新古今和歌集 巻第十七 雑歌中 1662番
わくらばに
たまには、どうして人が訪ねてこないのだろう。音無川に住む身であっても。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕都を出て長く修行しておりました時に、訪ねてくるはずの人が訪ねてこなかったので、熊野から贈った歌。
たまには、どうして人が訪ねてこないのだろう。音無川に住む身であっても。
意訳
たまには便りをくれてもよいだろうに。いくら音無川のほとりに住んで、音沙汰のない身だとしても。
語釈・文法注
- 音無川
- 紀伊国熊野の川。
和歌
- 作者
- 行尊(ぎょうそん) 1055–1135
源基平の子。園城寺の僧で、大峰山などで修行を重ね、のち天台座主・大僧正に至った。修行の旅の歌が多い。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十七・雑歌中・1662番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「都を出でて久しく修業し侍りけるに、訪ふべき人のとはず侍りければ、熊野よりつかはしける」(都を出て長く修行しておりました時に、訪ねてくるはずの人が訪ねてこなかったので、熊野から贈った歌)。
修辞
- 三句切れ
- 三句切れ。
解説
行尊の歌。底本は第四句を「音無川に」と刷る。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、305頁(コマ162)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日