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源氏物語 第34帖 若菜上(19)

女三の宮の降嫁

登場人物:女三の宮・光源氏・紫の上・藤大納言

二月十日過ぎ、女三の宮が六条院に降嫁する。若菜の宴を催した寝殿の西の放出に御帳台を立て、女房の局まで細やかに整える。入内の作法にならい、多くの上達部が供をし、家司を望んでいた藤大納言も心穏やかでないまま仕える。源氏は自ら車寄せまで出て宮を抱き下ろす。三日の間、盛大な祝いが続く。紫の上は、表面は平静を装い、源氏とともに準備に心を配るが、内心は穏やかでない。女三の宮はまだ幼く、ひたすら子どもっぽい。源氏は、かつて紫の上を引き取った頃を思い出し、あの人は才気があったが、この宮はただ幼いばかりで、かえって張り合いがないと思う。

春の六条院に女三の宮の牛車が到着し、人々が迎えの支度を整えている場面(AI生成)
春の六条院に女三の宮の牛車が到着し、人々が迎えの支度を整えている場面
  1. 1かくかくかくててて二きさら二きさらきさら月ぎ月ぎぎののの十じふ十じふじゅう餘よ餘よよ日にち日にちにちににに朱す朱すす雀ざく雀ざくざく院ゐん院ゐんいんののの姫ひめ姫ひめひめ宮みや宮みやみや六ろく六ろくろく條でう條でうじょう院ゐん院ゐんいんににに渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまふふう。。。このこのこの院ゐん院ゐんいんにににももも御おん御おんおん心こころ心こころこころまうけまうけもうけ世よ世よよののの常つね常つねつねならならならずずず若わか若わかわか菜な菜なな參まゐ參まゐまいりりりししし西にし西にしにしののの放はな放はなはなちちちいでいでいでににに御み御みみ帳ちやう帳ちやうちょうたてたてたてゝゝて、、、其そ其そそ方なた方なたなたののの一いち一いちいち二に二ににののの對たい對たいたい渡わた渡わたわた殿どの殿どのどのかけかけかけててて女房にようばう女房にようばうにょうぼうのののつぼねつぼねつぼねまでまでまでこまかこまかこまかにににしつらひしつらひしつらい磨みが磨みがみがかかかせせせ給たま給たまたまへへえりりり。。。內うち內うちうちににに參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまふふう人ひと人ひとひとののの作さ作ささ法ほふ法ほふほうをををまねびまねびまねびてててかのかのかの院ゐん院ゐんいんよりよりよりももも御み御みみ調てう調てうちょう度ど度どどなどなどなどはこばはこばはこばるるる渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまふふう儀ぎ儀ぎぎ式しき式しきしきいへいへいえばばば更さら更さらさらなりなりなり、、、御おん御おんおん送おくり送おくりおくりににに上達部かんだちめ上達部かんだちめかんだちめなどなどなど數あま數あまあま多た多たた參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまふふう。。。かのかのかのけいしけいしけいし望のぞ望のぞのぞみみみ給たま給たまたまひひいししし大だい大だいだい納な納なな言ごん言ごんごんももも安やす安やすやすからからからずずず思おも思おもおもひひいながらながらながらさぶらひさぶらひさぶらい給たま給たまたまふふう。。。御おん御おんおん車くるま車くるまくるまよせよせよせたるたるたる所ところ所ところところににに院ゐん院ゐんいんわたりわたりわたり給たま給たまたまひひいててておろしおろしおろし奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまふふうほどほどほどなどなどなどももも例れい例れいれいにににははは違たが違たがたがひひいたるたるたる事こと事ことことどもどもどもなりなりなり。。。たゞたゞただ人ひと人ひとひとにににおはすれおはすれおわすればばば萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことことかぎりかぎりかぎりありありありてててうちうちうちまゐりまゐりまいりにににももも似に似ににずずず。。。婿むこ婿むこむこののの大おほ大おほおお君ぎみ君ぎみぎみととといはいはいわむむんにににももも、、、ことことことたがへたがへたがえててて珍めづら珍めづらめずらしきしきしき御おん御おんおん中なか中なかなかのののあはひあはひあわいどもどもどもににになむなむなん。。。三みつ三みつみっ日か日かかががが程ほど程ほどほどはははかのかのかの院ゐん院ゐんいんよりよりよりもももあるじあるじあるじののの院ゐん院ゐんいん方かた方かたかたよりよりよりももも嚴いか嚴いかいかめしくめしくめしく珍めづら珍めづらめずらしきしきしきみやびみやびみやびををを盡つく盡つくつくししし給たま給たまたまふふう。。。
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引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

こうして二月の十日過ぎに、朱雀院の姫宮が六条院にお移りになる。この院でもご準備は並々でなく、若菜を献上した寝殿の西の放出に御帳台を立てて、そちらの一の対、二の対、渡殿にかけて、女房の局まで細やかに設えて磨き立てさせなさった。入内なさる人の作法にならって、あの院(朱雀院)からも御調度などが運ばれる。お移りになる儀式は、言うまでもない。お見送りに上達部などが大勢参上なさる。あの家司を望んでいらっしゃった大納言(藤大納言)も、心穏やかでなく思いながら、お仕えしていらっしゃる。御車を寄せた所に、院(源氏)がお出ましになって、宮をお下ろし申し上げなさる様子なども、普通とは違ったことである。源氏は臣下でいらっしゃるので、何事にも限りがあって、入内とも似ていない。婿の大君と言うにしても、様子が違っていて、珍しいご夫婦の間柄である。三日の間は、あの院からも、主人の院方からも、盛大で珍しい風雅を尽くしなさる。

対の上(紫の上)も、何かにつけて、平静ではいられないお気持ちになる世の有様である。なるほど、このようなことがあっても、この上なく人に劣って圧倒されるようなこともあるまいけれど、また並ぶ人もない状態に慣れていらっしゃったところに、宮が華やかに、将来も長く、侮りがたい様子でお移りになったので、何となくきまり悪くお思いになるけれど、さりげなくばかりふるまって、お移りの際も、源氏と心を合わせて、ちょっとしたことにも心を配りなさって、たいそういじらしいご様子を、源氏はいっそうめったにない人だとお思い申し上げなさる。

姫宮は、なるほど、まだたいそう小柄で、未熟でいらっしゃる上に、たいそう幼いご様子で、ひたすら子どもっぽくいらっしゃる。源氏は、あの紫のゆかり(紫の上)を探し出して引き取りなさった時をお思い出しになると、あの人は才気があって張り合いがあったが、この宮はたいそう幼いばかりにお見えになるので、まあよいだろう、憎らしく我を張ったりすることなどはあるまいとお思いになるものの、あまりにも見栄えのしないご様子だなあと拝見なさる。

意訳

女三の宮は盛大な儀式で六条院に降嫁し、紫の上は平静を装いながら準備に心を配る。

女三の宮はあまりに幼く、源氏は少女の頃の紫の上と比べて、張り合いのなさを感じる。

語釈・文法注

文法

「婿の大君」(婿の大君といはむにも)
皇女の婿となった人。ここでは、源氏が女三の宮の婿として迎える立場であることをいう。
「かたなり」(いとちひさくかたなりにおはする)
未熟なこと。体も心もまだ十分に成長していない様子。
「よかめり」(よかめり、にくげに…)
「よかるめり」の撥音便「よかんめり」の「ん」が表記されない形。「まあよいだろう」。

解説

女三の宮の降嫁は、入内に準じる盛大な儀式で行われる。源氏が自ら宮を車から抱き下ろすのは、皇女を迎える最高の礼である。しかしこの華やかさは、紫の上にとっては、自分がもはや並ぶ者のない妻ではなくなったことを、はっきりと思い知らせるものであった。

源氏は、女三の宮を若紫の頃の紫の上と比べて失望する。藤壺のゆかりとして期待した宮が、ただ幼いばかりの人であったことで、源氏はかえって紫の上の得がたさを知ることになる。この比較が、以後の三人の関係を方向づけていく。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部2(源氏物語 下) 板倉屋書房、明治36年(1903)、606–609頁(コマ14–15)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日