古典ライブラリー

源氏物語 第2帖 帚木(11)

後朝の別れと小君

登場人物:光源氏・空蟬・小君・紀伊守

鶏が鳴き、源氏は名残を惜しみながら空蟬と歌を交わして別れる。空蟬を忘れられない源氏は、弟の小君をそば近く仕えさせ、文の使いにする。空蟬は源氏の手紙に心を乱しながらも、身の程を思って返事をしない。

有明の月が残る夏の明け方、直衣姿の源氏が高欄にもたれて、名残惜しげに邸の奥をふり返っている場面(AI生成)
有明の月が残る夏の明け方、直衣姿の源氏が高欄にもたれて、名残惜しげに邸の奥をふり返っている場面
  1. 1とりとりとりももも鳴な鳴ななきききぬぬぬ。。。人々ひとびと人々ひとびとひとびと起お起おおききき出い出いいでゝでゝでて「「「いといといとけるけるける夜よ夜よよかなかなかな。。。御車みくるま御車みくるまみくるまひきひきひき出い出いいでよでよでよ」」」などなどなどいふいふいうなりなりなり。。。
  2. 2守かみ守かみかみももも出い出いいででできききててて、、、「「「女をんな女をんなおんななどなどなどののの御方違おほんかたたがへ御方違おほんかたたがへおおんかたたがえこそこそこそ、、、夜よ夜よよ深ふか深ふかふかくくく急いそ急いそいそがせがせがせ給たま給たまたまふふうべきべきべきかはかはかは」」」などなどなどいふいふいう。。。
  3. 3君きみ君きみきみははは、、、又また又またまたかやうかやうかようのののついでついでついであらあらあらむむん事こと事ことこともももいといといとかたしかたしかたし、、、てててはははいかでいかでいかでかかか御文おほんふみ御文おほんふみおおんふみなどなどなどももも通かよ通かよかよははわむむんことことことのののいといといとわりなきわりなきわりなきをををおぼすおぼすおぼすにににいといといと胸むね胸むねむねいたしいたしいたし。。。
  4. 4奧おく奧おくおくののの中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうももも出い出いいでゝでゝでていといといと苦くる苦くるくるしがれしがれしがればばば、、、ゆるしゆるしゆるし給たま給たまたまひひいてててももも又また又またまた引ひ引ひひききき留とど留とどとどめめめ給たま給たまたまひひいつゝつゝつつ
  5. 5「「「いかでいかでいかでかかか聞きこ聞きこきこゆゆゆべきべきべき。。。世よ世よよにににしらしらしらぬぬぬ御心みこころ御心みこころみこころのののつらさつらさつらさももも哀あはれ哀あはれあわれももも淺あさ淺あさあさからからからぬぬぬ世よ世よよののの思出おもひで思出おもひでおもいではははさまざまさまざまさまざま珍めづら珍めづらめずららからからかなるなるなるべきべきべき例れい例れいれいかなかなかな」」」とととてててうちうちうち泣な泣ななききき給たま給たまたまふふう御氣色みけしき御氣色みけしきみけしきいといといとなまめきなまめきなまめきたりたりたり。。。
  6. 6鷄とり鷄とりとりもももしばしばしばしばしばしばなくなくなくににに心こころ心こころこころあわたゞしくあわたゞしくあわただしくててて、、、
  7. 7「「「つれなさつれなさつれなさををを恨うら恨うらうらみみみもももはてはてはてぬぬぬしのゝめしのゝめしののめにににとりあへとりあへとりあえぬぬぬまでまでまで驚おどろ驚おどろおどろかすかすかすらむらむらん」」」。。。和歌
  8. 8女をんな女をんなおんな身み身みみののの有樣ありさま有樣ありさまありさまををを思おも思おもおもふふうにににいといといとつきなくつきなくつきなくまばゆきまばゆきまばゆき心こころ心こころこころちちちしししててて、、、めでたきめでたきめでたき御おん御おんおんもてなしもてなしもてなしももも何なに何なになにともともとも覺おぼ覺おぼおぼえええずずず、、、
  9. 9常つね常つねつねはははいといといとすくすくしくすくすくしくすくすくしく心こころ心こころこころづきなしづきなしずきなしととと思おも思おもおもひひいあなづるあなづるあなずる伊豫いよ伊豫いよいよののの方かた方かたかたのみのみのみ思おも思おもおもひひいやらやらやられれれててて、、、夢ゆめ夢ゆめゆめにににややや見み見みみゆゆゆとととそらそらそら恐おそろ恐おそろおそろしくしくしくつゝましつゝましつつまし。。。
  10. 10「「「身み身みみのののうさうさうさををを歎なげ歎なげなげくくくにににあかあかあかででで明あ明ああくるくるくる夜よ夜よよはははとりとりとり重かさ重かさかさねねねてててぞぞぞねねねもももなかなかなかれれれけるけるける」」」。。。和歌
  11. 11殊こと殊ことこととととあかくあかくあかくなれなれなればばばさうじさうじそうじ口ぐち口ぐちぐちまでまでまで送おく送おくおくりりり給たま給たまたまふふう。。。內うち內うちうちもももとととももも人ひと人ひとひとさわがしけれさわがしけれさわがしければばば引ひ引ひひきききたてゝたてゝたてて別わ別わわれれれ給たま給たまたまふふうほどほどほど心細こころぼそ心細こころぼそこころぼそくくく隔へだ隔へだへだつるつるつる關せき關せきせきととと見み見みみえええたりたりたり。。。
  12. 12御直衣おほんなほし御直衣おほんなほしおおんなおしなどなどなど着き着きき給たま給たまたまひひいててて南みなみ南みなみみなみののの高欄かうらん高欄かうらんこうらんにににしばししばししばしうちうちうちながめながめながめ給たま給たまたまふふう。。。
  13. 13西にし西にしにしおもておもておもてののの格子かうし格子かうしこうしそゝきそゝきそそきあげあげあげててて人々ひとびと人々ひとびとひとびと覗のぞ覗のぞのぞくくくべかべかべかめりめりめり。。。簀子すのこ簀子すのこすのこののの中なか中なかなかのののほどほどほどにににたてたてたてたるたるたるのののかみかみかみよりよりより仄ほのか仄ほのかほのかににに見み見みみえええ給たま給たまたまへへえるるる御有樣おほんありさま御有樣おほんありさまおおんありさまををを身み身みみにににしむしむしむばかりばかりばかり思おも思おもおもへへえるるるすきすきすき心ごころ心ごころごころどもどもどもあめりあめりあめり。。。
  14. 14月つき月つきつきははは有明ありあけ有明ありあけありあけにてにてにて光ひかり光ひかりひかりをさまれをさまれおさまれるるるものものものからからから影かげ影かげかげさやかさやかさやかににに見み見みみえええてててなかなかなかなかなかなかをかしきをかしきおかしき曙あけぼの曙あけぼのあけぼのなりなりなり。。。何なに何なになに心こころ心こころこころなきなきなき空そら空そらそらののの氣色けしき氣色けしきけしきももも唯ただ唯ただただ見み見みみるるる人ひと人ひとひとからからから艶えん艶えんえんにもにもにも凄すご凄すごすごくくくももも見み見みみゆるゆるゆるなりなりなりけりけりけり。。。
  15. 15人ひと人ひとひと知し知ししれれれぬぬぬ御心みこころ御心みこころみこころにはにはには、、、いといといと胸むね胸むねむね痛いた痛いたいたくくく、、、ことことこと傳つて傳つてつてやらやらやらむむんよすがよすがよすがだにだにだになきなきなきをををとととかへりみかへりみかえりみがちがちがちにてにてにて出い出いいででで給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。
  16. 16殿との殿とのとのにににかへりかへりかえり給たま給たまたまひひいてててもももとみにとみにとみにもももまどろままどろままどろまれれれ給たま給たまたまははわずずず、、、又また又またまたあひあひあい見み見みみるるるべきべきべき方かた方かたかたなきなきなきをををましてましてましてかのかのかの人ひと人ひとひとののの思おも思おもおもふふうらむらむらん心こころ心こころこころのののうちうちうちををを、、、いかならいかならいかならむむんととと心苦こころぐる心苦こころぐるこころぐるしくしくしく覺おぼ覺おぼおぼしししやるやるやる。。。
  17. 17優すぐ優すぐすぐれれれたるたるたることことことはははなけれなけれなけれどどどめやすくめやすくめやすくもてつけもてつけもてつけてててもももありありありつるつるつる中なか中なかなかのののしなしなしなかなかなかな、、、隈くま隈くまくまなくなくなく見み見みみあつめあつめあつめたるたるたる人ひと人ひとひとののの言い言いいひひいしししことことことははは實げ實げげにににとととおぼしおぼしおぼしあはせあはせあわせられられられけりけりけり。。。
  18. 18このこのこのほどほどほどはははおほいおほいおおい殿との殿とのとのにににのみのみのみおはしますおはしますおわします。。。猶なほ猶なほなおいといといとかきかきかき絕た絕たたえええててて思おも思おもおもふふうらむらむらんことことことのののいとほしくいとほしくいとおしく、、、御心みこころ御心みこころみこころにににかゝりかゝりかかりててて苦くる苦くるくるしくしくしくおぼしおぼしおぼしわびわびわびててて紀き紀ききののの守かみ守かみかみををを召め召めめしししたりたりたり。。。
  19. 19「「「かのかのかのありありありししし中納言ちゆうなごん中納言ちゆうなごんちゅうなごんのののはははえええさせさせさせてててむむんややや。。。らうたげらうたげろうたげににに見み見みみえええしししををを、、、身み身みみ近ちか近ちかちかくくくつかふつかふつかう人ひと人ひとひとにににせせせむむん。。。うへうへうえにもにもにも我わ我わわれれれ奉たてまつ奉たてまつたてまつらららむむん」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば
  20. 20「「「いといといとかしこきかしこきかしこき仰事おほせごと仰事おほせごとおおせごとににに侍はべ侍はべはべるるるなりなりなり。。。姉あね姉あねあねなるなるなる人ひと人ひとひとにににのたまひのたまひのたまい見み見みみむむん」」」ととと申まう申まうもうすすすももも胸むね胸むねむね潰つぶ潰つぶつぶれれれててておぼせおぼせおぼせどどど、、、
  21. 21「「「そのそのその姉君あねぎみ姉君あねぎみあねぎみはははあそんあそんあそんののの弟おとうと弟おとうとおとうとやややもたるもたるもたる」」」。。。「「「さささももも侍はべ侍はべはべらららずずず、、、このこのこの二年ふたとせ二年ふたとせふたとせばかりばかりばかりぞぞぞかくかくかくててて物もの物ものものししし侍はべ侍はべはべれれれどどど親おや親おやおやののの掟おきて掟おきておきてににに違たが違たがたがへへえりりりととと思おも思おもおもひひいなげきなげきなげきててて、、、心こころ心こころこころゆかゆかゆかぬぬぬやうやうようににになむなむなん聞き聞ききききき給たま給たまたまふるふるうる」」」。。。
  22. 22「「「あはれあはれあわれのののことことことややや。。。よろしくよろしくよろしく聞きこ聞きこきこえええししし人ひと人ひとひとぞぞぞかしかしかし。。。誠まこと誠まことまことににによしよしよしややや」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、「「「けしうけしうけしゅうははは侍はべ侍はべはべらららざるざるざるべしべしべし。。。もてはなれもてはなれもてはなれてててうとうとしううとうとしううとうとしゅう侍はべ侍はべはべれれればばば、、、世よ世よよのののにてにてにてむつれむつれむつれ侍はべ侍はべはべらららずずず」」」ととと申まう申まうもうすすす。。。
  23. 23さてさてさて五六日いつかむいか五六日いつかむいかいつかむいかありありありててて、、、このこのこの子こ子ここ率ゐ率ゐいててて參まゐ參まゐまいれれれりりり。。。こまやかこまやかこまやかにににをかしをかしおかしとととはははなけれなけれなけれどどど、、、なまめきなまめきなまめきたるたるたるさまさまさましししてててあてあてあて人びと人びとびとととと見み見みみえええたりたりたり。。。
  24. 24召め召めめししし入い入いいれれれててていといといと懷なつ懷なつなつかしくかしくかしく語かた語かたかたらひらひらい給たま給たまたまふふう。。。童心地わらはごこち童心地わらはごこちわらわごこちににに、、、いといといとめでたくめでたくめでたく嬉うれ嬉うれうれしししととと思おも思おもおもふふう。。。妹いもうと妹いもうといもうとののの君きみ君きみきみのののことことことももも委くは委くはくわしくしくしく問と問ととひひい聞き聞ききききき給たま給たまたまふふう。。。
  25. 25さるべきさるべきさるべきことことことはははいらへいらへいらえ聞きこ聞きこきこえええなどなどなどしししててて、、、耻はづか耻はづかはずかしげしげしげにににしづまりしづまりしずまりたれたれたればばばうちうちうち出い出いいでででにくしにくしにくし。。。されどされどされどいといといとよくよくよく言い言いいひひいしらせしらせしらせ給たま給たまたまふふう。。。
  26. 26かゝるかゝるかかることことことこそこそこそはははとととほのほのほの心こころ心こころこころうるうるうるももも思おも思おもおもひひいののの外ほか外ほかほかなれなれなれどどど、、、をさなをさなおさな心地ごこち心地ごこちごこちににに深ふか深ふかふかくくくしもしもしもたどらたどらたどらずずず御文おほんふみ御文おほんふみおおんふみをををもてもてもてきききたれたれたればばば、、、女をんな女をんなおんな淺あさ淺あさあさましきましきましきににに淚なみだ淚なみだなみだももも出い出いいででで來き來ききぬぬぬ。。。
  27. 27このこのこの子こ子ここののの思おも思おもおもふふうらむらむらんことことこともももはしたなくはしたなくはしたなくててて、、、さすがにさすがにさすがに御文おほんふみ御文おほんふみおおんふみをををにににひろげひろげひろげたりたりたり。。。いといといとおほくおほくおおくててて、、、
  28. 28「「「見み見みみししし夢ゆめ夢ゆめゆめをををあふあふあう夜よ夜よよありありありやややととと歎なげ歎なげなげくくくまにまにまにめめめさへさへさへあはあはあわでででぞぞぞころころころももも經へ經へへにににけるけるける。。。ぬるぬるぬる夜よ夜よよなけれなけれなければばば」」」などなどなど、、、和歌
  29. 29目め目めめももも及およ及およおよばばばぬぬぬ御おん御おんおん書か書かかきききざまざまざまににに、、、目め目めめもももきりきりきりててて、、、こゝろえこゝろえこころえぬぬぬ宿世すくせ宿世すくせすくせうちうちうちそへそへそえりりりけるけるける身み身みみをををおもひおもひおもいつゞけつゞけつづけててて臥ふ臥ふふししし給たま給たまたまへへえりりり。。。
  30. 30またまたまたののの日ひ日ひひ小君こぎみ小君こぎみこぎみ召め召めめしししたれたれたればばば參まゐ參まゐまいるるるとととててて御おん御おんおんかへりかへりかえり乞こ乞ここふふう。。。「「「かゝるかゝるかかる御文おほんふみ御文おほんふみおおんふみ見み見みみるるるべきべきべき人ひと人ひとひともももなしなしなしととと聞きこ聞きこきこえよえよえよ」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、
  31. 31うちゑみうちゑみうちえみててて、、、「「「違たが違たがたがふふうべくべくべくももものたまはのたまはのたまわざりざりざりしししものものものをををいかゞいかゞいかがはははさささははは申まう申まうもうさささむむん」」」ととといふいふいうににに心こころ心こころこころやましくやましくやましく、、、殘のこり殘のこりのこりなくなくなくのたまひのたまひのたまい知し知ししらせらせらせてててけりけりけりととと思おも思おもおもふふうにににつらきつらきつらき事こと事ことことかぎりかぎりかぎりなしなしなし。。。
  32. 32「「「いでいでいでおよすげおよすげおよすげたるたるたる事こと事ことことははは言い言いいははわぬぬぬぞぞぞよきよきよき。。。よしよしよしさささばばばななな參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまひひいそそそ」」」とととむつかられむつかられむつかられててて「「「召め召めめすすすにににはははいかでいかでいかでかかか」」」とととててて參まゐ參まゐまいりりりぬぬぬ。。。
  33. 33紀き紀ききののの守かみ守かみかみすきすきすき心ごころ心ごころごころにににこのこのこの繼母ままはは繼母ままははままははののの有樣ありさま有樣ありさまありさまをををあたらしきあたらしきあたらしきものものものににに思おも思おもおもひひいててて追從ついしよう追從ついしようついしょうししし寄よ寄よよるるる心こころ心こころこころなれなれなればばば、、、このこのこの子こ子ここをををももももてもてもてかしづきかしづきかしずき率ゐ率ゐいてててありくありくありく。。。
  34. 34君きみ君きみきみ召め召めめしししよせよせよせててて、、、「「「昨日きのふ昨日きのふきのう待ま待ままちちち暮くら暮くらくらしゝしゝししををを、、、猶なほ猶なほなおあひあひあい思おも思おもおもふふうまじきまじきまじきなななめりめりめり」」」ととと怨ゑん怨ゑんえんじじじ給たま給たまたまへへえばばば、、、顏かほ顏かほかおうちうちうち赤あか赤あかあかめめめててて居ゐ居ゐいたりたりたり。。。
  35. 35「「「いづらいづらいずら」」」とととのたまふのたまふのたまうににに「「「しかじかしかじかしかじか」」」ととと申まう申まうもうすすすににに、、、「「「いふがひないふがひないうがいなのののことことことややや。。。あさましあさましあさまし」」」とととてててまたまたまたももも給たま給たまたまへへえりりり。。。
  36. 36「「「はははしらしらしらじじじななな。。。そのそのその伊豫いよ伊豫いよいよのののおきなおきなおきなよりよりよりははは先さき先さきさきににに見み見みみししし人ひと人ひとひとぞぞぞ。。。されどされどされど賴たの賴たのたのもしげもしげもしげなくなくなく頸くび頸くびくび細ほそ細ほそほそしししとととててて、、、ふつゝかふつゝかふつつかなるなるなる後見うしろみ後見うしろみうしろみまうけまうけもうけてててかくかくかくあなづりあなづりあなずり給たま給たまたまふふうなななめりめりめり。。。
  37. 37さりともさりともさりともあごあごあごははは我わ我わわががが子こ子ここにてにてにてをををあれあれあれよよよ。。。かのかのかの賴たの賴たのたのもしもしもし人びと人びとびとははは、、、行ゆ行ゆゆくくく先さき先さきさき短みじか短みじかみじかかりかりかりなむなむなん」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、さもさもさもやややありありありけむけむけん、、、いみじかりいみじかりいみじかりけるけるけることことことかなかなかなととと思おも思おもおもへへえるるるををををかしをかしおかしとととおぼすおぼすおぼす。。。
  38. 38このこのこの子こ子ここをををまつはしまつはしまつわし給たま給たまたまひひいててて、、、うちうちうちにもにもにも率ゐ率ゐいててて參まゐ參まゐまいりりりなどなどなどししし給たま給たまたまふふう。。。わがわがわが御み御みみにににのたまひのたまひのたまいててて、、、さうぞくさうぞくそうぞくなどなどなどもももせせせさせさせさせ給たま給たまたまふふう。。。誠まこと誠まことまことににに親おや親おやおやめきめきめきてててあつかひあつかひあつかい給たま給たまたまふふう。。。
  39. 39御文おほんふみ御文おほんふみおおんふみはははつねつねつねにににありありあり。。。されどされどされどこのこのこの子こ子ここもももいといといとをさなしをさなしおさなし。。。心こころ心こころこころよりよりより外ほか外ほかほかににに散ち散ちちりりりもももせせせばばば輕々かるがる輕々かるがるかるがるしきしきしき名な名ななさへさへさへとりとりとりそへそへそえむむん。。。
  40. 40身み身みみのののおぼえおぼえおぼえをををいといといとつきなかるつきなかるつきなかるべくべくべく思おも思おもおもへへえばばば、、、めでたきめでたきめでたき事こと事ことことももも我わ我わわががが身み身みみからからからこそこそこそととと思おも思おもおもひひいてててうちとけうちとけうちとけたるたるたる御おん御おんおんいらへいらへいらえももも聞きこ聞きこきこえええずずず、、、
  41. 41ほのかほのかほのかなりなりなりししし御おん御おんおんけはひけはひけわいありさまありさまありさまははは實げ實げげににになべてなべてなべてにににやややはははととと思おも思おもおもひひいいでいでいで聞きこ聞きこきこえええぬぬぬにににはははあらあらあらねねねどどど、、、をかしきをかしきおかしきさまさまさまををを見み見みみえええ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりてててももも何なに何なになににににかかかはははなるなるなるべきべきべきなどなどなど思おも思おもおもひひい返かへ返かへかえすすすなりなりなりけりけりけり。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

鶏も鳴いた。供の人々が起き出して、「ひどく寝坊してしまった夜だな。お車を引き出せ」などと言っているようだ。紀伊守も出てきて、「女などの方違えならともかく、こんなに夜深くお急ぎになることがありましょうか」などと言う。

源氏は、またこのような機会があることもとても難しく、わざわざ訪ねることはできないし、どうして手紙などを通わせることができようかと、まったくどうしようもないことをお思いになると、たいそう胸が痛む。奥にいた中将の君も出てきて、たいそう困っているので、空蟬をお放しになっても、また引きとめなさりながら、

「どうやってお便りを差し上げたらよいのでしょう。世に例のないあなたのつれなさも、私の愛情も、浅くはない思い出として、さまざまに珍しい例となるでしょう」と言ってお泣きになるご様子は、たいそう優美である。鶏もしきりに鳴くので、気ぜわしくて、

「あなたのつれなさを恨みきれないうちに明ける東雲に、どうして鶏はとるものもとりあえぬほど、あわただしく私を起こすのだろう」。

空蟬は自分の身の上を思うと、たいそう不似合いで、まぶしすぎる気がして、すばらしいお扱いも何とも思われず、ふだんはたいそう無骨で気に入らないと見下している伊予介のことばかりが思いやられて、夢に見えているのではないかと、わけもなく恐ろしく、気がひける。

「わが身のつらさを嘆き尽くせないうちに明けてゆく夜は、鶏の声に重ねて、私も声をあげて泣いてしまいます」。

すっかり明るくなったので、源氏は襖口まで送っていらっしゃる。内も外も人の気配が騒がしいので、襖を閉めてお別れになるとき、心細く、二人を隔てる関所のように思われた。

源氏は直衣などをお召しになって、南の高欄にしばらくもたれて、物思いにふけっていらっしゃる。西の面の格子を急いで上げて、女房たちがのぞいているらしい。簀子の中ほどに立てた小障子の上から、ほのかに見えていらっしゃるお姿を、身にしみるほど思っている浮気心の女房たちもいるようだ。月は有明で、光は薄れているものの、月の形ははっきりと見えて、かえって趣のある明け方である。何ということもない空の様子も、見る人の心しだいで、艶にも、もの寂しくも見えるのであった。人知れぬお心のうちでは、たいそう胸が痛く、言づてをするすべさえないことを思って、何度もふり返りながらお帰りになった。

源氏は左大臣邸にお帰りになっても、すぐにはお眠りになれず、二度と会えそうにないことを、まして、あの人がどう思っているだろうかと、気の毒に思いやりなさる。すぐれたところはないが、見苦しくなく身を処していた中の品の女だった、何でも見知っている左馬頭が言っていたことは本当だったと、思い当たられるのだった。

この頃は、左大臣邸にばかりいらっしゃる。やはり、あのまま便りもせず、空蟬がどう思っているかがいたわしく、お心にかかって苦しくお思いになって、紀伊守をお呼びになった。「あの、先日の中納言(衛門督)の子を、私にくれないか。かわいらしく見えたので、身近に使う者にしよう。帝にも私から差し上げよう」とおっしゃると、紀伊守は「たいそうありがたいお言葉でございます。姉に相談してみましょう」と申し上げるのにも、源氏は胸がどきりとなさるが、

「その姉君には、おまえの弟がいるのか」とお尋ねになる。「いいえ、おりません。この二年ほど、こうして伊予介の妻になっておりますが、親の考えとは違ったと嘆いて、気に入らない様子だと聞いております」。「かわいそうなことだ。評判のよい人だったのに。本当に美しいのか」とおっしゃると、「悪くはないでしょう。私とは離れていて疎遠にしておりますので、世間でよく言うように、継母とは親しくしておりません」と申し上げる。

さて、五、六日たって、紀伊守はこの子(小君)を連れて参上した。細やかに美しいというのではないが、優雅な様子をしていて、上品な人と見えた。源氏はおそばに召し入れて、たいそう親しくお話しになる。子ども心に、たいそうすばらしく、うれしいと思う。姉君のことも詳しくお尋ねになる。小君がしかるべきことはお答えしたりして、恥ずかしそうにかしこまっているので、源氏は打ち明けにくい。けれども、たいそううまく言い聞かせなさる。

こういうことだったのかと、小君はほのかに察するのも意外だったが、子ども心に深くも考えず、源氏のお手紙を持ってきたので、空蟬はあまりのことに涙もこぼれた。この子がどう思うかも決まり悪くて、それでもやはりお手紙を、顔を隠すようにして広げた。たいそう長くて、

「あの夜見た夢がまた見られる夜があるかと嘆いているうちに、目も合わずに日を過ごしてしまいました。眠る夜がないので」などと、目もまばゆいほどの見事な筆跡に、空蟬は涙で目もかすんで、思いもよらない運命が加わった身の上を思い続けて、横になっていらっしゃる。

次の日、源氏が小君をお呼びになったので、小君は参上するというので、空蟬にお返事を求める。「こんなお手紙を見るはずの人もいない、と申し上げなさい」と言うと、小君はにっこりして、「人違いではないとおっしゃっていたのに、どうしてそんなことを申し上げられましょう」と言うので、空蟬は不愉快で、源氏が何もかも話してしまわれたのだと思うと、つらいことこのうえない。「まあ、ませた口をきくものではありません。それなら、もう参上なさいますな」と叱られて、小君は「お召しがあるのに、どうして参らずにいられましょう」と言って参上した。

紀伊守は、色好みの心から、この継母の様子をもったいないものに思って、機嫌をとって近づこうとしているので、この子のことも大切にして、連れて歩く。源氏は小君をお呼び寄せになって、「昨日は一日中待っていたのに。やはり、あの人は私を思ってはくれないようだ」と恨みなさるので、小君は顔を赤くして座っている。「どうだった」とおっしゃると、「これこれでございました」と申し上げるので、「言ってもしかたのないことだ。あきれたことだ」と言って、また手紙をお与えになる。

「おまえは知らないだろうね。私はあの伊予の老人よりも先に、あの人と契った者なのだよ。けれども、頼りなく、首が細い(後ろ盾がない)といって、無骨な後見の夫を持って、こうして私を見下していらっしゃるようだ。それでも、おまえは私の子でいてくれよ。あの頼もしい人は、先が短いだろう」とおっしゃると、そういうこともあったのだろうか、とんでもないことだと思っているのを、源氏はおかしくお思いになる。

源氏はこの子をそばにまとわりつかせて、宮中にも連れて参内したりなさる。ご自分の御匣殿にお命じになって、装束なども作らせなさる。本当に親のようにお世話なさる。お手紙はいつも届く。けれども、この子もたいそう幼い。思いがけず手紙が人目にふれでもしたら、軽々しい評判まで加わるだろう。自分の身のほどを思うと、まことに不似合いなことと思うので、すばらしいことも、それにふさわしい身分であってこそと思って、打ち解けたお返事も申し上げない。ほのかに見たご様子やお姿は、本当に並々ではなかったと思い出し申し上げないわけではないが、心を寄せる様子をお見せしたところで、何になろうと思い返すのであった。

意訳

後朝(きぬぎぬ)の別れの場面で、源氏と空蟬は鶏の声を詠みこんだ歌を交わす。源氏の歌が別れのあわただしさを恨むのに対し、空蟬の歌は、身の上のつらさを嘆いて泣く歌である。空蟬は、夫の伊予介が夢に自分を見ているのではないかとおびえる。夫を「心づきなし」と思いながらも、人妻としての罪の意識から逃れられないのである。

源氏は空蟬の弟の小君を手なずけ、手紙の使いにする。「伊予の老人より先に見し人ぞ」という源氏の作り話を小君が信じこむ場面には、少年の無邪気さと、源氏の身勝手さがともに描かれている。空蟬は、源氏の美しさを思い出しながらも、「何にかはなるべき」と返事をしない。身分の差を知る空蟬の冷静さが、源氏の思いをかえってつのらせていく。

語釈・文法注

いぎたなし
寝坊だ、ぐっすり寝こんでいる。
さしはふ
わざわざする、ことさらに。
夢にや見ゆらむ
相手が自分のことを思うと、その人の夢に自分が現れると考えられていた。夫の伊予介が自分を思って、夢に自分の姿を見ているのではないか、とおびえる。
こさうじ
小障子(こそうじ)。小さな衝立。
中納言の子
空蟬の弟の小君。父の故衛門督は中納言を兼ねていたと考えられる。
世のたとひ
世間でよく言うたとえ。継母と継子は仲が悪いもの、ということ。
おもがくし
顔を隠すこと。手紙を広げて顔を隠す。
あご
吾子(あこ)。親しい年下の者を呼ぶ言葉。底本は「あご」と表記する。
櫛笥殿(くしげどの)
御匣殿(みくしげどの)。衣服の調製をつかさどる所。ここでは源氏の家で装束を作る所。

文法

疑問の副詞と「らむ」(驚かすらむ)
「どうして…のだろう」と原因を推量する。歌の中で疑問の語は省略されている。
係り結び(ぞ…ける)(ねもなかれける)
係助詞「ぞ」を受けて、過去の助動詞「けり」が連体形「ける」で結ばれている。
禁止「な…そ」(な參り給ひそ)
副詞「な」と終助詞「そ」で動詞をはさみ、柔らかく禁止する。

和歌

つれなさを恨みもはてぬしのゝめにとりあへぬまで驚かすらむ

詠者
光源氏
状況
鶏の声にせかされての別れ際の歌。あなたのつれなさを恨みきれないうちに夜が明けて、どうして鶏はこんなにあわただしく目を覚まさせるのだろう。

修辞

掛詞
「とりあへぬ」に「鶏(とり)」と「取りあへぬ(とるものもとりあえない)」を掛ける。

身のうさを歎くにあかで明くる夜はとり重ねてぞねもなかれける

詠者
空蟬
状況
空蟬の返歌。わが身のつらさを嘆き尽くせないうちに明ける夜は、鶏の声に重ねて、私も声をあげて泣いてしまうことです。

修辞

掛詞
「あかで」は「飽かで(嘆き足りない)」と「明かで」、「とり」は「鶏」と「取り」、「ね」は鶏の「音」と泣く「音」を掛ける。

見し夢をあふ夜ありやと歎くまにめさへあはでぞころも經にける

詠者
光源氏
状況
小君に託した手紙の歌。あの夜の夢のような逢瀬がまたあるかと嘆くうちに、目も合わず(眠れず)に日を過ごしてしまった。

修辞

掛詞
「めさへあはで」は、目が合わない(眠れない)ことと、逢えないことを掛ける。「ころも」は「頃も」で、「衣」を響かせる。

解説

後朝の別れは、平安の恋愛において最も情趣のある場面の一つとされた。男は夜明け前に女のもとを去り、帰宅後すぐに後朝の文を送るのが礼儀であった。源氏が有明の月のもとで高欄にもたれて物思いにふける姿を、女房たちがのぞき見る場面は、源氏の美しさを周囲の人々の目を通して描く、物語によく見られる手法である。

「月は有明にて」から「艶にも凄くも見ゆるなりけり」までは、帚木の巻の中でもとくに有名な一節である。同じ景色も、見る人の心しだいで美しくも寂しくも見える、という言葉には、物語全体を通じて描かれる、心と景色の結びつきがよく表れている。

小君は、源氏と空蟬をつなぐ使いとして、次の空蟬の巻でも重要な役割を果たす。継母の空蟬に心を寄せる紀伊守の存在も、のちの物語の伏線となっている。

関連

出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、42–45頁(コマ23–24)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日