古今和歌集 巻第十三 恋歌三 618番
あさみこそ
浅いからこそ袖が濡れる程度なのでしょう。涙の川に身まで流されると聞いたら、あなたを頼りにしましょう。

現代語訳
〔詞書〕その女に代わって、返歌として詠んだ歌。
浅いからこそ袖が濡れる程度なのでしょう。涙の川に身まで流されると聞いたら、あなたを頼りにしましょう。
意訳
敏行の歌に、女に代わって業平が返す。袖が濡れる程度の涙は浅い思いの証拠だ、と切り返す。
語釈・文法注
- あさみこそ
- 浅いからこそ。
- ひづらめ
- 濡れるのだろう。
和歌
- 作者
- 在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十三・恋歌三・618番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「彼の女に代りてかへしによめる」(その女に代わって、返歌として詠んだ歌)。
解説
在原業平の代作。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、110頁(コマ68)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日