古今和歌集 巻第五 秋歌下 279番
秋をおきて
秋をさしおいて、菊にはほかに盛りの時があったのだ。菊の花は、色あせるにつれて、かえって色がまさるので。

現代語訳
〔詞書〕仁和寺で菊の花をお召しになった時、「歌を添えて献上せよ」とご命令があったので詠んで献上した歌。
秋をさしおいて、菊にはほかに盛りの時があったのだ。菊の花は、色あせるにつれて、かえって色がまさるので。
意訳
菊は盛りを過ぎて色が変わるとかえって美しくなる。秋の盛りとは別に、菊には菊の盛りがあるのだ、と賞美する。
語釈・文法注
- 秋をおきて
- 秋をさしおいて。
- 時こそ有りけれ
- (盛りの)時があったのだ。
和歌
- 作者
- 平貞文(たいらのさだふん) ?–923
桓武天皇の玄孫で、「平中(へいちゅう)」と呼ばれた。色好みとして知られ、『平中物語』の主人公とされる。寛平・延喜の歌合で活躍した。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・279番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「仁和寺に菊の花めしける時に歌そへて奉れと仰せられければよみて奉りける」(仁和寺で菊の花をお召しになった時、「歌を添えて献上せよ」とご命令があったので詠んで献上した歌)。
解説
平貞文の歌。宇多法皇の御所、仁和寺への献上歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、49〜50頁(コマ38)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日