古今和歌集 巻第十一 恋歌一 531番
早き瀨に
流れの速い瀬にも海松布(みるめ)が生えるものなら、私の袖の涙の川に植えるのに。

現代語訳
流れの速い瀬にも海松布(みるめ)が生えるものなら、私の袖の涙の川に植えるのに。
意訳
「見る目(逢う機会)」と同音の海藻「みるめ」を、涙で川のようになった袖に植えて、逢う機会を得たいと願う。
語釈・文法注
- みるめ
- 海藻の海松布。「見る目(逢う機会)」をかける。
- 植ゑましものを
- 植えるのに。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十一・恋歌一・531番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 掛詞
- 「みるめ」に「海松布」と「見る目」。
解説
読人しらずの歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、98頁(コマ62)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日