古今和歌集 巻第十三 恋歌三 652番
戀しくば
恋しいなら、心の中で思っていなさい。紫の根で摺り染めにした衣の色のように、表に出してはいけない、決して。

現代語訳
恋しいなら、心の中で思っていなさい。紫の根で摺り染めにした衣の色のように、表に出してはいけない、決して。
意訳
紫根染めの鮮やかな色のように恋心を表に出すな、と戒める。
語釈・文法注
- したにを
- 心の中で。
- 根ずり
- 紫草の根で摺り染めにすること。
- ゆめ
- 決して。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十三・恋歌三・652番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 序詞
- 「紫の根ずりの衣」が「色」を導く。
解説
読人しらずの歌。墨滅歌の注記(1108番)は、この歌の後にあったとする。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、116頁(コマ71)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日