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源氏物語 第44帖 竹河(3)

蔵人少将の求婚

登場人物:蔵人少将・玉鬘・夕霧・雲居の雁

姫君たちが美しいという評判があって、心にかけて求婚する人が多い。右大臣(夕霧)の蔵人の少将という人は、三条殿(雲居の雁)の腹で、兄君たちよりも大切に育てられ、人柄もたいそう好ましい君で、熱心に求婚する。どちらにつけても縁の離れていない間柄なので、夕霧の君達が親しく参上するのを、玉鬘はよそよそしく扱わない。女房たちにも親しく馴れ寄って、思いを語るのにも都合がよく、夜も昼もそばを離れずうるさく言い寄るのを、玉鬘は煩わしく思いながらも気の毒に思う。母北の方(雲居の雁)からの手紙もしばしば届く。「まだたいそう身分の軽い頃ですが、お許しいただける方向もあるでしょうか」と夕霧も申し入れる。玉鬘は大君を全く臣下に嫁がせるつもりはなく、中の君を、少将がもう少し世間の評判が軽々しくない身分になったら、そうしてもよいと思っていた。少将は、許されなければ盗み出しもしかねないほど思い詰めている。玉鬘は、身分としてこの上ない縁とは思わないが、女の方が許さないのに過ちが起これば世間の聞こえも軽はずみなので、取り次ぐ女房にも「ああ恐ろしい、間違いを起こすな」などと言うので、女房たちは気をくじかれて困っていた。

  1. 1かたちかたちかたちいといといとようようようおはするおはするおわする聞きこ聞きこきこえええありありありててて心こころ心こころこころがけがけがけ申まう申まうもうししし給たま給たまたまふふう人ひと人ひとひとおほかりおほかりおおかり。。。右みぎ右みぎみぎののの大おほ大おほおお殿との殿とのとのののの藏くらう藏くらうくろう人ど人どどののの少せう少せうしょう將しやう將しやうしょうとととかかかいひいひいいしししははは三さむ三さむさん條でう條でうじょう殿どの殿どのどのののの御おん御おんおん腹はら腹はらはらにてにてにて兄あに兄あにあに君ぎみ君ぎみぎみ達たち達たちたちよりよりよりもももひきひきひきこしこしこしいみじういみじういみじゅうかしづきかしづきかしずき給たま給たまたまふふう、、、人ひと人ひとひとがらがらがらもももいといといとをかしかりをかしかりおかしかりししし君きみ君きみきみいといといとねんごろねんごろねんごろににに申まう申まうもうししし給たま給たまたまふふう。。。いづかたいづかたいずかたにににつけつけつけてててももももてもてもてはなれはなれはなれ給たま給たまたまははわぬぬぬ御おん御おんおんなからひなからひなからいなれなれなればばば、、、このこのこの君きん君きんきん達だち達だちだちのののむつびむつびむつびまゐりまゐりまいり給たま給たまたまひひいなどなどなどするするするはははけけけどほくどほくどおくもてもてもてなしなしなし給たま給たまたまははわずずず。。。女房にようばう女房にようばうにょうぼうにににももも氣け氣けけ近ぢか近ぢかじかうううなれなれなれよりよりよりつゝつゝつつ思おも思おもおもふふう事こと事ことことををを語かた語かたかたらふらふらうにににもももたよりたよりたよりありありありてててよるよるよるひるひるひるあたりあたりあたりさらさらさらぬぬぬ耳みゝ耳みゝみみがしがましさがしがましさがしがましさをををうるさきうるさきうるさきものものものゝゝの心苦こころぐる心苦こころぐるこころぐるしきしきしきにににかんかんかんののの殿との殿とのとのもももおぼしおぼしおぼしたりたりたり。。。母はゝ母はゝはは北きた北きたきたののの方かた方かたかたののの御おん御おんおん文ふみ文ふみふみもももしばしばしばしばしばしば奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまふふう。。。「「「いといといとかろびかろびかろびたるたるたる程ほど程ほどほどににに侍はべ侍はべはべれれれどどどおぼしおぼしおぼしゆるすゆるすゆるすかたかたかたもももややや」」」とととなむなむなん、、、おとゞおとゞおとどももも聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまひひいけるけるける。。。姫ひめ姫ひめひめ君ぎみ君ぎみぎみをををばばば更さら更さらさらにににたゞたゞただのののさまさまさまにににもももおぼしおぼしおぼしおきておきておきて給たま給たまたまははわずずず、、、中なか中なかなかののの君きみ君きみきみをををなむなむなん今いま今いまいま少すこ少すこすこししし世よ世よよののの聞きこ聞きこきこえええ輕かる輕かるかる々がる々がるがるしからしからしからぬぬぬ程ほど程ほどほどににになずらひなずらひなずらいならならならばばばさもさもさもやややとととおぼしおぼしおぼしけるけるける。。。ゆるしゆるしゆるし給たま給たまたまははわずずずばばばぬすみぬすみぬすみもももとりとりとりつつつべくべくべくむくつけきむくつけきむくつけきまでまでまで思おも思おもおもへへえりりり。。。こよなきこよなきこよなきことことことゝゝとはははおぼさおぼさおぼさねねねどどど女をんな女をんなおんな方がた方がたがたののの心こころ心こころこころゆるしゆるしゆるし給たま給たまたまははわぬぬぬ事こと事ことことのののまぎれまぎれまぎれあるあるあるははは世よ世よよののの音おと音おとおとぎゝぎゝぎきもももあはつけきあはつけきあわつけきわざわざわざなれなれなればばば聞きこ聞きこきこえええつくつくつく人ひと人ひとひとをををももも「「「あなあなあなかしこかしこかしこ。。。あやまちあやまちあやまちひきひきひきいづいづいずななな」」」などなどなどののの給のたま給のたまのたまふふうにににくたさくたさくたされれれてててなむなむなん、、、わづらはしかりわづらはしかりわずらわしかりけるけるける。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

姫君たちのご容貌がたいそう美しくていらっしゃるという評判があって、心にかけて求婚申し上げなさる人が多い。右大臣(夕霧)の蔵人の少将とかいった方は、三条殿(雲居の雁)の御腹で、兄君たちよりも格別に大切にお育てになり、人柄もたいそう好ましかった君で、たいそう熱心に求婚申し上げなさる。どちらにつけても縁の離れていらっしゃらない御間柄なので、この君達が親しく参上なさりなどするのを、玉鬘はよそよそしくお扱いにならない。女房たちにも親しく馴れ寄りながら、思うことを語るのにも都合があって、夜も昼もそばを離れず、耳にうるさく言い寄るのを、煩わしいものの、気の毒にも尚侍の殿はお思いになっていた。母北の方(雲居の雁)のお手紙も、しばしば差し上げなさる。「まだたいそう身分の軽い頃でございますが、お許しくださる方向もあるでしょうか」と、大臣も申し上げなさった。玉鬘は、大君を全く臣下の妻にとはお考えにならず、中の君を、少将がもう少し世間の評判が軽々しくない身分に並ぶようになったら、そうしてもよいかとお思いになっていた。少将は、お許しにならなければ盗み出しもしかねないほど、恐ろしいまでに思い詰めていた。玉鬘は、この上ない縁とはお思いにならないが、女の方が許しなさらないのに過ちが起こるのは、世間の聞こえも軽はずみなことなので、取り次ぐ女房にも「ああ恐ろしい。間違いを起こすな」などとおっしゃるので、女房たちは気をくじかれて、困っていた。

意訳

夕霧の子の蔵人少将が大君に熱心に求婚する。夕霧と雲居の雁も申し入れるが、玉鬘は大君を臣下に嫁がせる気はなく、中の君ならと考えている。少将は盗み出しかねないほど思い詰め、玉鬘は女房たちに過ちを起こさぬよう戒める。

語釈・文法注

文法

「藏人の少將」(右の大殿の藏人の少將)
夕霧と雲居の雁の子。この巻の主要人物で、大君に恋をする。
「ひきこし」(兄君達よりもひきこし)
順序を越えて。兄たちよりも特別に。
「もてはなれ給はぬ御なからひ」(いづかたにつけてももてはなれ給はぬ御なからひ)
玉鬘は夕霧の義理の姉(源氏の養女)であり、雲居の雁の異母姉(頭中将の娘)でもある。

解説

蔵人少将は夕霧の子で、熱心に大君を慕う。少将の恋は、かつての柏木や夕霧のような一途さを持つが、報われることはない。親世代の恋の物語が、子の世代で繰り返される。

玉鬘は娘たちの身の振り方を慎重に考える。自らも多くの求婚者に悩まされ、髭黒に強引に結ばれた経験を持つ玉鬘は、娘たちに過ちがないよう細心の注意を払う。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部2(源氏物語 下) 板倉屋書房、明治36年(1903)、858–859頁(コマ140)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日