古典ライブラリー

古今和歌集 巻第二十 大歌所御歌(東歌) 1098番

甲斐が根を

読人しらず(よみびとしらず)

甲斐の山々を、峰を越え山を越えて吹いてくる風が、人であればよいのに。そうしたら言づてを頼もうものを。

詞書
「甲斐うた」(前の歌と同じ詞書)
作者
読人しらず(底本に作者名の記載はない)
  1. 1甲斐かひ甲斐かひかいががが根ね根ねねををを初句
  2. 2ねこしねこしねこし山やま山やまやまこしこしこし二句
  3. 3吹ふ吹ふふくくく風かぜ風かぜかぜををを三句
  4. 4人ひと人ひとひとにもがもやにもがもやにもがもや四句
  5. 5言こと言ことことづてやらむづてやらむずてやらむ結句

引用の仕方

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現代語訳

甲斐の山々を、峰を越え山を越えて吹いてくる風が、人であればよいのに。そうしたら言づてを頼もうものを。

意訳

山を越えて吹く風に、遠くの人への伝言を託したいと願う。

語釈・文法注

ねこし山こし
峰を越え山を越えて。
もがもや
であればよいのに。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第二十・大歌所御歌(東歌)・1098番
歌体
短歌
状況
詞書「甲斐うた」(甲斐歌)。

修辞

擬人法
風を人に見立てる。

解説

読人しらずの歌。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、203頁(コマ115)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日