古典ライブラリー

万葉集 巻第四 650番

吾妹子は 常世の國に

大伴三依(おおとものみより)

あなたは常世の国に住んでいたらしい。昔見たときより若返っていらっしゃる。久しぶりに再会した喜びを歌った大伴三依の歌。

久しぶりに再会した男女が、門前で向かい合い、男が驚いたように女性の顔を見つめている

題詞大伴宿禰三依、離れて復相へるを歡ぶ歌一首

  1. 1吾わぎ吾わぎわぎ妹も妹もも子こ子ここははは吾妹兒者
  2. 2常とこ常とことこ世よ世よよののの國くに國くにくにににに常世國爾
  3. 3住す住すすみみみけらしけらしけらし住家良思
  4. 4昔むかし昔むかしむかし見み見みみしししよりよりより昔見從
  5. 5變をち變をちおち若ま若まましししにににけりけりけり變若益爾家利

引用の仕方

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現代語訳

あなたは常世の国に住んでいたらしい。昔見た時より、若返っていらっしゃる。

意訳

しばらく離れていた人に再会すると、以前よりもいっそう若く美しくなっていた。不老不死の国である常世の国に住んでいたに違いないと、相手の若々しさをたたえ、再会の喜びを表している。

語釈・文法注

文法・本文

常世の國
海のかなたにあるという不老不死の理想郷。
變若まし
「をちます」は若返られる。

和歌

作者
大伴三依(?–774)
大伴御行の子。大宰府に赴任したことがある。
出典
『万葉集』巻第四・相聞・650番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
大伴三依が、別れていた人と再会した喜びを詠んだ歌。

修辞

誇張
相手の若々しさを、常世の国に住んでいたからだと誇張する。

解説

相手は坂上郎女とみる説がある。若返りを喜ぶ表現は、627・628番の変若水の歌とも通じる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、168頁(コマ88)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、178頁(コマ95)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日