古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十四 恋歌四 733番

わたつ海と

伊勢(いせ)

涙で海のように荒れてしまった寝床を、今さら払ったら、袖が泡となって浮いてしまうだろうか。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
伊勢
  1. 1わたつわたつわたつ海うみ海うみうみととと初句
  2. 2あれにしあれにしあれにし床とこ床とことこををを二句
  3. 3今更いまさら今更いまさらいまさらににに三句
  4. 4はははらはばらはばらわば袖そで袖そでそでややや四句
  5. 5あわとあわとあわとうきなむうきなむうきなむ結句

引用の仕方

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現代語訳

涙で海のように荒れてしまった寝床を、今さら払ったら、袖が泡となって浮いてしまうだろうか。

意訳

恋人が来なくなって荒れた床は、涙で海のようになっている、と誇張する。

語釈・文法注

あれにし
荒れてしまった。

和歌

作者
伊勢(いせ) 872?–938?
伊勢守藤原継蔭の娘。宇多天皇の中宮温子に仕え、宇多天皇の皇子を産んだ。のち敦慶親王との間に娘の中務(歌人)を産んだ。『古今和歌集』に女性歌人として最も多い歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十四・恋歌四・733番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

伊勢の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、129頁(コマ78)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日