古典ライブラリー

源氏物語 第2帖 帚木(8)

蒜食ひの女

登場人物:藤式部丞・蒜食ひの女・頭中将・左馬頭・光源氏

藤式部丞の体験談。学問の師でもあった博士の娘は、漢学に通じた賢い女だったが、久しぶりに訪ねると、風邪薬に蒜(にんにく)を飲んだので会えないと、漢語まじりに言う。皆はあきれて笑う。左馬頭は、知識をひけらかす女や、時と場をわきまえない歌詠みを戒め、品定めは夜明けまで続いた。

夕暮れの屋敷で、蒜を薬として飲んだ女が御簾越しに来訪を断り、若い男が戸惑いながら話を聞いている場面(AI生成)
夕暮れの屋敷で、蒜を薬として飲んだ女が御簾越しに来訪を断り、若い男が戸惑いながら話を聞いている場面
  1. 1「「「式部しきぶ式部しきぶしきぶががが所ところ所ところところにににぞぞぞ氣色けしき氣色けしきけしきあるあるある事こと事ことことはははあらあらあらむむん。。。少すこ少すこすこしししづゝづゝずつ語かた語かたかたりりり申まう申まうもうせせせ」」」ととと責せ責せせめめめらるらるらる。。。
  2. 2「「「しもしもしもがががしもしもしもののの中なか中なかなかにはにはには、、、なでふなでふなじょう事こと事ことことかかか聞きこ聞きこきこしししめしめしめし所ところ所ところところ侍はべ侍はべはべらららむむん」」」ととといへいへいえどどど、、、頭とう頭とうとうののの、、、「「「まめやかまめやかまめやかににに遲おそ遲おそおそししし」」」ととと責せ責せせめめめ給たま給たまたまへへえばばば、、、何事なにごと何事なにごとなにごとををを取と取ととりりり申まう申まうもうさささむむんとととおもひおもひおもいめぐらすめぐらすめぐらすににに、、、
  3. 3「「「まだまだまだ文章もんじやう文章もんじやうもんじょうのののににに侍はべ侍はべはべりりりししし時とき時ときとき、、、賢かしこ賢かしこかしこききき女をんな女をんなおんなのののためしためしためしをををなむなむなん見み見みみ給たま給たまたまへへえししし。。。
  4. 4かのかのかのうまうまうまのののかみかみかみののの申まう申まうもうししし給たま給たまたまへへえるるるやうやうようにににおほやけおほやけおおやけ事こと事ことことをををももも言い言いいひひい合あは合あはあわせせせ私わたくし私わたくしわたくしざまざまざまののの世よ世よよにににすまふすまふすまうべきべきべき心こころ心こころこころおきておきておきてををを思おも思おもおもひひい廻めぐ廻めぐめぐらさらさらさむむん方かた方かたかたもももいたりいたりいたり深ふか深ふかふかくくくざえざえざえのののきはきはきわなまなまなまなまなまなまののの博士はかせ博士はかせはかせ耻はづか耻はづかはずかしくしくしくすべてすべてすべてくちくちくちあかすあかすあかすべくべくべくなむなむなん侍はべ侍はべはべらららざりざりざりししし。。。
  5. 5それそれそれはははあるあるある博士はかせ博士はかせはかせののの許もと許もともとににに學問がくもん學問がくもんがくもんなどなどなどししし侍はべ侍はべはべるるるとととててて罷まか罷まかまかりりり通かよ通かよかよひひいししし程ほど程ほどほどににに、、、あるじあるじあるじのののむすめむすめむすめどもどもども多おほ多おほおおかりかりかりととと聞き聞ききききき給たま給たまたまへへえてててはかなきはかなきはかなき序ついで序ついでついでにににいひいひいいよりよりよりててて侍はべ侍はべはべりりりしししををを、、、
  6. 6親おや親おやおや聞き聞きききききつけつけつけててて盃さかづき盃さかづきさかずきもてもてもて出い出いいでゝでゝでて、、、我わ我わわががが二ふた二ふたふたつつつののの謠うた謠うたうたふふうををを聞き聞ききけけけとととなむなむなん聞きこ聞きこきこえごちえごちえごち侍はべ侍はべはべりりりしかしかしかどどど、、、をさをさをさをさおさおさうちとけうちとけうちとけてててもももまからまからまからずずず、、、かのかのかの親おや親おやおやののの心こころ心こころこころををを憚はばか憚はばかはばかりりりてててさすがにさすがにさすがにかゝづらひかゝづらひかかずらい侍はべ侍はべはべりりりししし程ほど程ほどほどににに、、、
  7. 7いといといと哀あはれ哀あはれあわれににに思おも思おもおもひひい後うしろ後うしろうしろみみみ寢覺ねざめ寢覺ねざめねざめのののかたらひかたらひかたらいにもにもにも、、、身み身みみののの才ざえ才ざえざえつきつきつきおほやけおほやけおおやけににに仕つか仕つかつこうううまつるまつるまつるべきべきべき道々みちみち道々みちみちみちみちしきしきしき事こと事ことことををを敎をし敎をしをしへへへててていといといと淸きよ淸きよきよげげげにににせうそこせうそこしょうそこ文ぶみ文ぶみぶみにもにもにもととといふいふいうものものものををを書か書かかきききまぜまぜまぜずずず言い言いいひひいまはしまはしまわし侍はべ侍はべはべるるるににに、、、
  8. 8おのづからおのづからおのずからえええ罷まか罷まかまかりりり絕た絕たたえええでででそのそのその者もの者ものものををを師し師ししとととしししてててなむなむなんわづかわづかわずかなるなるなる作つく作つくつくるるる事こと事ことことなどなどなど習なら習ならならひひい侍はべ侍はべはべりりりしかしかしかばばば今いま今いまいまにににそのそのその恩おん恩おんおんははは忘わす忘わすわすれれれ侍はべ侍はべはべらららねねねどどど、、、
  9. 9懷なつ懷なつなつしきしきしきとととうちうちうち賴たの賴たのたのまままむむんににに無才むざい無才むざいむざいののの人ひと人ひとひとなまわろなまわろなまわろならならならむむんふるまひふるまひふるまいなどなどなど見み見みみえええむむんににに耻はづか耻はづかはずかしくしくしくなむなむなん見み見みみえええ侍はべ侍はべはべりりりししし。。。
  10. 10まいてまいてまいて君きみ君きみきみだちだちだちののの御爲おほんため御爲おほんためおおんためにはにはにはさしもさしもさしもはかばかしくはかばかしくはかばかしくしたゝかしたゝかしたたかなるなるなる御後見おほんうしろみ御後見おほんうしろみおおんうしろみははは、、、何なに何なになににににかかかせせせさせさせさせ給たま給たまたまははわむむん。。。
  11. 11はかなしはかなしはかなし口惜くちを口惜くちをくちおしししとととかつかつかつ見み見みみつゝつゝつつももも唯ただ唯ただただ我わ我わわががが心こころ心こころこころにににつきつきつき宿世すくせ宿世すくせすくせのののひくひくひく方かた方かたかた侍はべ侍はべはべるるるめれめれめればばばをのこをのこおのこしもしもしもなむなむなん仔細しさい仔細しさいしさいなきなきなきものものものははは侍はべ侍はべはべるるるめるめるめる」」」ととと申まう申まうもうせせせばばば
  12. 12殘のこり殘のこりのこりをををいはせいはせいわせむむんとととててて「「「さてさてさてさてさてさてをかしかりをかしかりおかしかりけるけるける女をんな女をんなおんなかなかなかな」」」とととすかいすかいすかい給たま給たまたまふふうををを、、、心こころ心こころこころはははえええながらながらながら鼻はな鼻はなはなのののわたりわたりわたりをををててて語かた語かたかたりりりなすなすなす。。。
  13. 13「「「さてさてさていといといと久ひさ久ひさひさしくしくしく罷まか罷まかまからららざりざりざりしししににに物もの物ものもののののたよりたよりたよりににに立た立たたちちち寄よ寄よよりりりててて侍はべ侍はべはべれれればばば、、、常つね常つねつねのののうちとけうちとけうちとけ居ゐ居ゐいたるたるたる方かた方かたかたにはにはには侍はべ侍はべはべらららででで心こころ心こころこころやましきやましきやましき物越ものごし物越ものごしものごしにてにてにてなむなむなん逢あ逢ああひひいててて侍はべ侍はべはべりりりししし。。。
  14. 14にににやややとととをこがましくをこがましくおこがましくももも又また又またまたよきよきよきふしふしふしなりなりなりともともとも思おも思おもおもひひい給たま給たまたまふるふるうるににに、、、このこのこのさかしさかしさかし人びと人びとびとはたはたはた輕々かるがる輕々かるがるかるがるしきしきしき物怨ものゑん物怨ものゑんものえんじじじすすすべきべきべきにもにもにもあらあらあらずずず。。。世よ世よよのののだうりだうりどうりををを思おも思おもおもひひいとりとりとりててて恨うら恨うらうらみみみざりざりざりけりけりけり。。。
  15. 15聲こゑ聲こゑこえもももはやりかはやりかはやりかにてにてにていふいふいうやうやうよう、、、月比つきごろ月比つきごろつきごろ病びやう病びやうびょう重かさ重かさかさきききにににたへたへたえかねかねかねててて極ごく極ごくごくののの草藥さうやく草藥さうやくそうやくをををぶくしぶくしぶくしててていといといとくさきくさきくさきににによりよりよりなむなむなんえええたいめんたいめんたいめん給たま給たまたまはらはらわらぬぬぬ、、、
  16. 16まのあたりまのあたりまのあたりならならならずずずともともともさるべからさるべからさるべからむむん雜事等ざふじら雜事等ざふじらぞうじらはははうけうけうけ給たま給たまたまはらはらわらむむんととといといといと哀あはれ哀あはれあわれにににむべむべしくむべむべしくむべむべしく言い言いいひひい侍はべ侍はべはべりりり。。。
  17. 17いらへいらへいらえににに何なに何なになにとととかかかははは言い言いいははわれれれ侍はべ侍はべはべらららむむん、、、唯ただ唯ただただうけうけうけ給たま給たまたまはりはりわりぬぬぬとととててて立た立たたちちち出い出いいででで侍はべ侍はべはべるるるににに、、、さうざうしくさうざうしくそうぞうしくややや覺おぼ覺おぼおぼえええけむけむけん、、、このこのこの香か香かか失う失ううせせせなむなむなん時とき時ときときににに立た立たたちちちよりよりより給たま給たまたまへへえととと高たか高たかたかやかやかやかにににいふいふいうををを聞き聞きききききすぐさすぐさすぐさむむんもももいとほしいとほしいとおし。。。
  18. 18暫しば暫しばしばししし立た立たたちちち休やす休やすやすらふらふらうべきべきべきにににはははたたた侍はべ侍はべはべらららねねねばばば、、、實げ實げげにににそのそのそのにほひにほひにおいさへさへさへ華はな華はなはなやかやかやかににに立た立たたちちち添そ添そそへへえるるるもももすべなくすべなくすべなくててて、、、をををつかひつかひつかいててて、、、
  19. 19「「「のののふるまひふるまひふるまいしるきしるきしるき夕暮ゆふぐれ夕暮ゆふぐれゆうぐれにににひるまひるまひるますぐせすぐせすぐせととといふいふいうがががあやなさあやなさあやなさ。。。いかなるいかなるいかなることつけことつけことつけぞぞぞややや」」」ととと、、、いひいひいいももも果は果ははてててずずず走はし走はしはしりりり出い出いいででで侍はべ侍はべはべりりりぬるぬるぬるににに、、、追お追おおひひいててて、、、和歌
  20. 20「「「逢あ逢ああふふうことことことののの夜よ夜よよをををししし隔へだ隔へだへだてててぬぬぬ中なか中なかなかならならならばばばひるひるひる間ま間ままもももなになになにかかかまばゆからまばゆからまばゆからましましまし」」」、、、さすがにさすがにさすがに口くち口くちくち疾と疾ととくくくなどなどなどははは侍はべ侍はべはべりりりききき」」」とととしづしづしづしづしずしずととと申まう申まうもうせせせばばば、、、和歌
  21. 21君きみ君きみきみだちだちだちあさましあさましあさましととと思おも思おもおもひひいててて「「「そらごとそらごとそらごと」」」とととててて笑わら笑わらわらひひい給たま給たまたまふふう。。。「「「いづこいづこいずこのののさるさるさる女をんな女をんなおんなかかかあるあるあるべきべきべき。。。おいらかおいらかおいらかににに鬼おに鬼おにおにとととこそこそこそ向むか向むかむかひひい居ゐ居ゐいたらたらたらめめめ。。。むくつけきむくつけきむくつけき事こと事ことこと」」」とととつまはじきつまはじきつまはじきをををしししててて
  22. 22「「「言い言いいははわむむん方かた方かたかたなしなしなし」」」ととと式部しきぶ式部しきぶしきぶをををにくみにくみにくみててて、、、「「「少すこ少すこすこしししよろしからよろしからよろしからむむん事こと事ことことををを申まう申まうもうせせせ」」」ととと責せ責せせめめめ給たま給たまたまへへえどどど、、、
  23. 23「「「これこれこれよりよりより珍めづら珍めづらめずらしきしきしき事こと事ことことははは候さぶら候さぶらさぶらひひいなむなむなんややや」」」とととてててをりをりおりぬぬぬ。。。
  24. 24「「「すべてすべてすべて男をとこ男をとこおとこももも女をんな女をんなおんなもももわろものわろものわろものははは僅わづか僅わづかわずかににに知し知ししれれれるるる方かた方かたかたののの事こと事ことことををを殘のこり殘のこりのこりなくなくなく見み見みみせせせ盡つ盡つつさささむむんととと思おも思おもおもへへえるるるこそこそこそいとほしけれいとほしけれいとおしけれ。。。
  25. 25ののの道々みちみち道々みちみちみちみちしきしきしき方かた方かたかたををを、、、明あきら明あきらあきらかかかににに曉さと曉さとさとりりりあかさあかさあかさむむんこそこそこそ愛敬あいぎやう愛敬あいぎやうあいぎょうなからなからなからめめめ。。。
  26. 26などなどなどかかかははは女をんな女をんなおんなととといはいはいわむむんからからからににに、、、世よ世よよにににあるあるある事こと事ことことののの公私おほやけわたくし公私おほやけわたくしおおやけわたくしにににつけつけつけてててむげにむげにむげに知し知ししらららずずず至いた至いたいたらららずずずしもしもしもあらあらあらむむん。。。わざとわざとわざと習なら習ならならひひいまなばまなばまなばねねねどもどもども少すこ少すこすこしししもももかどかどかどあらあらあらむむん人ひと人ひとひとののの耳みみ耳みみみみにもにもにも目め目めめにもにもにもとまるとまるとまる事こと事ことことじねんじねんじねんににに多おほ多おほおおかるかるかるべしべしべし。。。
  27. 27さるさるさるまゝまゝままにはにはにはををを走はし走はしはしりりり書か書かかきききててて、、、さるまじきさるまじきさるまじきどちどちどちのののをんなぶみをんなぶみおんなぶみににに半なかば半なかばなかば過す過すすぎぎぎててて書か書かかきききすくめすくめすくめたるたるたる、、、あなあなあなうたてうたてうたてこのこのこの人ひと人ひとひとのののたをやかたをやかたおやかならならならましかましかましかばばばととと見み見みみゆゆゆかしかしかし。。。
  28. 28心地ここち心地ここちここちにはにはにはさしもさしもさしも思おも思おもおもははわざらざらざらめめめどどど、、、おのづからおのづからおのずからこはこはしきこはこはしきこわこわしき聲こゑ聲こゑこえににに讀よ讀よよみみみなさなさなされれれなどなどなどしししつゝつゝつつ殊こと殊ことことさらびさらびさらびたりたりたり。。。これこれこれははは上臈じやうらふ上臈じやうらふじょうろうののの中なか中なかなかにもにもにも多おほ多おほおおかるかるかるぞぞぞかしかしかし。。。
  29. 29歌うた歌うたうた詠なが詠ながながむむむととと思おも思おもおもへへえるるる人ひと人ひとひとののの、、、やがてやがてやがて歌うた歌うたうたにににまつはれまつはれまつわれをかしきをかしきおかしきふるふるふる事こと事ことことをををももも始はじめ始はじめはじめよりよりよりとりこみとりこみとりこみつゝつゝつつ、、、すさまじきすさまじきすさまじき折々をりをり折々をりをりおりおりよみよみよみかけかけかけたるたるたるこそこそこそしきしきしきとととなれなれなれ。。。返かへ返かへかへしししせせせねねねばばばなさけなしなさけなしなさけなし。。。えせえせえせざらざらざらむむん人ひと人ひとひとははははしたなからはしたなからはしたなからむむん。。。
  30. 30さるべきさるべきさるべき節會せちゑ節會せちゑせちえなどなどなど五月さつき五月さつきさつきのののににに急いそ急いそいそぎぎぎ參まゐ參まゐまいるるるあしたあしたあした何なに何なになにのののあやめあやめあやめももも思おも思おもおもひひいしづめしづめしずめられられられぬぬぬにににえならぬえならぬえならぬ根ね根ねねをををひきひきひきかけかけかけ、、、九日ここのか九日ここのかここのかのののにににまづまづまず難かた難かたかたききき詩し詩ししののの心こころ心こころこころををを思おも思おもおもひひいめぐらしめぐらしめぐらし、、、
  31. 31暇いとま暇いとまいとまなきなきなき折をり折をりおりににに菊きく菊きくきくののの露つゆ露つゆつゆをををかこちかこちかこちよせよせよせなどなどなどやうやうようのののつきなきつきなきつきなきいとなみいとなみいとなみににに合あは合あはあわせせせ、、、さならでさならでさならでもももおのづからおのづからおのずから實げ實げげににに後のち後のちのちににに思おも思おもおもへへえばばばをかしくをかしくおかしくももも哀あはれ哀あはれあわれにもにもにもあべかりあべかりあべかりけるけるけることことことののの、、、そのそのその折をり折をりおりにににつきなくつきなくつきなく目め目めめにもにもにもとまらとまらとまらぬぬぬなどなどなどををを推お推おおししし量はか量はかはからららずずずよみよみよみ出い出いいでででたるたるたる、、、なかなかなかなかなかなか心こころ心こころこころ後おく後おくおくれれれててて見み見みみゆゆゆ。。。
  32. 32萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことことににに、、、などなどなどかかかはははさてもさてもさてもととと覺おぼ覺おぼおぼゆるゆるゆる折をり折をりおりからからから、、、時々ときどき時々ときどきときどき思おも思おもおもひひいわかわかわかぬぬぬばかりばかりばかりののの心こころ心こころこころにてにてにてははは、、、よしばみよしばみよしばみなさけなさけなさけたゝたゝたたざらざらざらむむんなむなむなんめやすかるめやすかるめやすかるべきべきべき。。。すべてすべてすべて心こころ心こころこころににに知し知ししれれれらむらむらん事こと事ことことをををももも知し知ししらららずずず顏かほ顏かほかおにににもてなしもてなしもてなし、、、言い言いいははわまほしからまほしからまほしからむむん事こと事ことことをををももも一ひと一ひとひとつつつ二ふた二ふたふたつつつのののふしふしふしはははすぐすすぐすすぐすべくべくべくなむなむなんあべかりあべかりあべかりけるけるける」」」などなどなどいふいふいうにもにもにも、、、
  33. 33君きみ君きみきみははは人ひと人ひとひとののの御有樣おほんありさま御有樣おほんありさまおおんありさまををを心こころ心こころこころののの中なか中なかなかににに思おも思おもおもひひい續つづ續つづつづけけけ給たま給たまたまふふう。。。これこれこれははは足た足たたらららずずず又また又またまたさしさしさし過す過すすぎぎぎたるたるたる事こと事ことことなくなくなく物もの物ものものししし給たま給たまたまひひいけるけるけるかなかなかなととと、、、ありがたきありがたきありがたきにもにもにもいとゞいとゞいとど胸むね胸むねむねふたがるふたがるふたがる。。。
  34. 34何方いづかた何方いづかたいずかたににによりよりよりはつはつはつともともともなくなくなくてててはてはてはてはてはてはてははは怪あや怪あやあやしきしきしき事こと事ことことどもどもどもににになりなりなりててて明あか明あかあかししし給たま給たまたまひひいつつつ。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

頭中将は「式部のところにこそ、おもしろい話があるだろう。少しずつ語れ」と責める。式部丞は「下の下の者の話に、どうしてお聞きになるほどのことがございましょう」と言うが、頭中将が「まじめに、早くしろ」とお責めになるので、何をお話ししようかと思いめぐらして、語りはじめる。

「まだ文章生でございました頃、賢い女の例を見たことがございます。先ほど左馬頭が申されたように、公のことも相談でき、私生活で世を渡っていくための心構えも、深く考えることができ、学識のほどは、なまじっかの博士も恥じ入るほどで、何ごとにも口出しできないほどでございました。

それは、ある博士のもとに学問をしに通っておりました頃、主人に娘が大勢いると聞きまして、ちょっとした折に言い寄りましたところ、親が聞きつけて、盃を持って出てきて、『わが二つの道を歌うのを聞け』などと、それとなく言いましたが、私はそれほど打ち解けて通ってもいませんでした。それでも親の気持ちに遠慮して、やはり関わりを続けておりましたうちに、女はたいそう情け深く世話をしてくれて、寝覚めの語らいにも、私の学識を身につけさせ、朝廷にお仕えするための学問のことを教えてくれ、たいそうきれいに、手紙にも仮名というものをまじえず、もっともらしく漢文で書いてよこすので、自然と別れることもできずに、その女を師として、つまらない漢詩を作ることなどを習いましたので、今もその恩は忘れませんが、いとしい妻として頼みにするには、学問のない私が、みっともない振る舞いなどを見られるのが恥ずかしく思われました。

まして、あなた方のような方々にとって、そんなにしっかりしすぎた世話役は、何の役に立ちましょう。つまらない、残念だと一方では思いながらも、ただ自分の心に合い、前世の因縁に引かれるということがあるようですから、男というものは、まったくたわいないものでございます」と申し上げると、

頭中将は残りを話させようとして、「さてさて、おもしろい女だな」とおだてなさるので、式部丞は、それとわかっていながら、鼻のあたりをひくひくさせて語り続ける。

「さて、たいそう長い間通わずにおりましたが、何かのついでに立ち寄りましたところ、いつもくつろいでいる部屋ではなくて、気づまりな物越しに会いました。すねているのだろうかと、ばかばかしくもあり、また別れるにはよい機会だとも思いましたところ、この賢い女は、軽々しく恨みごとを言うはずもありません。世の道理をわきまえていて、恨みもしないのです。

声もはきはきとして言うことには、『この数か月、風病が重いのに耐えかねて、極熱の草薬を服用しまして、たいそうくさいので、お目にかかれません。直接でなくても、しかるべき雑用は承りましょう』と、まことに神妙に、もっともらしく言います。返事に何と言えましょう、ただ『承知しました』と言って立ち去ろうとしますと、物足りないと思ったのでしょうか、『このにおいが消えたころにお立ち寄りください』と声高に言うのを、聞き流して行くのも気の毒です。かといって、しばらくぐずぐずしているわけにもいかず、本当にそのにおいまで華やかに漂ってくるのもたまらなくて、逃げ腰になって、

『蜘蛛の振る舞いで、私が来ることがはっきりわかっていた夕暮れなのに、昼間(蒜の間)を過ごしてから来いとは、わけがわかりません。何の口実ですか』と、言い終わらないうちに走り出しましたところ、追いかけて、

『夜ごとに逢う仲なら、昼間(蒜の間)だって、何が恥ずかしいことがありましょう』と、さすがに返歌は早いものでした」と、落ち着きはらって申し上げるので、

君達は、あきれたことだと思って、「作り話だ」と言ってお笑いになる。「どこにそんな女がいるものか。おとなしく鬼とでも向かい合っていたほうがましだ。気味の悪い話だ」と、つまはじきをして、「話にならない」と式部丞をけなし、憎らしがって、「もう少しましな話をしろ」とお責めになるが、式部丞は「これより珍しい話がございましょうか」と言って座っている。

左馬頭は言う。「すべて、男も女も、つまらない者は、わずかに知っていることを残らず見せつけようと思っているのが、気の毒なことです。三史五経の学問の道を、すっかり究めつくすようなのは、女としてかわいげがないでしょう。かといって、どうして女だからといって、世の中のことの公私につけて、まったく知らず、わからないということがありましょう。わざわざ習い学ばなくても、少しでも才気のある人なら、耳にも目にもとまることが自然と多いでしょう。

そうであるままに、漢字を走り書きして、そうする必要もない女同士の手紙に、半分以上も漢字で書きつめているのは、ああいやだ、この人がもっとしとやかだったらと思われるものです。本人はそうも思わないでしょうが、自然とごつごつした声で読まれたりして、わざとらしいのです。これは上流の女房の中にも多いのですよ。

歌を詠むのが得意だと思っている人が、そのまま歌にとらわれて、おもしろい古歌の言葉を初めから取り込んで、場違いな折々に詠みかけてくるのは、不快なものです。返歌をしなければ情けないし、返歌のできない人はきまりが悪いでしょう。しかるべき節会、たとえば五月の節句に急いで参内する朝、何の分別もつかないのに、すばらしい菖蒲の根にかけて歌を詠みかけ、九月九日の宴では、まず難しい漢詩の趣向を考えているのに、忙しい折に菊の露にかこつけて歌をよこすなど、場違いなことと重なって、そうでなくても、後で思えばおもしろくもしみじみともするはずの歌が、その時には場違いで目にもとまらないのを、相手の事情も考えずに詠み出すのは、かえって気のきかないことに見えます。

何ごとにつけても、どうしてそんなことをと思われる折に、時と場合をわきまえない程度の心では、風流ぶったり、情けをかけたりしないほうが無難でしょう。すべて、心に知っていることでも知らないような顔をして、言いたいことでも、一つ二つは言わずにすませるべきなのでしょう」などと言うにつけても、

源氏は、ある一人の方のご様子を心の中で思い続けていらっしゃる。この方こそ、足りないところも、出過ぎたところもなくていらっしゃることよと、めったにないお方であるにつけても、ますます胸がいっぱいになる。話はどこに落ち着くということもなく、しまいには妙な話になって、夜を明かしてしまわれた。

意訳

藤式部丞の「蒜食ひの女」の話は、品定めの体験談の中でいちばん滑稽な話である。学問にすぐれた女は、恋人を前にしても漢語まじりで堅苦しく話し、蒜(にんにく)を飲んだので会えないと告げる。聞き手の若者たちは「そらごと」と笑い、式部丞をけなすが、話の中には、才気をひけらかす女への皮肉がこめられている。

左馬頭はこれを受けて、知識を見せびらかすことの愚かさと、時と場をわきまえることの大切さを説く。紫式部自身、漢学に通じていたが、『紫式部日記』では、そのことを人に知られないよう「一」という字も書かないふりをしたと書いている。左馬頭の言葉には、作者自身の処世の考えも重なっている。最後に源氏が心に思い浮かべるのは、足りないところも出過ぎたところもない、ただ一人の女性、藤壺である。

語釈・文法注

頭の君
頭中将。蔵人頭で近衛中将を兼ねる人。
文章のしやう
文章生(もんじょうしょう)。大学寮で漢詩文や歴史を学ぶ学生。
我が二つの道
白居易の詩「秦中吟」の一節「聴け我が二つの途を歌はん」による。富家の娘より貧家の娘を妻にせよ、と勧める詩。博士がそれとなく娘との結婚を勧めたこと。
かんな
仮名(かな)。
むべむべし
もっともらしい、いかにもきちんとしている。
腰折文
下手な詩文。ここでは自分の漢詩をへりくだっていう。
さいし
妻子(さいし)。ここでは妻。漢語めかした言い方。
こめく
ひくひくさせる意か。得意になって鼻をうごめかす様子。
ふすぶ
嫉妬する、すねる。
ふ病
風病(ふびょう)。風邪など、風が原因とされた病気。
極ねち
極熱(ごくねち)。きわめて熱性の強い薬。ここでは蒜(にんにく)のこと。
にげめ
逃げ目。逃げ腰、逃げ出すきっかけ。
さゝがに
蜘蛛の別名。蜘蛛が巣をかけるのは恋人が来る前兆とされた。
あはむ
軽んじる、ばかにする。
三史五經
三史は『史記』『漢書』『後漢書』、五経は『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』。漢学の基本書。
まんな
真名(まな)。漢字。仮名に対していう。
物し
不快だ、気に入らない。
五月のせち
五月五日の端午の節会。菖蒲(あやめ)を飾り、その根の長さを競ったりした。「あやめ」に「文目(分別)」を掛ける。
九日の宴
九月九日の重陽の節会。菊の花を浮かべた酒を飲み、漢詩を作った。
人ひとりの御有樣
ただ一人の方のご様子。源氏が心に思う藤壺のこと。

文法

疑問の係助詞「か」の結び(何事か聞しめし所侍らむ)
係助詞「か」を受けて、推量の「む」が連体形で結ばれている。反語で「どうして…があろうか」。
反実仮想「まし」(なにかまばゆからまし)
「…だったら、何が恥ずかしいことがあろうか」。疑問語「なにか」と呼応して反語の意になる。
当然・推量「べし」+詠嘆「けり」(すぐすべくなむあべかりける)
「あるべかりける」の撥音便「あんべかりける」の撥音無表記。「すませるべきだったのだ」。

和歌

さゝがにのふるまひしるき夕暮にひるますぐせといふがあやなさ

詠者
藤式部丞
状況
蒜を飲んだので、においが消えた頃にまた来てほしいと言われた式部丞が、逃げ出しながら詠んだ歌。蜘蛛の動きで恋人の来訪がわかる夕暮れなのに、昼間(蒜の間)を過ごしてから来いとは筋が通らない。

修辞

掛詞
「ひるま」に「昼間」と「蒜(ひる)間」を掛ける。
本歌
「わが背子が来べき宵なりささがにの蜘蛛のふるまひかねてしるしも」(『日本書紀』衣通郎姫の歌)をふまえ、蜘蛛が巣をかけるのは恋人が来る前兆とされた。

逢ふことの夜をし隔てぬ中ならばひる間もなにかまばゆからまし

詠者
蒜食ひの女
状況
女の返歌。夜ごとに逢う仲であるなら、昼間(蒜の間)に会っても、何が恥ずかしいことがあるでしょう。

修辞

掛詞
「ひる間」に「昼間」と「蒜間」を掛ける。

解説

「蒜食ひの女」の話は、品定めの体験談の締めくくりとして、笑いを誘う役割をもっている。博士の娘が漢語まじりで「風病」「極熱の草薬」「雑事」などと言うのは、女性が漢語を使うことの珍しさと滑稽さをねらった描写である。平安時代、漢字・漢文は男性の学問とされ、女性が漢学の知識を見せることははばかられた。

左馬頭の結論、心に知っていることも知らない顔をし、言いたいことも一つ二つは控えるべきだという考えは、平安宮廷の女性の処世術をよく表している。紫式部は『紫式部日記』で、清少納言が漢字を書き散らしていることを批判し、自分は屏風の上に書かれた漢詩さえ読めないふりをしたと記している。

一晩中続いた品定めの最後に、語り手は源氏の心の中に入りこみ、源氏が藤壺を思っていることを示す。男たちの議論は結論が出ないまま終わるが、源氏にとっての「理想の女性」はすでに心に定まっていたのである。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、33–36頁(コマ18–20)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日