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源氏物語 第34帖 若菜上(5)

乳母たちとの相談

登場人物:朱雀院・女三の宮の乳母・光源氏・夕霧

朱雀院は、年配の乳母たちを呼んで裳着の相談をするついでに、源氏が紫の上を育てたように、この宮を預かって育ててくれる人がほしいと言う。帝には中宮がおり、後見のない宮仕えはかえってつらいだろうし、夕霧にもっと早く打診しておけばよかったと悔やむ。乳母は、夕霧は堅物で雲居雁一筋だが、源氏は今も女性への関心が絶えず、朝顔の前斎院のことも忘れられずにいるらしいと答える。院は源氏の浮気心を危ぶみながらも、親代わりとして源氏に譲ろうかとも考え、娘を持つなら源氏のような人に縁づけたい、自分が女なら必ず源氏に近づくだろうと言い、朧月夜のことを思い出す。

朱雀院の御所で、病身の朱雀院が、年配の乳母たちを前にして、女三の宮の婿選びについて思いをめぐらしながら語っている場面(AI生成)
朱雀院の御所で、病身の朱雀院が、年配の乳母たちを前にして、女三の宮の婿選びについて思いをめぐらしながら語っている場面
  1. 1おとなしきおとなしきおとなしき御おん御おんおん乳め乳めめ母のと母のとのとどもどもども召め召めめししし出い出いいでででゝゝて御おん御おんおんもぎもぎもぎののの程ほど程ほどほどののの事こと事ことことなどなどなどのたまはするのたまはするのたまわするついついついてててににに、、、「「「六ろく六ろくろく條でう條でうじょうのののおとゞおとゞおとどののの、、、式部しきぶ式部しきぶしきぶ卿きやう卿きやうきょうのののみこみこみこのののむすめむすめむすめおぼしおぼしおぼしたてたてたてけむけむけんやうやうようにににこのこのこの宮みや宮みやみやををを預あづ預あづあずかりかりかりてててはぐゝまはぐゝまはぐくまむむん人ひと人ひとひともももがながながな。。。たゞたゞただ人ひと人ひとひとののの中なか中なかなかにににはははありありあり難かた難かたかたししし。。。內うち內うちうちにににははは中ちゆう中ちゆうちゅう宮ぐう宮ぐうぐうさぶらひさぶらひさぶらい給たま給たまたまふふう。。。次つぎ次つぎつぎ々つぎ々つぎつぎののの女御にようご女御にようごにょうご達たち達たちたちとととてててもももいといといとやんごとなきやんごとなきやんごとなき限かぎり限かぎりかぎり物もの物ものものせせせらるゝらるゝらるるにににはかばかしきはかばかしきはかばかしきうしろみうしろみうしろみなくなくなくてててさやうさやうさようのののまじらひまじらひまじらいいといといとなかなかなかなかなかなかならならならむむん。。。このこのこの權ごん權ごんごん中ちゆう中ちゆうちゅう納な納なな言ごん言ごんごんののの朝あ朝ああ臣そん臣そんそんののの一ひと一ひとひと人り人りりありありありつるつるつる程ほど程ほどほどににに打う打ううちちちかすめかすめかすめてててこそこそこそ心こころ心こころこころみみみるるるべかりべかりべかりけれけれけれ。。。若わか若わかわかけれけれけれどどどいといといときやうざくきやうざくきょうざくにににおひおひおいさきさきさきたのもしげたのもしげたのもしげなるなるなる人ひと人ひとひとにににぞぞぞあめるあめるあめるををを」」」とととのたまはすのたまはすのたまわす。。。
  2. 2「「「中ちゆう中ちゆうちゅう納な納なな言ごん言ごんごんはははもとよりもとよりもとよりいといといとまめまめまめ人びと人びとびとにてにてにて、、、年とし年としとし頃ごろ頃ごろごろもももかのかのかのわたりわたりわたりににに心こころ心こころこころをををかけかけかけてててほかほかほかざまざまざまににに思おも思おもおもひひいうつろふうつろふうつろうべくべくべくももも侍はべ侍はべはべらららざりざりざりけるけるけるににに、、、そのそのその思おも思おもおもひひいかなひかなひかないてててははは、、、いとゞいとゞいとどゆるぐゆるぐゆるぐかたかたかた侍はべ侍はべはべらららじじじ。。。かのかのかの院ゐん院ゐんいんこそこそこそなかなかなかなかなかなか猶なほ猶なほなおいかなるいかなるいかなるにににつけつけつけてててももも人ひと人ひとひとをををゆかしくゆかしくゆかしくおぼしおぼしおぼしたるたるたる心こころ心こころこころははは絕た絕たたえええずずずものせものせものせさせさせさせ給たま給たまたまふふうなれなれなれ。。。そのそのその中なか中なかなかにににもももやんごとなきやんごとなきやんごとなき御おん御おんおん願ねが願ねがねがひひい深ふか深ふかふかくくくててて前さき前さきさき齋さい齋さいさい院ゐん院ゐんいんなどなどなどをををももも今いま今いまいまににに忘わす忘わすわすれれれがたくがたくがたくこそこそこそ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうなれなれなれ」」」ととと申まう申まうもうすすす。。。
  3. 3「「「いでいでいでそのそのそのふりふりふりせせせぬぬぬあだけあだけあだけこそこそこそはははいといといと後うしろ後うしろうしろめたけれめたけれめたけれ」」」とととはははのたまはすれのたまはすれのたまわすれどどど、、、げにげにげにあまたあまたあまたのののなかなかなかにににかゝづらひかゝづらひかかずらいてててめざましかるめざましかるめざましかるべきべきべき思おも思おもおもひひいはははありありありともともとも、、、猶なほ猶なほなおやがてやがてやがて親おや親おやおやざまざまざまににに定さだ定さださだめめめたるたるたるにてにてにて、、、さささもももややや讓ゆづ讓ゆづゆずりりり置お置おおききき聞きこ聞きこきこえええましましましなどなどなどもももおぼしめすおぼしめすおぼしめすべしべしべし。。。「「「誠まこと誠まことまことににに少すこ少すこすこしししももも世よ世よよづきづきずきてててあらあらあらせせせむむんととと思おも思おもおもははわむむん女をんな女をんなおんな子ご子ごごもももたらたらたらばばば同おな同おなおなじくじくじくはははかのかのかの人ひと人ひとひとのののあたりあたりあたりにににこそこそこそははは、、、ふれふれふればはばはばはせせせまほしけれまほしけれまほしけれ。。。いくばくいくばくいくばくならならならぬぬぬこのこのこの世よ世よよのののあひだあひだあいだはははさばかりさばかりさばかり心こころ心こころこころゆくゆくゆく有樣ありさま有樣ありさまありさまにてにてにてこそこそこそすぐさすぐさすぐさまほしけれまほしけれまほしけれ。。。われわれわれ女をんな女をんなおんなならならならばばば同おな同おなおなじじじはらからはらからはらからなりなりなりともともとも必かなら必かならかならずずずむつびむつびむつびよりよりよりなななましましまし。。。若わか若わかわかかりかりかりししし時とき時ときときなどなどなどさささなむなむなんおぼえおぼえおぼえししし。。。ましてましてまして女をんな女をんなおんなのののあざむかあざむかあざむかれれれむむんはははいといといとことわりことわりことわりぞぞぞややや」」」とととのたまはせのたまはせのたまわせててて、、、御心みこころ御心みこころみこころのののうちうちうちにににかんかんかんののの君きみ君きみきみののの御おん御おんおんことことこともももおぼしおぼしおぼし出い出いいでででらるらるらるべしべしべし。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

院は、年配の御乳母たちをお召し出しになって、御裳着のことなどをおっしゃるついでに、「六条の大臣(源氏)が、式部卿の宮の娘(紫の上)をお育てになったように、この宮を預かって育ててくれる人がいればよいのに。臣下の中にはめったにいない。帝には中宮がお仕えしていらっしゃる。次々の女御たちといっても、たいそう高貴な人ばかりがいらっしゃるので、しっかりした後見もなくては、そのような宮仕えは、かえってつらいことだろう。この権中納言の朝臣(夕霧)が独り身でいたうちに、それとなくほのめかして試してみればよかった。若いけれど、たいそう才気があって、将来が頼もしそうな人のようだが」とおっしゃる。

乳母は、「中納言は、もともとたいそう実直な人で、長年あの方(雲居雁)に心をかけて、ほかに心を移すはずもございませんでしたのに、その思いがかなってからは、いっそう心の揺らぐことはございますまい。あの院(源氏)こそ、かえってやはり、どのようなことにつけても、女性に心ひかれるお気持ちが絶えずおありだそうです。その中でも、高貴なお方への御願いが深くて、前斎院(朝顔の姫君)などをも、今も忘れがたく思い申し上げていらっしゃるそうです」と申し上げる。

「いや、その変わらない浮気心こそ、たいそう気がかりなのだ」とはおっしゃるけれど、たしかに、大勢の女君たちの中にかかわって、不愉快な思いをすることはあっても、やはりそのまま親代わりと定めた形で、そのように譲り申し上げようか、などともお思いになるようだ。「本当に、少しでも人並みに結婚させようと思うような娘を持っていたら、同じことなら、あの人のそばにこそ添わせたいものだ。いくらもないこの世の間は、あれほど満ち足りた様子で過ごしたいものだ。私が女であったなら、たとえ同じ兄弟であっても、必ず親しく寄り添ったことだろう。若かった時など、そう思ったものだ。まして、女がだまされるのは、たいそうもっともなことだよ」とおっしゃって、お心の内では、尚侍の君(朧月夜)のことも、思い出していらっしゃるのであろう。

意訳

朱雀院は乳母たちに、紫の上を育てた源氏のように女三の宮を育ててくれる人がほしいと語り、夕霧に打診しなかったことを悔やむ。

乳母は源氏の色好みを指摘するが、院は源氏に託すことも考え、女が源氏に惹かれるのは当然だと言い、朧月夜のことを思い出す。

語釈・文法注

文法

願望の「もがな」(はぐゝまむ人もがな)
「…があればよいのに」。
反実仮想の「ましかば…まし」に準じる「ならば…まし」(われ女ならば…むつびよりなまし)
事実に反する仮定。「私が女であったなら、親しく寄り添っただろうに」。
伝聞の「なり」(ものせさせ給ふなれ)
終止形接続の「なり」は伝聞・推定。「…していらっしゃるそうです」。「こそ」に応じて已然形「なれ」で結ぶ。

解説

院が「式部卿のみこのむすめおぼしたてけむやうに」と言うのは、紫の上が少女の頃から源氏に引き取られ、理想の女性に育てられたことを指す。院は女三の宮にも同じような養育を期待しているが、これはかえって紫の上の地位を脅かす結果を招く。

院が「われ女ならば…むつびよりなまし」と言うのは、かつて自分の寵愛する朧月夜が源氏と通じていたことへの屈折した思いを含んでいる。語り手は「かんの君の御こともおぼし出でらるべし」と、その思いをさりげなく示している。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部2(源氏物語 下) 板倉屋書房、明治36年(1903)、590–591頁(コマ6)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日