古典ライブラリー

源氏物語 第2帖 帚木(9)

中川の宿

登場人物:光源氏・葵の上・左大臣・紀伊守・小君・空蟬

品定めの翌日、源氏は左大臣邸に帰るが、方角が悪いため、方違えに紀伊守の中川の邸へ移る。そこには紀伊守の父伊予介の若い後妻が来ていた。源氏は女房たちの噂話を聞き、空蟬の弟の小君と言葉を交わし、夜更けに襖の向こうの空蟬の気配に耳を澄ます。

夏の夜、中川の邸の庭に遣水が流れ、蛍が飛び交い、寝殿の廂で源氏がくつろいで庭をながめている場面(AI生成)
夏の夜、中川の邸の庭に遣水が流れ、蛍が飛び交い、寝殿の廂で源氏がくつろいで庭をながめている場面
  1. 1辛から辛からかろうううじてじてじて今日けふ今日けふきょうははは日ひ日ひひののの氣色けしき氣色けしきけしきももも直なほ直なほなおれれれりりり。。。かくかくかくのみのみのみ籠こも籠こもこもりりり侍はべ侍はべはべらひらひらい給たま給たまたまふふうもももおほおほおお殿どの殿どのどのののの御心みこころ御心みこころみこころいとほしけれいとほしけれいとおしければばばまかでまかでまかで給たま給たまたまへへえりりり。。。
  2. 2大方おほかた大方おほかたおおかたののの氣色けしき氣色けしきけしき人ひと人ひとひとのののけはひけはひけわいもももけざやかけざやかけざやかにににけだかくけだかくけだかく亂みだ亂みだみだれれれたるたるたる所ところ所ところところ交まじ交まじまじらららずずず、、、猶なほ猶なほなおこれこれこれこそこそこそはははかのかのかの人々ひとびと人々ひとびとひとびとののの棄す棄すすててて難かた難かたかたくくく取と取ととりりり出い出いいでででしししまめまめまめにはにはには賴たの賴たのたのまままれれれぬぬぬべけれべけれべけれとととおぼすおぼすおぼすものものものからからから、、、
  3. 3あまりあまりあまり麗うるは麗うるはうるわはしきはしきわしき御有樣おほんありさま御有樣おほんありさまおおんありさまののの解と解ととけけけ難かた難かたかたくくく耻はづか耻はづかはずかしげしげしげにににのみのみのみ思おも思おもおもひひいしづまりしづまりしずまり給たま給たまたまへへえるるるををを、、、さうざうしくさうざうしくそうぞうしくててて中納言ちゆうなごん中納言ちゆうなごんちゅうなごんののの君きみ君きみきみ中務なかつかさ中務なかつかさなかつかさなどなどなどやうやうようのののおしなべおしなべおしなべたらたらたらぬぬぬわかうどわかうどわこうどどもどもどもにににたはぶれたはぶれたわぶれ事こと事ことことなどなどなどのたまひのたまひのたまいつゝつゝつつ、、、暑あつ暑あつあつさささににに亂みだ亂みだみだれれれ給たま給たまたまへへえるるる御有樣おほんありさま御有樣おほんありさまおおんありさまををを見み見みみるるるかひかひかいありありありととと思おも思おもおもひひい聞きこ聞きこきこえええたりたりたり。。。
  4. 4おとゞおとゞおとどももも渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまひひいててて、、、うちうちうち解と解ととけけけ給たま給たまたまへへえれれればばば御み御みみ几帳きちやう几帳きちやうきちょう隔へだ隔へだへだてゝてゝてて坐おは坐おはおわしししましましましててて御おほん御おほんおおん物語ものがたり物語ものがたりものがたり聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうををを、、、暑あつ暑あつあつきききにににとととにがみにがみにがみ給たま給たまたまへへえばばば人々ひとびと人々ひとびとひとびとわらふわらふわらう。。。
  5. 5「「「」」」とととててて脇息けふそく脇息けふそくきょうそくににに寄よ寄よよりりりおはすおはすおわす。。。いといといと安やす安やすやすらからからかなるなるなる御おん御おんおんふるまひふるまひふるまいなりなりなりややや。。。
  6. 6暗くら暗くらくらくくくなるなるなるほどほどほどににに「「「今宵こよひ今宵こよひこよいうちうちうちよりよりよりはははふたがりふたがりふたがりててて侍はべ侍はべはべりりりけりけりけり」」」ととと聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。「「「さかしさかしさかし、、、例れい例れいれいももも忌い忌いいみみみ給たま給たまたまふふう方かた方かたかたなりなりなりけりけりけり。。。二條院にでうのゐん二條院にでうのゐんにじょうのいんにもにもにも同おな同おなおなじじじすぢすぢすじにてにてにていづくいづくいずくにににかかか違たが違たがたがへへえむむん。。。いといといと惱なや惱なやなやましきましきましきににに」」」とととててて大殿籠おほとのごも大殿籠おほとのごもおおとのごもれれれりりり。。。
  7. 7「「「いといといと惡あ惡ああしきしきしきことことことなりなりなり」」」とととこれかれこれかれこれかれ聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。「「「紀き紀ききののの守かみ守かみかみにてにてにて親おや親おやおやしくしくしく仕つか仕つかつこうううまつるまつるまつる人ひと人ひとひとののの、、、中河なかがは中河なかがはなかがわのののわたりわたりわたりなるなるなる家いへ家いへいえなむなむなん、、、このこのこの頃ころ頃ころころ水みづ水みづみずせきせきせき入い入いいれれれててて涼すず涼すずすずしきしきしきかげかげかげににに侍はべ侍はべはべるるる」」」ととと聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。
  8. 8「「「いといといとよかよかよかなりなりなり、、、なやましきなやましきなやましきににに。。。牛うし牛うしうしながらながらながら牽ひ牽ひひききき入い入いいれれれつつつべからべからべからむむん所ところ所ところところををを」」」とととのたまふのたまふのたまう。。。
  9. 9忍しの忍しのしのびびび忍しの忍しのしのびびびのののはははあまたあまたあまたありぬありぬありぬべけれべけれべけれどどど久ひさ久ひさひさしくしくしく程ほど程ほどほど經へ經へへててて渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまへへえるるるににに方かた方かたかたふたげふたげふたげてててひきひきひき違たが違たがたがへへえ外ほか外ほかほかざまざまざまへへへととと覺おぼ覺おぼおぼさささむむんはははいとほしきいとほしきいとおしきなるなるなるべしべしべし。。。
  10. 10紀き紀ききののの守かみ守かみかみににに仰言おほせごと仰言おほせごとおおせごと給たま給たまたまへへえばばばうけうけうけ給たま給たまたまはりはりわりながらながらながらしぞきしぞきしぞきててて「「「伊豫いよ伊豫いよいよののの守かみ守かみかみののの朝臣あそん朝臣あそんあそんののの家いへ家いへいえににに愼つつし愼つつしつつしむむむ事こと事ことこと侍はべ侍はべはべりりりててて女房にようばう女房にようばうにょうぼうなむなむなん罷まか罷まかまかりりりうつれうつれうつれるるる頃ころ頃ころころにてにてにてせばきせばきせばき所ところ所ところところににに侍はべ侍はべはべれれればばばなめげなめげなめげなるなるなることことことややや侍はべ侍はべはべらららむむん」」」ととと歎なげ歎なげなげくくくををを聞き聞ききききき給たま給たまたまひひいててて
  11. 11「「「そのそのその人ひと人ひとひと近ちか近ちかちかからからからむむんなむなむなんうれしかるうれしかるうれしかるべきべきべき。。。女をんな女をんなおんな遠とほ遠とほとおききき旅寢たびね旅寢たびねたびねははは物もの物ものもの恐おそろ恐おそろおそろしきしきしき心こころ心こころこころちちちすすすべきべきべきををを唯ただ唯ただただそのそのその几帳きちやう几帳きちやうきちょうのののうしろうしろうしろににに」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、「「「實げ實げげににによろしきよろしきよろしきおましおましおまし所どころ所どころどころにもにもにも」」」とととててて人ひと人ひとひと走はし走はしはしらせらせらせやるやるやる。。。
  12. 12いといといと忍しの忍しのしのびびびててて殊更ことさら殊更ことさらことさらにににことごとしからことごとしからことごとしからぬぬぬ所ところ所ところところをををととと急いそ急いそいそぎぎぎ出い出いいででで給たま給たまたまへへえばばばおとゞおとゞおとどにもにもにも聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまははわずずず、、、御供おほんとも御供おほんともおおんともにもにもにもむつましきむつましきむつましき限かぎり限かぎりかぎりしししててておはしましおはしましおわしましぬぬぬ。。。守かみ守かみかみ俄にはか俄にはかにはかにににととと侘わ侘わわぶれぶれぶれどどど人ひと人ひとひとももも聞き聞ききききき入い入いいれれれずずず。。。
  13. 13寢殿しんでん寢殿しんでんしんでんのののひんがしひんがしひんがしおもておもておもてはらひはらひはらいあけあけあけさせさせさせててて假初かりそめ假初かりそめかりそめののの御おん御おんおんしつらひしつらひしつらいしししたりたりたり。。。水みづ水みづみずののの心こころ心こころこころばへばへばえなどなどなどさるさるさる方かた方かたかたにににをかしくをかしくおかしくしししなしなしなしたりたりたり。。。田舍ゐなか田舍ゐなかいなか家いへ家いへいえだつだつだつ柴垣しばがき柴垣しばがきしばがきしししててて前栽せんざい前栽せんざいせんざいなどなどなど心こころ心こころこころ留とど留とどとどめめめててて植う植ううゑゑえたりたりたり。。。
  14. 14風かぜ風かぜかぜ凉すず凉すずすずしくしくしくてててそこはかとなきそこはかとなきそこはかとなき蟲むし蟲むしむしののの聲々こゑごゑ聲々こゑごゑこえごえ聞きこ聞きこきこえええ螢ほたる螢ほたるほたる繁しげ繁しげしげくくく飛と飛ととびびびまがひまがひまがいてててをかしきをかしきおかしき程ほど程ほどほどなりなりなり。。。人々ひとびと人々ひとびとひとびと渡殿わたどの渡殿わたどのわたどのよりよりより出い出いいでででたるたるたる泉いづみ泉いづみいずみにににのぞきのぞきのぞき居ゐ居ゐいててて酒さけ酒さけさけ飮の飮ののむむむ。。。
  15. 15あるじあるじあるじももも肴さかな肴さかなさかなもとむもとむもとむとととのののいそぎいそぎいそぎありくありくありくほどほどほど、、、君きみ君きみきみはははのどやかのどやかのどやかににに詠なが詠ながながめめめ給たま給たまたまひひいててて、、、かのかのかの中なか中なかなかののの品しな品しなしなににに取と取ととりりり出い出いいでゝでゝでていひいひいいしししこのこのこのなみなみなみならならならむむんかしかしかしととと覺おぼ覺おぼおぼししし出い出いいづづず。。。
  16. 16思おも思おもおもひひいあがれあがれあがれるるる氣色けしき氣色けしきけしきににに聞き聞きききききおきおきおき給たま給たまたまへへえるるるむすめむすめむすめなれなれなればばば、、、ゆかしくゆかしくゆかしくててて耳みみ耳みみみみとゞめとゞめとどめ給たま給たまたまへへえるるるににに、、、このこのこの西にし西にしにしおもておもておもてにににぞぞぞ人ひと人ひとひとのののけはひけはひけわいするするする。。。
  17. 17きぬきぬきぬののの音おと音おとおとなひなひないはらはらはらはらはらはらとととしししててて若わか若わかわかききき聲こゑ聲こゑこえどもどもどもにくからにくからにくからずずず。。。さすがにさすがにさすがにしのびしのびしのびてててわらひわらひわらいなどなどなどするするするけはひけはひけわいことさらびことさらびことさらびたりたりたり。。。
  18. 18格子かうし格子かうしこうしをををあげあげあげたりたりたりけれけれけれどどど、、、かみかみかみ、、、心こころ心こころこころなしなしなしとととむつかりむつかりむつかりててておろしおろしおろしつれつれつればばば、、、火ひ火ひひともしともしともしたるたるたるすきすきすき影かげ影かげかげののの紙かみ紙かみかみよりよりより漏も漏ももりりりたるたるたるににに、、、やをらやをらやおら寄よ寄よよりりり給たま給たまたまひひいててて、、、見み見みみゆゆゆやややとととおぼせおぼせおぼせどどどひまひまひまもももなけれなけれなければばばしばししばししばし聞き聞ききききき給たま給たまたまふふうににに、、、
  19. 19このこのこの近ちか近ちかちかきききににに集つど集つどつどひひい居ゐ居ゐいたるたるたるなるなるなるべしべしべし、、、うちさゝめきうちさゝめきうちささめき言い言いいふふう事こと事ことことどもどもどもををを聞き聞ききききき給たま給たまたまへへえばばば、、、我わ我わわががが御おん御おんおんうへうへうえなるなるなるべしべしべし。。。
  20. 20「「「いといといといたういたういとうまめだちまめだちまめだちてててまだきまだきまだきにににやんごとなきやんごとなきやんごとなきよすがよすがよすが定さだ定さださだまりまりまり給たま給たまたまへへえるるるこそこそこそさうざうしかさうざうしかそうぞうしかめれめれめれ。。。されどされどされどさるべきさるべきさるべき隈くま隈くまくまにはにはにはよくよくよくこそこそこそかくれかくれかくれありきありきありき給たま給たまたまふふうなれなれなれ」」」などなどなどいふいふいうにもにもにもおぼすおぼすおぼす事こと事ことことのみのみのみ心こころ心こころこころにににかゝりかゝりかかり給たま給たまたまへへえれれればばばまづまづまず胸むね胸むねむね潰つぶ潰つぶつぶれれれててて、、、かやうかやうかようのののついでついでついでにもにもにも人ひと人ひとひとののの言い言いいひひい漏も漏ももさささむむんををを聞き聞きききききつけつけつけたらたらたらむむん時とき時ときときなどなどなど覺おぼ覺おぼおぼえええ給たま給たまたまふふう。。。
  21. 21異こと異ことことなるなるなる事こと事ことことなけれなけれなければばばきゝさしきゝさしききさし給たま給たまたまひひいつつつ。。。式部卿しきぶきやう式部卿しきぶきやうしきぶきょうののの宮みや宮みやみやののの姫君ひめぎみ姫君ひめぎみひめぎみににに、、、朝顏あさがほ朝顏あさがほあさがお奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまひひいしししなどなどなどををを、、、少すこ少すこすこししし頰つら頰つらつらゆがめゆがめゆがめててて語かた語かたかたるるるももも聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。
  22. 22くつろぎがましくくつろぎがましくくつろぎがましく歌うた歌うたうたずんじずんじずんじがちがちがちにもにもにもあるあるあるかなかなかな。。。猶なほ猶なほなお見み見みみ劣おと劣おとおとりりりはははしししなむなむなんかしかしかしとととおぼすおぼすおぼす。。。
  23. 23守かみ守かみかみ出い出いいででできききててて、、、かけかけかけそへそへそえ火ひ火ひひあかくあかくあかくかゝげかゝげかかげなどなどなどしししててて御おん御おんおんくだものくだものくだものばかりばかりばかり參まゐ參まゐまいれれれりりり。。。
  24. 24「「「もももいかにいかにいかに。。。さるさるさる方かた方かたかたののの心こころ心こころこころもももなくなくなくてててはははめざましきめざましきめざましきあるじあるじあるじならならならむむん」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば「「「何なに何なになによけよけよけむむんともともとも得え得ええうけうけうけ給たま給たまたまはらはらわらずずず」」」ととと畏かしこ畏かしこかしこまりまりまりててて侍さぶら侍さぶらさぶらふふう。。。
  25. 25端はし端はしはしつつつ方かた方かたかたのののおましおましおましににに、、、假かり假かりかりなるなるなるやうやうようにてにてにて大殿おほとの大殿おほとのおおとのごもれごもれごもればばば人々ひとびと人々ひとびとひとびともももしづまりしづまりしずまりぬぬぬ。。。
  26. 26あるじあるじあるじののの子こ子ここどもどもどもをかしげをかしげおかしげにてにてにてありありあり。。。童わらは童わらはわらわなるなるなる殿上てんじやう殿上てんじやうてんじょうのののほどほどほどににに御覽ごらん御覽ごらんごらんじじじ馴な馴ななれれれたるたるたるもももありありあり。。。伊豫いよ伊豫いよいよののの介すけ介すけすけののの子こ子ここもももありありあり。。。あまたあまたあまたあるあるある中なか中なかなかににに、、、いといといとけはひけはひけわいあてはかあてはかあてはかにてにてにて十二三じふにさん十二三じふにさんじゅうにさんばかりばかりばかりなるなるなるもももありありあり。。。
  27. 27「「「いづれいづれいずれかかかいづれいづれいずれ」」」などなどなど問と問ととひひい給たま給たまたまふふうににに「「「これこれこれははは故こ故ここ衛門ゑもん衛門ゑもんえもんのののののの末すゑ末すゑすえののの子こ子ここにてにてにていといといと悲かな悲かなかなくしくしくし侍はべ侍はべはべりりりけるけるけるををををさなきをさなきおさなき程ほど程ほどほどににに後おく後おくおくれれれ侍はべ侍はべはべりりりててて姉あね姉あねあねなるなるなる人ひと人ひとひとのののよすがよすがよすがにににかくかくかくててて侍はべ侍はべはべるるるなりなりなり。。。ざえざえざえなどなどなどもももつきつきつき侍はべ侍はべはべりりりぬぬぬべくべくべくけしうけしうけしゅうははは侍はべ侍はべはべらららぬぬぬををを殿上てんじやう殿上てんじやうてんじょうなどなどなどももも思おも思おもおもううう給たま給たまたまへへえかけかけかけながらながらながらすがすがしうすがすがしうすがすがしゅうはははえええ交まじ交まじまじらひらひらい侍はべ侍はべはべらららざざざめるめるめる」」」ととと申まう申まうもうすすす。。。
  28. 28「「「あはれあはれあわれのののことことことややや。。。このこのこの姉君あねぎみ姉君あねぎみあねぎみやややののの後のち後のちのちののの親おや親おやおや」」」、、、「「「さささなむなむなん侍はべ侍はべはべるるる」」」ととと申まう申まうもうすすすににに、、、「「「似に似ににげなきげなきげなき親おや親おやおやをををもももまうけまうけもうけたりたりたりけるけるけるかなかなかな。。。
  29. 29うへうへうえにもにもにも聞きこ聞きこきこしししめしめしめしおきおきおきててて、、、宮仕みやづかへ宮仕みやづかへみやずかえににに出いだ出いだいだししし立た立たたてててむむんととともらしもらしもらし奏そう奏そうそうせせせしししををを、、、いかにいかにいかになりなりなりにににけむけむけんととといつぞやいつぞやいつぞやのたまはせのたまはせのたまわせししし、、、世よ世よよこそこそこそ定さだ定さださだめめめなきなきなきものものものなれなれなれ」」」などなどなどいといといとおよすげおよすげおよすげのたまふのたまふのたまう。。。
  30. 30「「「不意ふい不意ふいふいにににかくかくかくててて物もの物ものものししし侍はべ侍はべはべるるるなりなりなり。。。世よ世よよののの中なか中なかなかととといふいふいうものものものさささのみのみのみこそこそこそ今いま今いまいまももも昔むかし昔むかしむかしももも定さだ定さださだまりまりまりたるたるたる事こと事ことこと侍はべ侍はべはべらららねねね。。。中なか中なかなかににについついついてててももも女をんな女をんなおんなののの宿世すくせ宿世すくせすくせはははうかびうかびうかびたるたるたるなむなむなん哀あはれ哀あはれあわれににに侍はべ侍はべはべるるる」」」などなどなど聞きこ聞きこきこえええさすさすさす。。。
  31. 31「「「伊豫いよ伊豫いよいよののの介すけ介すけすけはははかしづくかしづくかしずくややや。。。君きみ君きみきみととと思おも思おもおもふふうらむらむらんななな」」」。。。「「「いかゞいかゞいかがははは。。。私わたくし私わたくしわたくしのののしうとしうとしゅうとこそこそこそははは思おも思おもおもひひいててて侍はべ侍はべはべるるるめるめるめるををを、、、すきずきしきすきずきしきすきずきしき事こと事ことこととととなにがしなにがしなにがしよりよりより始はじめ始はじめはじめめめめてててうけひきうけひきうけひき侍はべ侍はべはべらららずずずなむなむなん」」」ととと申まう申まうもうすすす。。。
  32. 32「「「さりともさりともさりともまうとまうともうとたちたちたちのののつきづきしくつきづきしくつきづきしく今いま今いまいまめきめきめきたらたらたらむむんにににおろしおろしおろしたてたてたてむむんやはやはやは。。。かのかのかの介すけ介すけすけはははいといといとよしよしよしありありありててて氣色けしき氣色けしきけしきばめばめばめるるるをををややや」」」などなどなど物語ものがたり物語ものがたりものがたりししし給たま給たまたまひひいつゝつゝつつ、、、
  33. 33「「「何方いづかた何方いづかたいずかたにににぞぞぞ」」」、、、「「「皆みな皆みなみなしもやしもやしもやにににおろしおろしおろし侍はべ侍はべはべりりりぬるぬるぬるをををえええややや罷まか罷まかまかりりりおりおりおりあへあへあえざらざらざらむむん」」」ととと聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。醉ゑ醉ゑえひひい進すす進すすすすみみみててて皆みな皆みなみな人々ひとびと人々ひとびとひとびと簀子すのこ簀子すのこすのこににに臥ふ臥ふふしししつゝつゝつつしづまりしづまりしずまりぬぬぬ。。。
  34. 34君きみ君きみきみははは解と解ととけけけてててももも寢ね寢ねねられられられ給たま給たまたまははわずずず、、、とととおぼさるゝおぼさるゝおぼさるるににに、、、御おん御おんおん目め目めめ覺さ覺ささめめめててて、、、このこのこの北きた北きたきたのののさうじさうじそうじのののあなたあなたあなたににに人ひと人ひとひとのののけはひけはひけわいするするするををを、、、
  35. 35此方こなた此方こなたこなたやややかくかくかくいふいふいう人ひと人ひとひとののの隱かく隱かくかくれれれたるたるたる方かた方かたかたならならならむむん、、、哀あは哀あはあわれれれやややととと御心みこころ御心みこころみこころ留とど留とどとどめめめててて、、、やをらやをらやおら起お起おおきききててて立た立たたちちち聞き聞ききききき給たま給たまたまへへえばばば、、、
  36. 36ありありありつるつるつる子こ子ここののの聲こゑ聲こゑこえにてにてにて、、、「「「ものものものうけうけうけ給たま給たまたまはるはるわる。。。いづくいづくいずくにににおはしますおはしますおわしますぞぞぞ」」」とととかれかれかれたるたるたる聲こゑ聲こゑこえのののをかしきをかしきおかしきにてにてにていへいへいえばばば、、、
  37. 37「「「こゝこゝここにににぞぞぞ臥ふ臥ふふしししたるたるたる。。。まらうどまらうどまろうどははは寢ね寢ねね給たま給たまたまひひいぬるぬるぬるかかか。。。いかにいかにいかに近ちか近ちかちかからからからむむんととと思おも思おもおもひひいつるつるつるををを、、、されどされどされどけどほかりけどほかりけどおかりけりけりけり」」」ととといふいふいう。。。
  38. 38寢ね寢ねねたりたりたりけるけるける聲こゑ聲こゑこえのののしどけなきしどけなきしどけなきいといといと能よ能よよくくく似通にかよ似通にかよにかよひひいたれたれたればばばいもうといもうといもうとゝゝと聞き聞ききききき給たま給たまたまひひいつつつ。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

やっと今日は天気も回復した。こうして宮中にばかり籠もっていらっしゃるのも、左大臣家のお気持ちがお気の毒なので、源氏は退出なさった。邸の様子も、葵の上の人柄も、きわだって気品があり、乱れたところがなく、やはりこの人こそ、あの人々が捨てがたいと言っていた、誠実な妻として頼りにできる人なのだろうとお思いになる。けれども、あまりにきちんとしたご様子で打ち解けにくく、こちらが気後れするほどすましていらっしゃるのが物足りなくて、中納言の君や中務などといった、並々でない若い女房たちに冗談などをおっしゃりながら、暑さにくつろいでいらっしゃるお姿を、女房たちは見るかいがあると思っている。

左大臣もお越しになって、源氏がくつろいでいらっしゃるので、御几帳を隔ててお座りになり、お話し申し上げなさるのを、源氏が「暑いのに」と顔をしかめなさるので、女房たちは笑う。「静かに」と言って脇息に寄りかかっていらっしゃる。まことにのびのびとしたお振る舞いである。

暗くなる頃、女房が「今夜は、中神が宮中からこちらの方角にふさがっております」と申し上げる。「そうだった。いつも避けている方角だ。二条院も同じ方角で、どこへ方違えしたものか。たいそう気分が悪いのに」と言って、お休みになった。「とても悪いことです」と、皆が申し上げる。「紀伊守で、親しくお仕えしている者の、中川のあたりにある家が、この頃、川の水をせき入れて涼しい木陰になっております」と申し上げる。「それはたいへんよい。気分が悪いので、牛車ごと引き入れられるような所がいい」とおっしゃる。

お忍びの方違えの場所はたくさんあるだろうが、久しぶりに左大臣邸においでになったのに、方角がふさがっているからといって、ほかの女のところへ行ったとお思いになるのは、葵の上にお気の毒だと思われたのだろう。紀伊守にご命令をくだされると、お引き受けしながら引き下がって、「父の伊予守の朝臣の家に慎むことがございまして、女房たちが私の家に移ってきている時ですので、狭いところで、失礼なことがあるかもしれません」と陰で嘆くのをお聞きになって、源氏は「その人たちが近くにいるのはうれしいだろう。女のいない旅寝は、なんとなく恐ろしい気がするから、ただその几帳の後ろにでも」とおっしゃるので、「なるほど、よいご座所にも」と言って、人を走らせて準備をさせる。

ごく内密に、わざと大げさでない所をと、急いでお出かけになったので、左大臣にも申し上げず、お供にも親しい者だけを連れておいでになった。紀伊守は急なことだと困るが、誰も聞き入れない。寝殿の東の面を片付けて開けさせ、仮のご座所をしつらえた。遣水の趣なども、それなりに風情深くこしらえてある。田舎家風の柴垣をめぐらし、植え込みなども心をこめて植えてある。風が涼しくて、どこからともなく虫の声々が聞こえ、蛍がしきりに飛び交って、趣深い頃である。

お供の人々は、渡殿の下から湧き出ている泉をのぞきこむように座って酒を飲む。主人の紀伊守も、肴を探し求めて「こゆるぎの急ぎ」とばかりに走りまわっているあいだ、源氏はのんびりと物思いにふけって、あの品定めで「中の品」として取り出して言っていたのは、こういう家のことだろうとお思い出しになる。

気位が高いと前から聞いていた娘(空蟬)なので、ゆかしく思って耳をとめていらっしゃると、この西の面に人の気配がする。衣ずれの音がさらさらとして、若い女たちの声も感じがよい。さすがに遠慮して笑ったりする様子も、わざとらしい。格子を上げていたが、紀伊守が「不用心だ」と叱って下ろしたので、灯をともした明かりが襖の紙から漏れているところに、そっとお寄りになって、見えるかとお思いになるが、すき間もないので、しばらく聞いていらっしゃると、この近くの母屋に集まっているらしく、ひそひそと話していることを聞くと、ご自分の噂のようである。

「とてもまじめにしていらして、まだ若いうちに、高貴な奥方がお決まりになったのは物足りないことでしょう。けれども、しかるべき隠れ家には、よくお忍びでお通いになるそうよ」などと言うのにつけても、源氏は思い続けていること(藤壺とのこと)ばかりが気にかかっていらっしゃるので、まず胸がどきりとして、こういう折にも、人が噂をもらしているのを聞きつけるようなことがあったら、などとお思いになる。とりたてて特別な話でもないので、聞くのを途中でおやめになった。式部卿宮の姫君に、朝顔を差し上げなさった時の歌などを、少し言葉を違えて語っているのも聞こえる。くつろいで、歌を口ずさみがちなことよ、やはり会えば見劣りがするだろう、とお思いになる。

紀伊守が出てきて、灯籠を掛け加え、灯火を明るくかき立てなどして、果物だけを差し上げた。源氏が「帳台のほうはどうなっているのか。そちらの用意もなくては、気のきかない主人というものだろう」とおっしゃると、紀伊守は「何がよろしいかも存じません」と、かしこまって控えている。源氏は端の方のご座所に、仮のようにしてお休みになったので、人々も静かになった。

主人の子どもたちがかわいらしい様子でいる。殿上童として、源氏が見慣れていらっしゃる子もいる。伊予介の子もいる。大勢いる中に、たいそう上品な様子の、十二、三歳ほどの子もいる。源氏が「どれが誰の子か」などとお尋ねになると、紀伊守は「これは故衛門督の末の子で、たいそうかわいがっていましたが、幼いうちに父に先立たれまして、姉の縁でこうしてここにおります。学問なども身につきそうで、悪くはないのですが、殿上童に上がることなども考えていながら、すんなりとは宮仕えできないようです」と申し上げる。

「かわいそうなことだ。この子の姉君が、おまえの継母なのか」。「さようでございます」と申し上げると、「似つかわしくない母親を持ったものだな。帝もお聞きになっていて、宮仕えに出そうと衛門督がそれとなく申し上げていたのを、どうなったのだろうと、いつだったかおっしゃっていた。世の中は定めないものだな」などと、たいそう大人びておっしゃる。紀伊守は「思いがけずこうしているのでございます。世の中というものは、そのように今も昔も定まったことはございません。中でも、女の運命は浮き草のようで、哀れでございます」などと申し上げる。

「伊予介は大切にしているのか。主君のように思っているのだろうな」。「どうしてそうでないことがありましょう。私的な主人として大事に思っているようですが、色好みなことだと、私をはじめ、皆が賛成していないのでございます」と申し上げる。「そうはいっても、おまえたちのような似合いの年頃の、当世風な者に譲るだろうか。あの伊予介は、たいそうたしなみがあって、気取っているからな」などとお話しになりながら、「その人はどちらに」と尋ねなさると、「皆、下屋に下がらせましたが、まだ下がりきっていないかもしれません」と申し上げる。

酔いがまわって、お供の人々は皆、簀子に横になって静かになった。源氏はくつろいで眠ることもおできにならず、むなしい独り寝だとお思いになるので、目がさえて、この北の襖の向こうに人の気配がするのを、ここがあの話に出た女の隠れているところだろうか、かわいそうに、と心をおとめになって、そっと起きて立ち聞きなさると、さっきの子の声で、「もしもし、どこにいらっしゃるのですか」と、かすれた声のかわいらしい様子で言うと、「ここに寝ています。お客様はお休みになったの。どんなに近いかと思ったけれど、思ったより離れていたわね」と言う。寝ていた声のしどけない様子が、たいそうよく似通っているので、姉だとお聞き取りになった。

意訳

品定めの翌日、源氏は正妻の葵の上のもとへ帰るが、葵の上は気品があるものの、打ち解けない人だった。方違えのために中川の紀伊守邸へ移るのも、葵の上への遠慮からであった。そこに伊予介の若い後妻が来ていると聞いた源氏は、品定めの「中の品」の話を思い出し、興味をひかれる。

襖越しに聞こえる女房たちの噂話に、源氏は藤壺との秘密が漏れているのではないかと胸を騒がせる。この一瞬の描写から、源氏の心にある秘密の深さがうかがえる。空蟬の弟の小君との会話、継母と継子の関係への源氏の関心など、空蟬の物語の舞台が少しずつ整えられていく。

語釈・文法注

まめ人
誠実な人。品定めで左馬頭たちが、妻にするならこういう人だと言っていた女性。
あなかま
しっ、静かに。人の話をさえぎる言葉。
中神
天一神(なかがみ)。陰陽道の神で、一定の日数ごとに方角を移る。この神のいる方角へ行くのは凶とされ、方違えをした。
方違へ
凶の方角へ行くのを避けるため、前夜にいったん別の方角の家に泊まり、方角を変えてから目的地へ向かうこと。
したに
心の中で、陰で。
こゆるぎのいそぎ
催馬楽「玉垂」の「玉垂の小瓶(こがめ)を中に据ゑて、主人(あるじ)はも、肴求(ま)ぎに、小余綾(こゆるぎ)の磯の若布(わかめ)刈り上げに」をふまえる。「こゆるぎの磯」と「急ぎ」を掛けて、主人が肴を探して走りまわる様子をいう。
さうじ
障子(そうじ)。襖。部屋を仕切る建具。
もや
母屋。寝殿の中央の部屋。
朝顏奉り給ひし歌
源氏が式部卿宮の姫君(のちの朝顔の姫君)に朝顔の花に添えて贈った歌。この話は物語の中ではここで初めて出てくる。
とうろ
灯籠(とうろう)。
とばりちやう
帳台(ちょうだい)の帷(とばり)。寝所。また、「帷帳もいかに」で、女性のもてなしはどうか、という冗談も含むと解されている。
衛門のかみ
衛門督(えもんのかみ)。衛門府の長官。空蟬と小君の亡父。
まうと
真人(まうと)。目下の者を呼ぶ言葉。おまえ。
いたづらぶし
むなしく一人で寝ること。

文法

伝聞の助動詞「なり」(かくれありき給ふなれ)
終止形接続の「なり」は伝聞。「…そうだ」。係助詞「こそ」の結びで已然形「なれ」になる。
推量「べし」(我が御うへなるべし)
語り手の推量。「ご自分のことらしい」。
打消推量「じ」+疑問(え罷りおりあへざらむ)
「ざらむ」は打消「ず」の未然形+推量「む」。「下がりきれないでいるかもしれません」。

解説

方違えは、平安貴族の生活に深く根づいた陰陽道の習慣である。行き先の方角が凶の日には、前夜に別の家に泊まって方角を変えた。源氏が空蟬と出会うのも、この方違えがきっかけである。物語は、当時の生活の決まりごとを巧みに筋立てに取り入れている。

襖越しに女房たちの噂を聞く場面で、源氏が「おぼす事のみ心にかゝり給へれば」胸をつぶすのは、藤壺への思いが知られることを恐れているからである。源氏と藤壺の関係は、物語の表面にはまだはっきり書かれていないが、こうした描写がその存在をほのめかしている。

空蟬は、故衛門督の娘で、本来は宮仕えに出るはずだったが、父の死後、年の離れた伊予介の後妻となった女性である。品定めで語られた「もとはやんごとなきすぢなれど」落ちぶれた中の品の女性そのものであり、源氏が興味をひかれるのも、品定めの話がきっかけになっている。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、36–40頁(コマ20–22)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日