいえののの門もん門もんもんににに、、、うまうまうま車くるま車くるまくるま多おほ多おほおおくたちなみてくたちなみてくたちなみて、、、俄にはか俄にはかにわかににに足あし足あしあしたつとてたつとてたつとて、、、異こと異ことこと門もん門もんもんよりよりより入い入いいりたるにりたるにりたるに、、、見み見みみやりたればやりたればやりたれば、、、かくれのかくれのかくれの方かた方かたかたまでまでまで、、、引ひ引ひひきつくろひてきつくろひてきつくろいて、、、男女なんによ男女なんによなんにょいろ〳〵にとりさうずきていろ〳〵にとりさうずきていろいろにとりそうずきて、、、掃は掃ははききき拭のご拭のごのごひなどしてひなどしてひなどして、、、ゆゝしくゆゝしくゆゆしく花はな花はなはなやかにやかにやかに見み見みみえけるにえけるにえけるに、、、かくとかくとかくと申まう申まうもうししし入い入いいれたればれたればれたれば、、、久ひさ久ひさひさしうありてしうありてしゅうありて、、、烏帽子えぼうし烏帽子えぼうしえぼうし直衣なほし直衣なほしのうしにてにてにて、、、物語ものがたり物語ものがたりものがたりりまめやかにりまめやかにりまめやかに聞き聞ききこえてこえてこえて、、、院ゐん院ゐんいんののの御心みこころ御心みこころみこころざしざしざし忝かたじけな忝かたじけなかたじけなくなどいひてくなどいひてくなどいいて、、、はなうちかみてはなうちかみてはのうちかみて喜よろこ喜よろこよろこびのびのびの涙なみだ涙なみだなみだおしのごひつゝおしのごひつゝおしのごいつつ、、、忍しの忍しのしのびあへぬびあへぬびあえぬ御氣色みけしき御氣色みけしきみけしきなるになるになるに、、、ほどもほどもほども歷へ歷へへぬればぬればぬれば、、、やう〳〵やう〳〵ようよう退しりぞ退しりぞしりぞききき出い出いいでてでてでて、、、次つぎ次つぎつぎににに中なか中なかなかノノノ院ゐん院ゐんいんににに渡わた渡わたわたりてりてりて、、、內うち內うちうちのおとゞののおとゞののおとどの、、、御おん御おんおんよろこびよろこびよろこび申まう申まうもうししし給たま給たまたまひければひければいければ、、、中門ちゆうもん中門ちゆうもんちゅうもんののの廊らう廊らうろうににに、、、犬いぬ犬いぬいぬののの足あし足あしあしがたがたがた八や八ややつつつ九ここの九ここのここのつありてつありてつありて、、、さりげなるさりげなるさりげなる氣色けしき氣色けしきけしきもせずもせずもせず、、、さぶらひさぶらひさぶらい呼よ呼よよびびび出い出いいだしてだしてだして、、、申まう申まうもうしいれたればしいれたればしいれたれば、、、使つかひ使つかひつかいにとりつゞきてにとりつゞきてにとりつづきて、、、尻しり尻しりしりなるなるなる狩衣かりぎぬ狩衣かりぎぬかりぎぬにてにてにて出い出いいででで給たま給たまたまひてひていて、、、慶よろこ慶よろこよろこびにびにびに渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまへるかへるかえるか。。。
  10. 10大臣おとど大臣おとどおとどははは、、、などなどなど申まう申まうもうしてしてして大事だいじ大事だいじだいじおおおほかりほかりほかり。。。何なに何なになにかかか、、、さとぶらひさとぶらひさとぶらい給たま給たまたまふなどふなどうなど云い云いいひちらしてやみひちらしてやみいちらしてやみ給たま給たまたまひにけりひにけりいにけり。。。ふたりふたりふたりののの人ひと人ひとひとののの變かは變かはかわられたりしられたりしられたりし樣さま樣さまさまこそとこそとこそと語かた語かたかたられけるとなんられけるとなんられけるとなん。。。
  11. 11德大寺とくだいじ德大寺とくだいじとくだいじのおとゞののおとゞののおとどの御子みこ御子みこみこははは、、、右大臣うだいじん右大臣うだいじんうだいじんのおとゞのおとゞのおとど、、、そのそのその御おん御おんおんはゝはゝはは按察あぜち按察あぜちあぜち中納言ちゆうなごん中納言ちゆうなごんちゅうなごんととと聞き聞ききこえしむすめにおはすこえしむすめにおはすこえしむすめにおわす。。。此こ此ここのおとゞのおとゞのおとど管絃くわんげん管絃くわんげんかんげんももも身み身みみののの才ざえ才ざえざえももも、、、かたがたおはすとかたがたおはすとかたがたおわすと聞き聞ききこえきこえきこえき。。。
  12. 12親おや親おやおやおほぢなどおほぢなどおおじなどははは、、、ざえおはせぬにざえおはせぬにざえおわせぬに、、、詩し詩ししなどなどなど作つく作つくつくりりり給たま給たまたまひひい、、、みめもみめもみめも心こころ心こころこころばへもばへもばえも、、、いといといと優いう優いうゆうなるなるなる人ひと人ひとひとにぞおはしけるにぞおはしけるにぞおわしける。。。中納言ちゆうなごん中納言ちゆうなごんちゅうなごんののの大將だいしやう大將だいしやうだいしょうになりてになりてになりて、、、右大臣うだいじん右大臣うだいじんうだいじんまでなりまでなりまでなり給たま給たまたまへりきへりきえりき。。。
  13. 13このおとゞこのおとゞこのおとどははは、、、若わか若わかわかくよりくよりくより聲こゑ聲こゑこえもももうつくしくおはしましてうつくしくおはしましてうつくしくおわしまして、、、藏人くらうど藏人くらうどくろうどノノノ少將せうしやう少將せうしやうしょうしょうなどいひてなどいひてなどいいて、、、五節ごせち五節ごせちごせちののの醉ゑひ醉ゑひえいののの今樣いまやう今樣いまやういまようなどになどになどに「「「」」」うたひたまひけるうたひたまひけるうたいたまいける。。。
  14. 14內侍所ないしどころ內侍所ないしどころないしどころののの御神樂みかぐら御神樂みかぐらみかぐらののの、、、拍子ひやうし拍子ひやうしひょうしとりなどしとりなどしとりなどし給たま給たまたまひけるもひけるもいけるも、、、ほそきほそきほそき御聲おほんこゑ御聲おほんこゑおおんこえ、、、いとをかしくぞいとをかしくぞいとおかしくぞ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける。。。むねとむねとむねとははは詩し詩しし作つく作つくつくりりり給たま給たまたまふふう事こと事ことことををを好この好このこのみてみてみて、、、中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうなどなどなど聞き聞ききこえこえこえ給たま給たまたまひしひしいし時とき時ときとき、、、ののの人ひと人ひとひとののの夢ゆめ夢ゆめゆめににに、、、久ひさ久ひさひさしくこそしくこそしくこそ詩し詩ししなどなどなど講かう講かうこうずるずるずる人ひと人ひとひとなけれなけれなけれ。。。
  15. 15とのたまはすとてとのたまはすとてとのたまわすとて、、、徑みち徑みちみち只たゞ只たゞただ靑あを靑あをあお草くさ草くさくさとかいふとかいふとかいう詩し詩しし、、、博士はかせ博士はかせはかせ學生がくしやう學生がくしやうがくしょうなどなどなど、、、あまたあまたあまた詣まう詣まうもうでてでてでて講かう講かうこうじけるにじけるにじけるに、、、年二十としはたち年二十としはたちとしわたちにすこしにすこしにすこし餘あま餘あまあまりりり給たま給たまたまへるわかきへるわかきえるわかき殿上人てんじやうびと殿上人てんじやうびとてんじょうびとののの、、、みめかたちいとをかしくてみめかたちいとをかしくてみめかたちいとおかしくて、、、上うへ上うへうえののの御衣みけし御衣みけしみけしなどなどなど、、、なよらかになよらかになよらかに着き着ききなしなしなし給たま給たまたまへるにへるにえるに、、、細ぼそ細ぼそぼそ太刀たち太刀たちたちなどなどなど、、、しなやかにてしなやかにてしなやかにて、、、まじりまじりまじり給たま給たまたまへるへるえる、、、神かみ神かみかみもいかゞもいかゞもいかが御覽ごらん御覽ごらんごらんずらむとぞおぼえけるずらむとぞおぼえけるずらむとぞおぼえける。。。
  16. 16次第しだい次第しだいしだいににに朗詠らうえい朗詠らうえいろうえいししし給たま給たまたまへりけるへりけるえりける中なか中なかなかににに、、、花はな花はなはなやかなるやかなるやかなる御聲おほんこゑ御聲おほんこゑおおんこえしてしてして、、、「「「綺き綺ききののの重しげ重しげしげ衣ころも衣ころもころもたるたるたる」」」とととうちうちうち出い出いいでたまへりけるでたまへりけるでたまえりける、、、年老としお年老としおとしおいたるいたるいたる人ひと人ひとひとなどなどなど涙なみだ涙なみだなみだをををさへながしてさへながしてさえながして、、、むしろこぞりてむしろこぞりてむしろこぞりて、、、めでめでめで思おも思おもおもへりへりえり。。。
  17. 17またまたまた讃岐さぬき讃岐さぬきさぬきのみかどのみかどのみかど、、、位くらゐ位くらゐくらいにおはしましけるにおはしましけるにおわしましける時とき時ときとき、、、きさいのきさいのきさいの宮みや宮みやみやののの御方おほんかた御方おほんかたおおんかたにてにてにて、、、管絃くわんげん管絃くわんげんかんげんするするする殿上人てんじやうびと殿上人てんじやうびとてんじょうびとどもどもども召め召めめしてしてして、、、よもすがらよもすがらよもすがら遊あそ遊あそあそばせばせばせ給たま給たまたまひけるにひけるにいけるに、、、大殿おほとの大殿おほとのおおとのもおはしましてもおはしましてもおわしまして、、、朗詠らうえい朗詠らうえいろうえい仕つかまつ仕つかまつつかまつつれとつれとつれと仰おほ仰おほおおせられけるにせられけるにせられけるに、、、このおとゞのこのおとゞのこのおとどの、、、中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうなどなどなど申まう申まうもうしけるしけるしける時とき時ときときににに、、、「「「公く公くく望のぞ望のぞのぞががが周しう周しうしゅう文ふみ文ふみふみにあへるにあへるにあえる」」」ととと出い出いいだしだしだし給たま給たまたまへりけるこそへりけるこそえりけるこそ。。。
  18. 18御聲おほんこゑ御聲おほんこゑおおんこえもももうつくしううつくしううつくしゅう、、、みかどみかどみかど一いち一いちいちののの人ひと人ひとひとののの事こと事ことことにてにてにて、、、其そ其そそのよしあることののよしあることののよしあることの、、、優いう優いうゆうににに聞き聞ききこえこえこえ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける。。。藏人くらうど藏人くらうどくろうどノノノ頭かうべ頭かうべこうべよりよりより宰相さいしやう宰相さいしやうさいしょうになりになりになり給たま給たまたまひしにひしにいしに、、、中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうをぞをぞをぞ、、、もとのもとのもとの事こと事ことことなればなればなれば、、、かけかけかけ給たま給たまたまふべかりしにふべかりしにうべかりしに、、、道みち道みちみちををを歷へ歷へへんとにやんとにやんとにや。。。
  19. 19右大辨うだいべん右大辨うだいべんうだいべんになりになりになり給たま給たまたまへりきへりきえりき。。。いといといと身み身みみにもおひにもおひにもおい給たま給たまたまはずなどはずなどわずなど、、、思おも思おもおもふふう人ひと人ひとひともありけるにもありけるにもありけるに、、、侍從じじゆう侍從じじゆうじじゅうになりそへになりそへになりそえ給たま給たまたまひてひていて、、、太刀たち太刀たちたちはははききき給たま給たまたまへるなどへるなどえるなど、、、心こころ心こころこころのまゝにおはせしさまのまゝにおはせしさまのままにおわせしさま、、、事こと事ことことにつけてあらまほしくおはしきにつけてあらまほしくおはしきにつけてあらまほしくおわしき。。。
  20. 20藏人くらうど藏人くらうどくろうどノノノ頭とう頭とうとうにおはせしにおはせしにおわせし時とき時ときときももも、、、殿上てんじやう殿上てんじやうてんじょうののの寸すん寸すんすん物もの物ものものししし、、、日記にき日記にきにきののの辛櫃からびつ辛櫃からびつからびつににに日ひ日ひひ每ごと每ごとごとににに日記にき日記にきにきかきていれなどしてかきていれなどしてかきていれなどして、、、ふるきふるきふるき事こと事ことことををを興おこ興おこおこさんとしさんとしさんとし給たま給たまたまふとぞきこえふとぞきこえうとぞきこえ給たま給たまたまひしひしいし。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

春宮大夫(公実)の六男でいらっしゃるでしょうか、左大臣実能の大臣は、この方も左衛門督(通季)・比叡山の座主(仁実)・女院(待賢門院)などと同じ御兄弟で、二位(光子)の御子でいらっしゃいます。大炊御門の大臣とも徳大寺の大臣とも申し上げるのでしょう。容貌も心ばえも穏やかで、たいそうよい人でいらっしゃいました。兄よりも親しみやすく優雅な人でいらしたが、詩などをお作りになることはなかったけれど、歌などはよくお詠みになりました。恋の歌の中でも優雅に聞こえましたのは、「うつつにつらき心なりとも」、また「命だにはかなからずは」なども聞こえました。また「思ふばかりの色にいでば」などはよい歌だと聞いております。また「あひみし夜はの嬉しさに」なども聞こえました。声もよくていらしたのでしょうか、御遊びでは拍子をとられたりしたと承りました。「庭こそ花の」などというのも、この方の御歌と覚えております。世の評判もことのほかでいらっしゃいました。正妻腹でいらっしゃる上に、人柄がよくていらっしゃるからでしょうか。三位中将を経られたのも、ことのほかのご寵愛です。このごろでこそ多く聞こえますが、関白を継がれるはずの人などを除いては、そのようなこともございませんでしたのに、たいそう珍しいことでございました。大納言で大将になられたのも、近ごろは臣下の人がなられることもないのに、たいそう珍しいことでございました。左大臣にまでなられたのは、閑院の大臣(公季)の後は四代も絶えていらしたのに、この殿が大将になり始められて、兄の太政大臣(実行)、この左大臣が、右大臣・内大臣になり始められて、公達もそれぞれ(大臣に)なられました。兄の太政大臣が按察大納言でいらした時、大将に弟がなられて籠居なさったが、一の大納言忠教、二の大納言実行、三で雅定、第四に実能の大納言がいらっしゃったが、上臈三人を差し置いて大将になられたので、実行・雅定の二人は籠居していらしたのを、中院の源大納言雅定が左大将になられて後にこそ、実行・雅定は右大臣・内大臣になられたのでした。

どこかの中納言とかが、まず右大臣(実行)のお祝いにいらしたところ、その家の門に馬や車が多く立ち並んで、急に四足門を建てるといって別の門から入ったので、見渡すと、隅の方まで手入れをして、男女がいろいろに着飾って、掃いたり拭いたりして、たいそう華やかに見えたが、こうと申し入れると、しばらくして烏帽子・直衣で(出てきて)、物語をねんごろにして、「院のお志がかたじけない」などと言って、鼻をかんで喜びの涙をぬぐいながら、こらえきれないご様子なので、時も経ったので、そろそろ退出して、次に中院に行って、内大臣(雅定)のお祝いを申し上げたところ、中門の廊に犬の足跡が八つ九つあって、何でもない様子で、侍を呼び出して申し入れると、使いに続いて半尻の狩衣で出ていらして、「お祝いにおいでくださったのですか。大臣は大饗などといって大変なことが多いのです。なんの、そのようにご訪問くださるとは」などと言い散らして終わってしまわれました。「お二人の違っていらしたさまこそ(おもしろかった)」と語られたということです。

徳大寺の大臣(実能)の御子は右大臣公能の大臣で、その御母は按察中納言顕隆と申した人の娘でいらっしゃいます。この大臣は管絃も身の才も、あれこれおありだと聞こえました。親や祖父などは学才がおありでなかったのに、詩などをお作りになり、容貌も心ばえも、たいそう優雅な人でいらっしゃいました。中納言で大将になって、右大臣にまでなられました。この大臣は若い時から声も美しくていらして、蔵人少将などと言われたころ、五節の淵酔の今様などで「権現」を歌われました。内侍所の御神楽で拍子をとったりなさったのも、細い御声がたいそう趣深くございました。主には詩をお作りになることを好んで、中将などと申し上げた時、北野(天神)が人の夢に「久しく詩などを講じる人がいない」とおっしゃったといって、「野径只青草」とかいう詩を、博士や学生など大勢が参詣して講じた時、年二十を少し過ぎた若い殿上人で、容貌がたいそう美しく、上の御衣などをしなやかに着こなして、細太刀・平緒なども優美で、混じっていらっしゃったのは、神もどのようにご覧になっただろうと思われました。順に朗詠なさった中で、華やかな御声で「羅綺の重衣たる」と歌い出されたので、年老いた人などは涙まで流して、座の者がこぞってほめそやしました。また讃岐の帝(崇徳)が在位でいらした時、后の宮の御方で、管絃をする殿上人たちを召して夜通し遊ばれた時、大殿(忠通)もいらして、「朗詠を仕れ」と仰せられたので、この大臣が中将などと申した時に、「大公望が周文にあへる」と歌い出されたのこそ、御声も美しく、帝と一の人のことで、そのいわれのあることが優雅に聞こえました。蔵人頭から宰相になられた時、中将を元の官なので兼ねられるはずだったのに、(文官の)道を経ようとしてでしょうか、右大弁になられました。たいそう身にも似合わないなどと思う人もいたが、侍従を兼ねられて太刀を帯びていらしたなど、思いのままでいらっしゃったさまは、何事につけても理想的でいらっしゃいました。蔵人頭でいらした時も、殿上の一種物をし、日記の唐櫃に毎日日記を書いて入れたりして、古いことを復興しようとなさったと聞こえました。

意訳

実能は待賢門院の同母兄で、穏やかな人柄の歌人。閑院流では公季以来絶えていた大臣・大将の地位を、実能が大将になったことで回復し、兄実行らも大臣に昇った。章題の「花散る庭の面」は、実能の歌「庭こそ花の」による。

実行と雅定が同時に大臣になった日、祝いに訪れた中納言が見たのは対照的な光景だった。実行の家は門を新築し、男女が着飾って大騒ぎで、実行は院の恩に感涙していた。一方、雅定の家は犬の足跡が残るほどふだんのままで、雅定は略装で出てきて「大臣は面倒が多い」と言い散らした。

実能の子公能は美声で、北野天満宮で詩を講じた時、二十歳過ぎの若さで「羅綺の重衣たる」を朗詠し、老人たちを涙させた。蔵人頭の時には殿上の一種物を復活し、毎日日記を書くなど、古い儀礼の復興にも努めた。

語釈・文法注

左大臣實能
藤原実能(1096〜1157)。公実の子。徳大寺家の祖。
庭こそ花の
実能の歌の句。章題「花散る庭の面」はこれによる。
一の大納言忠敎
藤原忠教。師実の子。第45章参照。
四足
四足門。門柱の前後に控え柱を四本立てた格式の高い門。
半尻
後ろの裾を短く仕立てた狩衣。
大饗
大臣に任じられた時などに催す大宴会。
右大臣公能
藤原公能(1115〜1161)。実能の子。
按察中納言顯隆
藤原顕隆(1072〜1129)。白河院の近臣。
五節の淵醉
五節の際に清涼殿で催される酒宴。今様などを歌った。
權現
今様の曲名。
北野
北野天満宮。菅原道真をまつる。
野徑只靑草
詩の題か句。未詳。
平緒
束帯の時に太刀を佩くための帯。
羅綺の重衣たる
『和漢朗詠集』の菅原道真の詩句「羅綺の重衣たる、情無きことを機婦に妬む」。
大公望が周文にあへる
『和漢朗詠集』の句。太公望が周の文王に見いだされた故事。君臣の出会いを詠む。
一寸物
一種物。殿上人が一品ずつ料理や酒を持ち寄る宴。

文法

さることも侍らぬに
そのようなこともございませんのに。
ゆゝしく花やかに見えける
「ゆゆし」は程度がはなはだしい意。たいそう華やかに見えた。

解説

実行と雅定の大臣就任の場面は、同じ慶事に対する二人の態度の違いを鮮やかに描き分けた、今鏡でも印象的な場面である。

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出典

底本
関根正直『今鏡新註』 六合館、昭和2年(1927)、272〜277頁(コマ151–153)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日